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Googleに大量離職の危機--4年目のジレンマ [07/04/10]

2007-04-10 23:27:07 | Weblog
Googleはここ数年、急激に従業員数を増やしてきた。
しかし、IPO(新規株式公開)前にストックオプションを取得した大勢の百万長者たちが
8月に同社を一斉に去る可能性がある。

Googleの社内規則では、従業員は入社1年後からIPO前のストックオプションを段階的に受け取り、
入社4年後に全てのオプションを受け取る。そして、4カ月後に数百人の従業員が
その入社4年目を迎えるのだ。

この問題について、シリコンバレーの有力紙San Jose Mercury Newsは次のように報じている。
「(Googleの)上級役員らは、以前からこの問題を深刻なリスクと見ており、
長年勤務している従業員を引き止めるために積極的かつ革新的な対策を講じてきた。
一例としては、ストックオプション以外の株式報酬制度の導入が挙げられる。
また同社は4月に、他に類を見ないストックオプションの社内市場を立ち上げる。
同社の従業員はその市場で、『水面下の』オプションも売却することができる」
また同紙によると、「Googleは、年に1度の『幸福度』調査の実施や、
極めて重要な才能を持つ従業員に対する徹底した優遇措置といった、
緊急性の薄い問題にも取り組んでいる」という。

また記事には次のように書かれている。
「それでも、一部の従業員の退社は避けられないことをGoogleの幹部らは承知している。
従業員の中には、もはやGoogleでの仕事にやりがいを見出せず、別の仕事に移る人もいれば、
レストランの開業、非営利企業の創設、夢のマイホームの建設のために辞める人もいる」

Googleの最高文化責任者(CCO)、Stacy Savides Sullivan氏によると、
今のところ、退社したストックオプション長者はごくわずかだという。
Sullivan氏自身も退社する可能性があるが、同氏はMercury Newsのインタビューに
次のように答えている。「月並みな言い方だが、私はまだここの仕事が楽しい」

◎ソース CNET Japan
http://japan.cnet.com/news/media/story/0,2000056023,20346760,00.htm

いくらGOOGLEが世界的に称賛される企業とはいえ、その内部ではストックオプションを得て去る社員もいる。内外でなんとも大きな差だわなあ。



完全ウエーバー制反対の愚【二宮清純・談】

2007-04-10 07:09:30 | Weblog
ルールはできるだけシンプルなほうがいい。
あっちの顔を立てれば、こっちの顔が立たずで、ちょこちょこいじくり回しているうちに
ひどく使い勝手の悪いものになってしまう。プロ野球のドラフト制度がその典型だ。

不正の温床になっている「希望枠」の撤廃こそ決まったものの、
メジャーリーグが1965年から採用している下位球団から順番に選手を指名していく
完全ウエーバー制の導入は今回も見送られた。

以前から述べているようにドラフト制度にベターはあってもベストはない。最大公約数を尊重すべきだ。
入り口(ドラフト)で選手の権利を縛る代わりに出口(FA)を早めに開けてやる。
少なくともこれが現時点においてはベターだと私は考える。

完全ウエーバー制の導入に反対する勢力は、決まって「職業選択の自由」を訴える。
同じ口で「完全ウエーバー制を導入するとメジャーリーグにアマチュアの有望な人材が流出する」と言うのだから矛盾している。
それこそ「職業選択の自由」に反してはいまいか。

敢(あ)えて言う。プロ野球という「公共財」を支える者に「規律」を求めることがそんなに悪いのか。
プロ野球をひとつの組織とみなせば、「職業選択の自由」に反しているとは言いがたい。

行きたい球団には「権利」を勝ちとってから行けばいい。「自由」は与えられるものではなく、自らの力で勝ち取るものだ。
まず「規律」が先にあり、次に「権利」がきて、最後に「自由」がある。
それを具現化する第一歩となる完全ウエーバー制の理念に背を向ける一部の球団幹部や
コミッショナー代行は愚かな人々であると私は思う。(スポーツジャーナリスト・二宮清純)

【ソースは下記】
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/sports/npb/46613/

完全ウエーバーにできないあたり現チームの既得権の主張を退けることができない構造が厳然と存在することを痛感・・・。