あけましておめでとうございます。今年もよろしく。
モザンビークのザンベジアではマンゴーが11月頃から食べられるようになります。
私は果物にはほとんど興味がないのですが、マンゴーだけは別です。いくら食べても厭きが来ない。
農村周辺には多くのマンゴーの木が自然に生えております。木の持ち主が明確でないため、どのマンゴーの実も取ったヒトのものになります。だから食べ放題。なんかパラダイス。周辺住民全員サル化。
たわわに実ったマンゴーの木の下に立ち、好みの熟度の実を選びます。実をもぐとき、樹液が噴き出すことがあるので注意する必要があります。皮膚についてもあまり害はないと思いますが、マンゴーはウルシ科の植物ときいておりますので、一応警戒しています。
実に歯を立てて皮をむきます。
品種にもよりますが、オレンジ色に熟れたマンゴーの果肉には柔らかさとともに微かな粘着性があり、純粋に食感だけを比較すると琵琶の実に似ているような気がします。木材の香りを希薄にしたようなタンニンの風味が果肉の甘みを惹きたてる。厭きが来ないので満腹するまで食べちゃったりすることがあります。
先日出会った農家は農作業のかたわら、マンゴーを茹でてました。
「茹でたマンゴー」は語感が似てはいますが「ゆで卵」とは完璧に別物であります。
言うまでもないことでありますが。
むしろ言わないほうが良かったような気もしますが。
本来生食を基本とするマンゴーを茹でるとは、なんだか奇習のように思えます。
豊富に手に入るマンゴーを生で食べるのに厭きて、かといって農村周辺には他に簡単に手に入る食料も見当たらないので、仕方なく加熱して味を変えて食べているのでしょう。まったく気が進まなかったのですが、強く勧められて断り切れず、いただくことにしました。
手渡された実は柔らかく膨らみ、皮がブヨブヨになっています。
うへぇ。まずそう。
その感覚は、例えは悪いけどカエルの腹に似ています。
爪を立てて皮をむくと裂けるように割れました。皮の裏に果肉が張り付いています。色も香りもマンゴーですが見た目は別物のよう。
恐る恐る口に含むと……、
あれっ? なんで? コレうまいじゃん!
あんこのようにねっとりと柔らかく、強い甘みが舌にまとわりつきます。加熱によりタンニンが抜けたのでしょうか。渋みがなくなったぶん、甘みが強調されたようです。
そして、更にびっくりしたのはその味。どういうわけか焼き芋の味がするんです。じっくり丁寧に焼かれた甘い焼き芋の味。おいしい。
大きめのマンゴーでしたが、夢中になってペロリと食べてしまいました。いやー、おいしかった。
農家によると、茹でることで味が変わるだけでなく、もしも虫食いだった場合は加熱で虫を殺せるというメリットもあるそうです。
食わず嫌いは生涯の損。食べてみなけりゃその味はわからない。
マンゴーの新しい食べ方教えて頂いて有難うございます。店で買った物で試してみようかと思っています。
マンゴーチャツネ作る時は火を通すけどそのまま茹でるとは思いつきません!(それにしてもゆでたまごとのダジャレは、言葉が豊富ならではですね!!)
日本のご家族と愛犬さんにもよろしくお伝え下さい。
マンゴーにはいろいろと種類があるそうで、果物屋で販売されているのは「ペリカンマンゴー」という種類であることが多いそうです。
ところが、こちらの農家によると、茹でておいしいのは「キーツマンゴー」と呼ばれる種類らしい。しかも完熟したものではなく、緑色が多く残る若めの実がよろしいとか。
参考までに。