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水持先生の顧問日誌

我が部の顧問、水持先生による日誌です。

5月17日

2014年05月17日 | 学年だよりなど

  学年だより「WCV」

 先日熊谷先生から、「こんな組織が今あるんですね」といただいた情報なのだが、「日本中退予防研究所」というNPO法人がある。
 現在、大学の中退者が、短大、専門学校まで含めると、年間で12万人にのぼるそうだ。
 大学入学後に新しい道を見つけて、前向きに進路変更する例ももちろんあるが、中退の多くは、大学と学生とのミスマッチに原因があるという。
 「研究所」では、その中身を大きく次の三つに分類している。
 一つ目は、(大学の)教育内容と(学生の)興味関心とのミスマッチ。入学してみたら、自分の思い描いていた勉強内容とのギャップが大きくて、続けられなくなる場合。
 二つ目は、90分の講義を聴いて勉強するという、大学の基本的な教育方法にたえられない場合。
 三つ目は、大学が必要とする学力がないまま入学し、ついていけなくなる場合。
 正直な感想を言えば、学生側にも、大学側にも問題はあるだろう。
 もともと勉強は得意ではなく、何かを学びたいという強い思いを持たずに入学しても、大学は手取り足取り教えてくれる場ではないから、なかなか自分で目標をみつけるのは難しい。
 定員を確保するためには、あまり厳しい入試を課すわけにはいかないという事情を持つ大学も今は多くなっている。そうなると、勉強が好きでない大学生が入学することは当然なのに、新しい教授方法を生み出すこともせず、なんとかしようとの思いも弱く、「最近の子は勉強しない」と嘆くばかりの大学の先生も現実にいる。
 どっちもどっちではあるが、中退というもったいない人生選択をしないようにするには、何と言っても学部の勉強との相性を第一に考えないといけないだろう。
 「研究所」も、その重要性を鑑み、「WEEKDAY CAMPUS VISIT」(WCV)という試みをひろめようとしている。
 これは、大学が用意したオープンキャンパスではなく、ごく普通の平日の講義日に大学を訪れ、その雰囲気と講義内容とを高校生に体験してもらおうという企画だ。
 みなさんも、この夏、オープンキャンパスに出かけようと計画していると思う。
 気をつけなければならないのは、そういう場は、やはり大学が飾り立てたイベントであることだ。
 その日には特別講義の時間が設けられていることも多いが、数多くいらっしゃる大学の先生の中から、選ばれし人気教授が、高校生向けの楽しい講義をする … 。
 それを聴いて、ぜひこの大学に入りたいと思い、見事その願いをかなえて入学してみたら、その先生の講義がとれなかったり、その先生以外の授業は楽しくなかった、というようなことは、別に特殊な事例ではない。
 個人的な意見を言わせてもらえば、オープンキャンパスの日はあえて行く必要はないと思う。
 何でもない日に、普通に電車に乗って訪れ、守衛さんにあいさつして「見学です!」と入っていき、学内を歩かせてもらえばいい。
 オープンキャンパスの日だけ用意される資料があると言うかもしれないが、そういう大学さんは、志が高いとは言えない。
 それに、たとえば東大とかだったら、見学などしてなくても、入学して何の問題もない。

コメント
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