goo blog サービス終了のお知らせ 

Weekend Strummer

ウィークエンド・ストラマー。
世間知らずのオジサンが脈絡無く語る、ギター・アフリカ・自閉症。

ケニヤから犬を輸入する方法

2015-05-28 20:46:44 | ケニヤ

犬を空輸する時、到着空港で引き取りますが、この際の犬の扱い方には到着国によってかなり差があります。
今までで一番受け取りが楽だったのは、20年前のスリランカでありました。
預けた荷物が乗って出てくるベルトコンベアがあるでしょう? 自分の荷物が回ってきたら取り出す大型の回転寿司みたいな装置。
コロンボの空港では愛犬を入れたケージがあれに乗って出てきました。しかも先頭で。まるで多くのトランクを先導するかのように。
その便の乗客はみんなコンベア周辺に集まって自分たちの荷物を待っていたわけですが、当然のことながら全員が愛犬に注目することとなりました。中には「イヌ来た―!」と驚きながらも笑いつつ声をあげるヒトもいて、注目を浴びた私の犬もケージの中で大いに照れているようで、なかなか楽しいシチュエーションでありました。
私はそのケージをヨッコラショと持ち上げてカートに積み、空港職員や税関スタッフ、その他の人々から何のお咎めもなく、空港外へ運び出したのでした。

現代の日本ではそんなに簡単に事は運びません。
今回、愛犬バタコをケニヤから輸入したのですが、飼い主である私はすでに日本におります。手荷物ではなく、貨物として扱われることになりました。
ケニヤのケンネル・ヨアニヤッパビル(変な名前ですね)は、ペット犬の空輸に関することはすべて手配してくれます。イースター休暇後のフライトを手配してもらいました。ナイロビからアムステルダムを経由して、成田に到着するのは午前8時半のフライトです。
引き取る者としてまず手配するのが動物検疫所への届け出です。「ペットの犬が貨物で届くからよろしくね」と、到着40日前に届け出る必要があるんです。これはインターネットで申し込みできるので、狂犬病の予防接種やICチップの情報など、書類さえそろっていれば割と簡単にできます。
前回お知らせした狂犬病の抗体検査証明書の他、ケニヤ政府発行の輸出許可証、輸入届出書など、例によってナンダカンダといろんな書類が必要です。
全て携えて、バタコのフライトが成田に着陸するのとほぼ同時に、私も空港の貨物セクションに到着。

 しかし、どこへ行けばよろしいのか? 
どうも、貨物の引き取りは主に運送業者を通じて行われるようです。自分で引き取りに行った私は手順がわからず右往左往。

「上屋」ってご存知ですか? コレ、なんて読みます? 
上屋は、貨物の仕分けをする場所なんですって。「屋根だけの倉庫」なんだそうです。仕分けするだけで保管しないので、壁が必要ない場所らしい。私は知りませんでした。
そして「うえや」と読むのかと思ったら「うわや」だそうです。これ、運送業界の専門用語ですね、きっと。

空港の上屋に行ってカウンター内にいるヒトに貨物受取証を見せて案内を乞い、手順を教えてもらいました。
上屋のヒトが受取証を確認した後、バタコを入れたケージはカートに載せられてすぐに運ばれてきました。

バタコの本名「Buttercup」です。

2か月半ぶりに会う愛犬バタコ。長旅で疲れ、また怯えてもいるのでしょう、カートを押す係のヒトを威嚇するように歯をむき出し、低く唸っておりました。私がトーンの高い口笛をピイッと鳴らしましたら、すぐに気付いてクィーン!と甘えた声を出すバタコ。
かわいい。
すぐにもケージから出してやりたかったのですが、ここで開放することはできません。まずはケージの隙間から指を入れてマズルを撫でてやります。

「早く出して」と甘えるバタコ。

そのままカートを押して動物検疫所へ。そこでようやくケージから出してやります。

バタコ大コーフン。私の両肩に抱きつくように前足をがしっと置いて、長時間のベロベロ攻撃。私の大きめの顔はすぐにバタコの唾液だらけになってしまう。でもいいけど。
ICチップの番号に続いて、書類が確認されます。なにしろ大量にあるので、ちょっと時間がかかるようです。

たくさんあるでしょう? これ、全部バタコを輸入するのに必要な書類です。ヒトサマはパスポートだけで済むのにねぇ…。

そして税関での手続き。
こちらで愛犬の値段を申し上げ、必要であれば税金を払います。私にしてみれば値段などつけられないほど大事な存在でありますが、雑種のバタコは血統的には駄犬でありましょう。
¥8000と申請書に書いて、

こんなとこで、いかがでしょ? 

と係の方に目くばせすると、

あちらも目で

「ま、そんなとこでしょ」

と答えてくださり、書類にハンコをくれました。

これでおしまい。全行程3時間でありました。ちょっとくたびれた。

成田から1時間ほどのドライブで帰宅。エサを食べて、午後から雨が降るという予報だったので、食後すぐに散歩に出かけました。

盛りは過ぎておりましたが、桜をバックに撮影したのがこれ。

 

ようこそお帰り、バタコ。

コメント (8)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ケニヤから犬を輸出する方法 | トップ | 初めてのギター (ヤマハFG-... »
最新の画像もっと見る

8 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

コメント日が  古い順  |   新しい順
ご質問From Oversea (同じ穴の狢)
2016-04-14 17:12:22
 Habari yako?
 現在JOCVとして海外にいる者で、貴殿と同様犬を連れ帰ろうと四苦八苦しているところです。
 私も手続きを開始したのが遅く、貴殿同様帰国後に犬様を貨物輸送という予定を立てております。
 輸送会社の手配、抗体検査、検疫…想像以上の作業量で、諦めようかと考えたりもしています。
 先輩として色々とお尋ねしたいことがあるのですが、プライベートな内容も含みますのでこの場以外の場でコンタクトを取らせていただく方法はございませんでしょうか?(Eメール、Facebook etc.)
 ご返答お待ちしております。
返信する
コメントありがとう。 (Weekend Strummer)
2016-04-15 01:01:16
任国はどちらでしょうか? 
スワヒリ語が書いてあるので東アフリカかな?
ケニヤであればブログ文中に紹介しました「ヨアニヤッパビル」がいちばん頼りになります。抗体検査の手配などもやってくれますし、ペットを空輸する際にどの航空会社を利用すれば乗り換え時のトランジット時間が短くてペットに負担が少なくて済むかなど、目的地別の情報も豊富なようです。
コンタクトなさってみてはいかがでしょうか?
返信する
ご返答ありがとうございます。 (同じ穴の狢)
2016-04-15 05:34:25
任国は同じくケニア、セントラルです。
本日早速お薦めの「ヨアニヤッパビル」に電話してみましたが、残念ながら繋がりませんでした。ナイロビからも少し離れているようで、直接尋ねに伺うには不便そうですね・・・
差し支えなければ、「ヨアニヤッパビル」に輸送をお願いした際にかかった費用はいかほどだったかお教えいただけますでしょうか?また、もしあちらに預けた場合一日いくら位かかるのでしょうか?
帰国日が迫っており、不躾なご質問をお赦し下さい。。。
返信する
がんばって。 (Weekend Strummer)
2016-04-15 13:45:04
活動お疲れ様です。御帰国が迫っているとのこと、お忙しい時期だと推察します。

ヨアニヤッパビルへの連絡はメールの方が確実かと思われます。直接行くと、エンブからクルマで4時間かかります。最寄りの町はモンバサ・ロードのサラーマ。

輸送費用は、ワンちゃんのサイズにもよるかと思いますが、ウチのバタコ(約25キロ)の航空運賃はUS$2604でした。
この他にも、ケニヤ政府から輸出許可証を取り付ける費用(US$25)、ヤッパビルからJKIAまでの輸送費用(US$195)、また、抗体証明書が送られてくるまでバタコを預かってもらったのですが、その費用がUS$265/monthでした。
抗体証明書取り付け費もUS$235かかります。
ワンちゃんにICチップは移植済みですか? これがないとIDできないので、輸出は難しいのではないかと思います。移植するとしたら更にUS$300くらいかかるかと。
返信する
ニエリの獣医 (Weekend Strummer)
2016-04-15 13:50:30
抗体検査のための血液サンプル採取は、ニエリの獣医さん(オディアンボさん)に頼みました。若いけど経験豊富で頼りになる方です。電話でのコンタクトはヤッパビルよりもつながりやすいと思います。
電話番号はゼロさばニーたとぅ・ニーたとぅニーんねハチたとぅ。
返信する
間違えた。 (Weekend Strummer)
2016-04-15 13:59:39
オディアンボさんはニエリじゃなくてナニュキの獣医さんでした。もしもICチップの移植が必要であれば、その件についても相談にのってくれると思います。
返信する
m(. .)m (同じ穴の狢)
2016-04-15 16:37:08
ご丁寧に詳しく教えていただきありがとうございました!
輸送費用、やっぱりその位するんですね。。。
ケニヤ政府からの輸出許可証と抗体検査は自分でやるつもりです。採血とマイクロチップも近々ナイロビのVetのヘッドクオーターからDrを呼んでやってもらう計画を立てています。
輸送に関しては一般の運送会社にもコンタクトを取り始め、今週末上京した際に見積りを取ってもらってヤッパビルと比べてみようかと思います。

ちなみにナニュキからオディアンボさんを呼んだときは、いくらかかりましたか??差し支えなければ教えてください。
返信する
Unknown (Weekend Strummer)
2016-04-16 01:45:31
色々とご自分で手配なさっているんですね。偉いですね。

抗体検査にかかったのは確か$295だったかと思います。ヤッパビルに払ったはずです。オディアンボさんには交通費しか払わなかったんじゃなかったかな? 

任期は7月頃まででしょうか? だとすると、まだ余裕がありますね。
万事うまくいきますように。
返信する

コメントを投稿

サービス終了に伴い、10月1日にコメント投稿機能を終了させていただく予定です。

ケニヤ」カテゴリの最新記事