ニュース斜め読み

 巷間の話題をだらだら論評。

完全ウエーバー制反対の愚【二宮清純・談】

2007-04-10 07:09:30 | Weblog
ルールはできるだけシンプルなほうがいい。
あっちの顔を立てれば、こっちの顔が立たずで、ちょこちょこいじくり回しているうちに
ひどく使い勝手の悪いものになってしまう。プロ野球のドラフト制度がその典型だ。

不正の温床になっている「希望枠」の撤廃こそ決まったものの、
メジャーリーグが1965年から採用している下位球団から順番に選手を指名していく
完全ウエーバー制の導入は今回も見送られた。

以前から述べているようにドラフト制度にベターはあってもベストはない。最大公約数を尊重すべきだ。
入り口(ドラフト)で選手の権利を縛る代わりに出口(FA)を早めに開けてやる。
少なくともこれが現時点においてはベターだと私は考える。

完全ウエーバー制の導入に反対する勢力は、決まって「職業選択の自由」を訴える。
同じ口で「完全ウエーバー制を導入するとメジャーリーグにアマチュアの有望な人材が流出する」と言うのだから矛盾している。
それこそ「職業選択の自由」に反してはいまいか。

敢(あ)えて言う。プロ野球という「公共財」を支える者に「規律」を求めることがそんなに悪いのか。
プロ野球をひとつの組織とみなせば、「職業選択の自由」に反しているとは言いがたい。

行きたい球団には「権利」を勝ちとってから行けばいい。「自由」は与えられるものではなく、自らの力で勝ち取るものだ。
まず「規律」が先にあり、次に「権利」がきて、最後に「自由」がある。
それを具現化する第一歩となる完全ウエーバー制の理念に背を向ける一部の球団幹部や
コミッショナー代行は愚かな人々であると私は思う。(スポーツジャーナリスト・二宮清純)

【ソースは下記】
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/sports/npb/46613/

完全ウエーバーにできないあたり現チームの既得権の主張を退けることができない構造が厳然と存在することを痛感・・・。



最新の画像もっと見る

コメントを投稿