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Weekend Strummer

ウィークエンド・ストラマー。
世間知らずのオジサンが脈絡無く語る、ギター・アフリカ・自閉症。

自閉症児のお気に入り2

2010-01-25 02:47:22 | 自閉症
前述のエルモたちほど長期に渡るものではありませんが、娘が急に執着し始めるものがあります。
そのほとんどが紙製で、例えばある雑誌の1ページであったり、飛行機の座席ポケットに入っている避難経路のパンフレットであったり、あるDVDのパッケージであったり、と様々です。
気に入るポイントは、私が想像するに、その材質であったり、描かれているキャラクターだったり、色使いだったリ、と、これも様々。
この執着はかなり徹底したもので、常に自分のそばに置いてペラペラ感を手で楽しんだり、時折じっと見入ったりしています。就寝時には寝床にも持って行きます。
しかし、こういう紙系のお気に入りに対する興味は、始まった時と同じように唐突に終わります。比較的短期間、だいたい1週間くらいです。たいてい最後はびりびりと破って屑籠に捨てます。破り方も真っ二つと言った生易しいものではなく、細かく紙吹雪状態にしてしまいます。可愛さ余って憎さ百倍、と言ったフレーズが連想されるほどです。
捨てるまでの執着が強かったことを知っておりますから、そんなに簡単に棄ててしまって良いものか、あとでまた恋しくなって困るんじゃないか、親としては心配になってしまいますが、そんな心配は無用で一旦捨ててしまったら二度と執着しません。未練一切無し。
物欲が強く、加えて古いものを捨てられない貧乏性のため、年を負うごとに身の回りにいろんな品物が増えてゆく父ちゃんからすると、ちょっとうらやましい性格です。
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ヨッパライ自閉症

2010-01-14 00:42:52 | 自閉症
先日、久しぶりに焼肉でも、と思い、家族3人で市内の韓国料理店に行きました。
入店してテーブルに着いたとたん、各種キムチやチヂミ、小魚の佃煮などが乗った小皿がテーブルに並べられ、なんとなく華やかな雰囲気です。プルコギと豚の三枚肉を頼むと、鉄板でジュージューと焼いてくれました。

ここ数年、蒸留酒一本槍の私は韓国焼酎ジンロの小瓶を注文し、肉が焼けるまで、ショットグラスで飲んでいました。
どういう製造方法なのか知りませんが、ジンロは甘い口当たり。でも、その甘みがくどくなくて飲みやすく、スムースに喉を通る楽しいお酒。喉に負担がないせいか、さほど飲んだ自覚がないのに気がついたらかなり酔っていた、なんてこともありますが。

焼けた肉とキムチを生の白菜の葉に乗せ、スパイスにニンニクのスライスや唐辛子のかけらも加えて包みます。そのまま大口を開けて「ウム」という感じでほおばり、しばし咀嚼。
当初は白菜に舌を取られて味がよくわからないのですが、噛むうちに白菜の隙間から肉とキムチの味が見え隠れし始め、次第にはっきりしてきて、そこにニンニクと唐辛子の辛味が加わり、なんともいえないお味になります。嚥下した後も口中の粘膜に毒のように張り付くニンニクと唐辛子の刺激。それをジンロの甘みで洗い流すと、ほーっと息が漏れる。なんだか一仕事終わったような気分になります。

少々腹が落ち着いた頃。
気がつくと私のジンロのグラスが空になっているんです。
あれ? おかしいな? さっき注いで、その後は飲んでいなかったはずだけど・・・。
娘でありました・・・。しまった。焼肉に夢中になって、娘に注意していなかった。
こちらが目を離している間に自分の飲み水と間違えて飲んじゃったようです。甘い口あたりに特に抵抗感なく、飲んでしまったのでしょう。

まぁ、飲んでしまったものはしょうがない。吐かせる訳にもいかないし。
さて、この自閉症児、酒を飲むとどうなっちゃうんでしょう?
興味津々で観察しておりましたら、確実に酔ってるんです、こいつ。
顔の血色が良くなり、頭を盛んに振って上機嫌。ケラケラと笑い、しかし、少々目が回るのか、時々おでこに手を当てて考え込むようなポーズをとってみたり。
こいつ酔ってるよー、イッチョマエだー、などと指をさして笑う両親。
そのまま楽しい雰囲気で夕食を終え、帰宅。娘はソファに直行し、ぶっ倒れてそのまま熟睡。2時間ほど眠って起きた彼女は、「お水飲ませて」と要求。ごくごくと大量の水を飲んでいました。「酔いざめの水飲みたさに酒を飲み」と、古川柳に歌われるほどです。やっぱり酒の後の水はうまいんだなー。
その直後、盛大なゲップを吐き、それがすさまじい臭い。
ゲップの臭さもイッチョマエ。
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自閉症児のお気に入り

2010-01-10 00:41:14 | 自閉症
チャーリー・ブラウンの友人ライナスは毛布に強い執着があり、漫画では常にいっしょに登場します。
自閉症の愛娘にも、強い執着を長く持続させるものがあります。
生後7ヶ月の時に買い与えたエルモ(セサミストリートに登場するキャラクター)のぬいぐるみはその後12年にわたって執着対象となりました。
当初はふわふわで手触りの良かった毛並みが、赤ん坊の唾液で固まってガビガビになりました。
ユーモラスに瞳が描かれていたプラスティック製の眼は、瞳がこすれていつの間にか無くなり、完全な白目となりました。
就寝後の娘を見舞うと、寝顔に寄り添うのは白目で大口開けて笑うエルモ。
こちらが「う!」と身構えるほどの気味悪さ。
客観的には非常に気味の悪いものですが、娘にとってはなくてはならないものです。私がふざけてさりげなく取り上げたりすると、かなり切迫した声をあげて返却を求めます。

常に抱いていたために、出っ張った鼻の部分が擦れてほつれて穴が開きました。そこに指を突っ込んで中のパンヤを引っ張り出す作業に熱中。その結果、部屋中がパンヤだらけとなり、しばらくの間、帰宅直後の掃除が私の日課となりました。
とうとう全てのパンヤが引っ張り出されて完璧にペシャンコになったエルモは本棚の奥に押し込まれ、その後二度と明るいところに出てくることはありませんでした。合掌。


その数ヵ月後。
玩具屋で見つけたトトロのぬいぐるみが急に欲しくなり、つないでいた親の手を振り切って突撃。手にとってずーっと抱きしめているのでそのままレジに連れて行って会計を済ませ、以来今日までずっと娘と一緒です。
途上国の埃っぽい空気や娘の汗などを吸収し続けてすでに4年。
今ではトトロというよりドドロ。
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自閉症児の万引き

2010-01-02 14:09:41 | 自閉症
新年に懺悔する昨年のささやかな悪行。

日本に一時帰国するときなど、当然飛行機で移動することになります。ラオスと日本を結ぶ直行便は就航していないため、どこかで乗換えをしなくてはなりません。
タイのバンコク空港は広く、到着してから次の搭乗口まで歩く距離が長い。便の連絡によっては乗り換え時間がとても短く、早足で歩いてようやく間に合う場合もあるので、あまり余裕がありません。
加えて、規定のほぼ限界近くの手荷物を持っているため(娘の分の手荷物も持っている)普段のように娘と手をつないで移動することができず、気持ちの上でも余裕が無いことが多い。
娘に「ちゃんとついておいで」と言い含め、次の搭乗口目指して空港内を歩きます。

商店街のように免税店が並ぶ区画を通ります。
こういうところに欲しい物は何も無いのでペースを崩さず足早に歩く両親。逆にキョロキョロと視線を走らせる自閉症児。
みやげ物があふれる店頭に、娘は目ざとくドライ・フルーツを見つけたようです。パイナップル、パパイヤ、マンゴーなどをスライスして乾燥させて砂糖をまぶしたお菓子です。娘は特にドライ・マンゴーが大好物で、食べたさから「マンゴーマンゴーマンゴーマンゴーマンゴー」と10回くらい連呼。惜しい。トッケーだったら願い事がかなうのに。
ごめんよ。時間が無いから買ってあげられない。それにマンゴーならバッグの中に入っているんだ。飛行機に乗ったら出してあげるから。
優しい口調で諭すように言うと、親が何を言っているのか理解は出来なくとも、その雰囲気で、とりあえずマンゴーは買ってもらえない → でもあとでいいことあるみたい → 今はおとなしくしていた方が無難、と考えてくれたようです。
その証拠にマンゴー連呼も止み、娘は静かについて来ます。
動く歩道で移動できるコンコースに入り、この分なら搭乗時間に充分間に合いそう。
ちょっとここらで一休み。
荷物を下ろして振り返ると、娘は例のニコニコ顔で高速メトロノーム。上機嫌で頭を振っています。
そして、ほら!と誇らしげに掲げるのはドライフルーツの袋!

ああっ! おまえ! ちょっとー! 
どこからギッてきたんだー!

マンゴー欲しさに勝手に店頭から持ってきてしまったのでしょう。
あーあ、万引きさせちゃった。
今までこういうことがなかったので油断していました。
出発時間が迫っているので支払いのために戻る時間はありません。
それにそのドライフルーツはどの免税店でも売っていそうな商品で、どの店の物なのか、今さら特定は不可能。
こちらの顔色から「どうもヤバいことしちゃったみたい」と悟った娘も神妙な顔つきです。
でもまぁ、やっちゃったもんはしょうがない。とりあえず反省はして、これはもらっちゃおう。
盗品をバッグに押し込み、そのまま搭乗口へ向かった親子三人でありました。
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ふたご座流星群

2009-12-18 00:05:53 | 自閉症
ルアンナムターの夜は暗く、星空がとてもきれいです。特に乾季は空気が澄んでいて天体観測には絶好のコンディション。
初めてルアンナムターを訪れた3年前の冬。見上げた夜空にいくつか流星を確認し、なんだかとても嬉しい気分になりました。
これなら流星群はかなりの見ものになるはず。いつか絶対見に来よう。
と、その時心に決めました。

今年のふたご座流星群の極大期である12月14日、ナムター川のほとりのロッジを予約して、家族三人で流星見物に出かけました。
山小屋風のロッジは竹を編んだ薄い壁。もちろんテントよりは頑丈ですが、外の冷気がかなりダイレクトに室内に伝わってきます。電気はありますが、テレビは無い。ベッド・マットもブランケットもちょっと湿っぽい。
新しい環境に慣れるまでに時間がかかる自閉症であることに加えて、ずっと都会育ちで便利な環境にいた娘は不満たらたら。非難するような眼で私を見つめ、更に非難するような声で何か言っておりました。
通訳しますと、
「この馬鹿オヤジー! 楽しい旅行かと思ったらこんなイナカに連れて来てー! 不便ばっかりじゃないのよっ!」
と、訴える心の声であります。
私からすれば、ベッドも水洗トイレもあるし、お湯のシャワーまで使えるのですから、登山の時に利用する本当の山小屋とは比較にならない快適さなのですが、ま、そんなことはわかってもらえるはずもない。ほっとこ。

夕食後、寒さに対抗すべく数少ない長袖の衣類を着込み、川辺のベンチに親子三人で座りました。ベンチは具合良く東の方角に向いており、真正面からオリオン座が昇ってきます。
「さむいー。部屋に戻りたいー」と(たぶん)言っている娘を好物のお菓子で釣り、三人並んでベンチに着席。
眼が暗さに慣れるに従って見えてくる満天の星空。なんだか凄みさえ感じさせる見事な星空でありました。
「すっげー!」
上を向いて口を開け、そろってアホ面をさらすわしら。

いくつか小さい星が流れましたが、それは流星群とは別物。
ふたご座流星群の母天体である小惑星・ファエトンの残したダストは色も軌跡も明らかに違うものを見せてくれました。
普通の流星は細く短い軌跡を残し、「あ!」と言う間に流れ切ってしまいますが、流星群の流星は「ああああああーっ!」と言うほど長く、またその軌跡は力強く金色に輝き、シューッと流れる音さえ聞こえそうなほどでした。その迫力を例えて言うならば、猫とライオンほどの違いがあったのです。
三人で夜空を見上げ、大きな流星のあとには「今のスゴかったね!」と笑顔を見合わせ、すぐに視線を夜空に戻す。相変わらず寒かったけれども楽しいひと時でありました。

星空を満喫した後に部屋に戻り、就寝。
湿ったベッドに就いてすすり泣く自閉症児。
さっきまであんなに楽しかったのにね。冷たいベッドは嫌だよね。
口先だけで同情して高いびきで眠るのは馬鹿オヤジ。
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