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1日で誕生20年のJR…7社の経営、明暗くっきり[03/31]

2007-04-01 23:59:16 | Weblog
国鉄の分割民営化でJR7社が誕生して、1日で20年。恒常化していた運賃値上げやストはなくなり、
民間会社らしいサービスも定着したが、7社の経営を見ると、明暗が鮮明だ。株式を上場している
東日本、東海、西日本の“本州3社”が順調に業績を伸ばす一方で、北海道、四国、九州の
“3島会社”と貨物は、人口減少や道路網整備を背景に苦境が続く。3島・貨物の上場のめどは
立っておらず、「国鉄改革のゴール」(国土交通省)である7社の完全民営化はまだ遠い。【増田博樹】
分割・民営化後の変化は大きい。国鉄時代の末期に、ほぼ毎年実施されていた運賃値上げ。
人件費など経費の削減により、消費税引き上げに伴う値上げを除くと、3島会社が96年に
1回実施しただけだ。駅ビル内に「駅ナカ」と呼ばれる商業施設を開設したり、「スイカ」など
新型乗車券を相次いで投入するなど民間会社らしい企画を打ち出している。国鉄時代のストは
影を潜め、従業員の態度やサービスも国鉄時代に比べ評価は高い。旅客6社の輸送量は
民営化直前の86年度比で、04年度には1.22倍になった。
ドル箱の新幹線など基幹路線を抱える本州3社は業績が改善し、93年の東日本を皮切りに
相次ぎ証券取引所に上場。01年にはJR会社法の規制を解かれ、それまで国の許可が必要だった
役員選任や借り入れ、新規事業などが自由に行えるようになった。昨年4月には旧国鉄の
清算事業を担う「鉄道建設・運輸施設整備支援機構」(鉄道・運輸機構)が最後まで
保有していたJR東海株式を売却し、本州3社は完全民営化を果たした。JR東海の松本正之社長は
「リニアで東京-大阪間のバイパス化に取り組む」と、さらなる事業拡大に意欲を見せる。
対照的に3島会社の現状は厳しい。本業のもうけを示す単体ベースの営業利益(05年度)は、
東海道新幹線を持つ東海が3837億円であるのに対し、北海道は307億円、四国は95億円の赤字だ。
九州は04年度に初めて黒字化したが、出向社員の給与を営業費用から経常費用に変更して
底上げした結果だ。営業赤字を埋める、いわば命綱が「経営安定基金」と「固定資産税の減免」。
安定基金は87年の分割・民営化の際、当初から赤字経営が予想された3島会社に設けられた。
旧国鉄が総額1兆2781億円を基金に拠出し、3社はこれを金融市場などで運用して、運用益を
赤字穴埋めに使ってきた。ただ、運用も超低金利下で苦しく、97年度からは鉄道・運輸機構に
融資を行いその金利収入も加えて、どうにか3%台の運用益を確保している。
3島会社と貨物が対象の固定資産税の減免は、当初民営化から10年間の時限措置だったが2回延長され、
さらに07年度から5年間再延長されることになった。国交省の安富正文事務次官は「(貨物と
3島会社の)4社は経営安定基金などをベースにしており経営基盤が確立したとはいえない」と話す。
3島会社が慢性的な赤字体質を抜け出すのは簡単ではない。特に北海道と四国は厳しいと言われ、
今後、基金の積み増しや本州会社との合併など抜本的な対策が必要になる可能性も出てきそうだ。

毎日新聞 http://www.mainichi-msn.co.jp/keizai/kigyou/news/20070401k0000m020066000c.html
JR CYBER STATION http://www.jr.cyberstation.ne.jp/

本州3社と比較してほかの4社が厳しいのは最初から予測できたと思われるが・・・。とはいえ、今更3島のJRを本州の3社が引き取るというのも考えにくいが・・・。