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福島空港のせつない現状 「赤字幅は年々大きくなっている」 

2010-02-22 23:06:36 | Weblog
福島県OBで、県が35%出資する第三セクター、福島空港ビル副社長の永澤裕二(59)は、
昨年10月、福島空港のホームページ上にブログを立ち上げた。

タイトルは「青色吐息」。厳しい経営状態にある空港や会社の現状に、好きな女性歌手のヒット曲名
「桃色吐息」を重ね合わせた。そのまま「青息吐息」としなかったのは「さすがにせつなすぎる」と
考えたからだ。

日本航空が地方路線の減便を進める中、福島空港では昨年1月に最後の那覇路線がなくなり、
他空港に先駆けて日航が全面撤退した。現在は大阪(伊丹)、札幌(新千歳)の国内2路線と、
週3便の韓国・ソウル(仁川)、週2便の上海浦東路線のみ。かつて日航の搭乗カウンターが
あった場所は、県内の風景を撮った写真や県産製品などの展示スペースに様変わりした。

永澤は、観光情報や地元ゆかりの土地、人物など、さまざまな情報を毎日更新しながら発信
している。「ブログのコツを調べたら、自虐的に書きなさいとあった。それを実践している」。
知名度の低い福島のトピックや空港を広く知ってもらうための戦術だ。

福島空港は事業費約380億円をかけ、平成5年に開港した。5年度に30万人弱だった乗降客数
は順調に伸び、11年度は過去最高の約75万7千人に達した。

さらなる利用増を見越し、12年度には280億円を投じて2千メートルの滑走路を2500メートルに延長。
需要予測では、22年度で158万人に膨らむはずだった。

だが、期待と裏腹にその後減少に転じ、20年度は約42万7千人。日航便がなくなった21年度は
29万人前後まで落ち込む見通しだ。「新幹線や高速バスとの競争に負けた。予測できなかった」。
空港関係者の一人はそう語る。

空港の収支は、過去最高の国内7路線が就航していた10年度が約1億円の黒字だったのに対し、
近年は赤字が続き、赤字額は20年度で約3億円、21年度は約4億円にのぼる見通し。福島空港
ビルも、日航の撤退で年約7億円あったテナント料の4割が目減りし、34人いた社員を9人に減らし
たが、それでも21年度の赤字は約3400万円、累積赤字額は約9億2100万円に達する見通しだ。

「勝手に出ていって、取り付く島もなかった」。県空港交流課長の飯塚俊二(51)は、日航の撤退を
悔しさを込めて振り返る。

「ソウル便は重要な路線。県民全体で空路維持のために頑張りたい」。今年1月、知事の佐藤雄平(62)は、
全日空と共同運行で同路線を展開する韓国のアシアナ航空本社を訪ね、社長に力説した。

日本各地の地方空港に就航する同社の中でも、福島路線は旭川に次いで収益性が悪いという。3月に
開港する隣県の茨城空港には、同路線が毎日飛ぶことが決まっており、競合が予測される。
福島路線は存続自体が危ぶまれていた。

県は昨年4月、着陸料の大幅減免に踏み切った。本来、150人クラスのジェット機で1回あたり十数万円の
着陸料を、国内線は4分の1、国際線は実に15分の1に減額した。

昨年11~12月には、県が旅行会社に補助金520万円を出し、通常より1万円ほど安い韓国旅行のパックを発売。
平均搭乗率は12月で58.1%、1月は60.3%と上昇傾向だが、施策実施の背景には「茨城も開港するし、冬場は
搭乗率が低くなるので頑張ってください」というアシアナ側からのプレッシャーがあった。

路線をつなぎ止めるための多大なサービス。それなりの効果はあるが、根本的な経営改善にはつながっていない。
いわば、悪循環に陥っているともいえる。

飯塚は厳しい表情で語る。「自治体空港なので、赤字は全部県に降りかかってくる。赤字幅は年々大きくなっている。
やはり着陸料の減少は大きい…」(敬称略)

予測と現実のGAPが4倍もあったら通常の民間企業であったら倒産レベル・・・。そもそも福島に空港って距離的にもかなり無理がある・・・。羽田線がない時点で苦戦必至であるし・・・。正直、地方⇔地方の客の流動なんてたかがしれてるわな・・・。