大富豪の愛猫家が私財を投じて設立したオーケストラ「ニャーモニック交響楽団」は、今日も猫たちがステージを縦横無尽に駆け巡る、愛と混沌に満ちた演奏会を繰り広げているんだ。

指揮者の隣では、堂々たるメインクーンが優雅に毛づくろい。
そのしなやかな尻尾で譜面台の楽譜を器用にめくるのは、賢いアビシニアンだ。
ピアニストの指には、遊び好きなシャルトリューが噛み噛み。
一方、情感豊かなラグドールは、バイオリンの音色に合わせて朗々と歌い上げるんだ。
チェロを爪とぎとして愛用するのは、くるんと丸まった耳のメリカンカール。
フルート奏者の膝の上では、ふわふわのペルシャが気持ちよさそうに夢の中。そして、オーボエ奏者の足元には、短い足でちょこまかと動き回るマンチカンが、ごはんをねだって甘い声で鳴いている。
しかし、猫たちが決して近づかない場所がひとつだけあるんだ。
それは、突然轟くティンパ二ー。あの大きな音は、さすがの猫たちもちょっと苦手なよう。
そんな中、トロンボーンの穴を見つけると、猫たちの目は一瞬にしてハンターのそれに変わるんだ。もし穴の中にネズミでもいようものなら、それはもう大興奮!まさに一石二鳥、音楽と狩りが同時に楽しめる最高の舞台なんだ。
一方、客席を埋め尽くすのは、演奏の出来不出来など全く気にも留めない熱狂的な猫好きばかり。
「ブラボー!ブラボー!」と、愛らしい猫たちの姿に惜しみない拍手と歓声が送られます。
いかがでしたでしょうか?きみも「ニャーモニック交響楽団」に入団してみたくなった?
