マンゴーの実が落ちないことを願って幹に藁(わら)を巻く慣習がモザンビークにあるのをご紹介したのは昨年11月。
先日、久しぶりに同じ農家を再訪問する機会がありました。
件の立派なマンゴーの樹は相変わらず太く頼もしく生えておりましたが、結実するのは10月後半でしょう。しめ縄のように見えた藁はすでに取り払われておりました。
その代わりに見つけたのが、敷地を囲むように生えている3本のココナツとオレンジの樹に巻かれた藁でした。
昨年はマンゴーに巻かれていたけど、今年のこれは何? と尋ねると、実が病気にかかるのを防ぐために巻いている、とのこと。ココナツにもオレンジにも、結実後に実が割れてしまう病気があるそうで、それを防ぐためのおまじないだそうです。
コイツラ、去年はマンゴーの幹を伝う雨水を止めるとか、花にたかる虫を防ぐとか言ってたんだよな。訊くたんびに違う答えを返してくる、いい加減なヒトタチであります。でもま、いっか。俺もいい加減だし。
誰がいつ巻くの? と尋ねてみると、これは年長の女性の役目なんだとか。どうも閉経した女性にはある種の能力が宿ると信じられているようです。もう妊娠しなくなった女性=子を守る役目を終えた女性が、果物の実を守るために樹に力を注ぎ、藁を巻き付けて結ぶことでその力が外に漏れないように封じ込める、と言うことなのかもしれません(知らないけど)。
日本の神道の巫女は20代後半で定年を迎えるそうですが、モザビではその逆で年季の入ったオババにこそ霊験が宿る(のかどうかは知らないけど)。
そういう霊験あらたかなオババは、もしやシャーマン的なヒトなのかと思って、近所にそういう特殊能力のあるオババがいてそのヒトに来てもらうの? と尋ねてみたら、
「ううん、うちのおばあちゃんが巻くの」
けっこう近場で安易に調達しているようです。
残念ながらおばあちゃんは外出しているらしく、会えませんでした。もしも在宅中であれば実際にどう巻くのか、実演してもらえたのになぁ。
しめ縄みたいに見えるんだから材質は稲藁だろう、と思い込んでおりましたが、これも間違いでありました。稲じゃないんだって。なんかそこらにある雑草。
葉だけを見るとショウブみたいな。
けっこう近場で安易に調達しているようです。
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