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Weekend Strummer

ウィークエンド・ストラマー。
世間知らずのオジサンが脈絡無く語る、ギター・アフリカ・自閉症。

ジグソーパズル

2011-01-28 13:11:30 | 自閉症
自閉症の娘はジグソー・パズルが得意です。
初めてのパズルでは少々時間がかかりますが、同じパズルを何度もやっているとピースの色と形を記憶してしまうのでしょうか、驚くほどの短時間で仕上げてしまうようになります。
だいたい150ピースくらいのものを、10分くらいで組み上げます。あまりに簡単そうにできてしまうので、慣れたパズルであれば二つ分のピースをごちゃ混ぜにしてやらせたりしますが、これもすぐにできてしまう。オチャノコサイサイ。
彼女の動作を見ていると、散らばったピースのひとつをつまみあげるとほとんど迷わず他のピースと組み合わせます。我々のように「ピースの色と形を観察して似たような色の別のピースを探して試しにくっつけてみる」なんて熟考しません。鼻歌まじりでパチリパチリと、しかし正確に組んでゆく。
試していないのでわかりませんが、例えば私が同じパズルを何度もトライしたとしても、あれほどスピーディに完成させることは難しいでしょう。これはもう「特殊能力」と言ってもいいのではないかと思えます。

この能力、何か他の事に生かせないものかなー?
なんだかもったいない。


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いじめる?

2010-09-19 01:16:42 | 自閉症
娘がおもちゃにしている粘土を何気なくいじくっているうちに、こんなのができました。



特に考えて作ったものでもないので飾っておくつもりはなかったのですが、かといって、すでに形ができたものを潰すのもなんだかもったいない。
なんとなく「保留」という感じで、机の上に置いときました。

就寝前に見ると、眼に爪の跡がついてました。



数日後には頬の部分にも傷が付き、どんどん増えていきました。
ピンと尖っていた鼻が曲がり、眼には新たな傷が入り、



高々としていた鼻はとうとう潰され、



色の違う粘土が微妙に混ざり合い、くすんだ色合いになりました。

こうなるまで約半年かかっています。
犯人は娘です。誰も見ていないところで娘が爪で押してたんです。
気が向いたときに、更に周囲に両親がいないときを見計らってチョコチョコと作業していたようです。
で、上の撮影の後、しばらく気にしていなかったのですが、昨日見たらとんでもないことになってました。



拷問されたみたい。なんだか哀れ。

コメント (4)
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悪気なき悪戯

2010-08-16 00:10:02 | 自閉症
通りを歩いていて、向こうから走ってくるクルマとすれ違うとき、娘がタイミングを合わせて声を出すことがあります。近づいてくる自動車の動きに合わせて「ウー・・・」と声を出し、すれ違うときに「・・・ウィー!」。
よくコメディアンなどが、レースカーが目の前を高速で通り過ぎる排気音のドップラー効果を真似ることがありますが(ネタ古すぎ?)、発声のタイミングに限って言えばアレに似ています。
すれ違うクルマだけでなく、身の回りの色々な動きに合わせて同様の声を出します。
例えば、娘がジグソーパズルに取り組んでいる時、ピースを手にとって「ウー・・・」、はめ込む時に「ウィー!」。ピースを一つはめ込むたびにかなり大きな声でこれをやるので、賑やかです。
常にやるわけではなく、いわゆる興に乗った時にやる、娘のささやかな楽しみのようです。
自分の行動に合わせて声を上げるのは勢いもつきますし、また何より楽しそうでもあり、結構なんですが、周囲の人の行動にも声を出すのはちょっと閉口します。
例えば、私がポットからカップにコーヒーを注ぐ時「ウー・・・」、注ぎ終わると「ウィー!」。
カップに口をつけてコーヒーを飲むと「ウー・・・」、カップを口から離すと「ウィー!」
バッグのファスナーを閉めるときに「ウー・・・」、閉め終わると「ウィー!」。
自宅で仕事関係の資料のページをめくるたびに「ウー、ウー、ウー、ウー」。

私はもう慣れておりますから特に気にならないのですが、他人がコレをやられたら嫌だろうなぁ。

先日、近所のレストランで外食した際、娘が「ウー、ウー・・・」と言い出しました。彼女の視線の先に目を向けますと、隣の席でフランス人と思しき男性がやはりお食事中でありました。
彼がスプーンでスープをすくう動作に合わせて声を出していたのです。
私と家内が「よしなさい」と止めて、そのときは娘もやめたのですが、問題はその次。
食事中、件のフランス人男性は他のテーブル席に知り合いを見つけました。その席から妙齢の女性が数名、彼のテーブルに近づき、一人ひとりが彼と頬を合わせてチュッとやる、いかにもフランス人的な挨拶を交わしたのです。
娘がそれを見過ごすはずがなく、彼らが頬を合わせるタイミングで「ウー」、キスのチュッに合わせて「ウィー!」。
両親がそろって口に人差し指を当てて「しーっ、やめなさい、しーっ」と言っているのに、結局全員のキスに妙な効果音を付けることになりました。
男性はちょっと険のある目つきでこっちを見ていましたが、そりゃ嫌だよねぇ。行動を観察されて、囃されているように思えちゃう。

悪気は無いんです。
ごめんなさいね。許してね。
コメント (2)
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オヤジが経験する女性の生理

2010-05-08 00:35:05 | 自閉症
我が愛娘は16歳です。
身長・体重その他のサイズもすでに母親のそれを越し、現在も立派に発育中であります。
すでに生理(月経)も経験しており、親である私もずいぶん経験を積みました。不慣れなことばかりで、当初は面食らいましたが、今ではかなりの生理通。
男性でありながら女性の生理を経験できるなんて、考えようによっては、ずいぶんと幸運な私です。もちろん生理そのものを体感することは出来ませんので、女性から見れば永遠のアマチュアでありますが。

アマチュアながら簡単率直に感想を申し上げると、生理はメンドクサイ。
普段は娘独りで行かせるトイレにも、ナプキン交換のために毎回ついて行かなくてはなりませんし、それ以外の時も「ずれ」と「もれ」に常に気を配る必要があります。
こんなことを毎月経験しなくてはならない女性はホント大変。

ナプキンの交換は簡単ではありますが、やはり「慣れ」が必要な作業です。
ナプキンには複数の粘着面があり、それを利用して下着に貼り付けて固定します。
私にとって何かを「貼る」行為とは、例えば新聞の切抜きをスクラップ・ブックに貼るとか、単に平面と平面を貼り合わせることしか経験していなかったように思えます。ところが、ナプキンの装着は3Dなんです。立体接着。
やわらかい下着の特定の部分に、厚みのあるナプキンをきちんと位置を決めて貼りつけられるようになるまで、不器用なせいもありますが、私は少々時間を要しました。
実際に自分の下着にも貼り付けて装着感を体験し、その感触から微調整のしかたを研究するようにすれば、私も一人前のナプキン装着職人になれるのでしょうけれど、残念ながらそこまで熱心な父親ではありません。
ま、ウチには他にプロ(妻)がいますので、何か意見があれば拝聴することにしています。

生理ナプキンの装着時に注意すべき点は「ずれ」と「もれ」の他に「巻き」もあります。ナプキンを付けた下着を身に着けるとき、ナプキンの接着が充分でない場合、下着と身体の間でナプキンが丸まってしまうことがあるんです。
この場合、悲惨です。
粘着面が身体の方向に丸まり、陰毛が巻きついてしまうんです。
装着し直すために身体からナプキンを剥がす際、かわいそうに娘は苦痛の声をあげます。

そりゃ痛いだろうよなぁ。すまん。

詫びながら静かにナプキンを剥がしてやるトウチャン。
反省も同情もしてはいるものの、この状況はものすごくおかしいので、我慢しても「くくっ」と笑い声が漏れてしまう。
父親が娘の信用を失うのはこういう時であります。

男性読者諸君、みんなも気をつけよう。
ナプキン装着は、慌てず、急がず、丁寧に。
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Noと言えない自閉症児

2010-04-17 00:39:28 | 自閉症
自閉症である我が娘は、3歳時から「行動療法」という教育を受けています。
その内容を簡単に言ってしまえば、「課題を提示し、クリヤできたらご褒美を与えることで、その課題に対する動機を強化する」というものです。
以下に一例を挙げます。

幼い自閉症児の多くはなかなか他人と視線を合わせられません。名前を呼んでもこちらを向かないのです。視線を交わすのはコミュニケーションの第1歩ですし、それに、呼びかけても顔を見せてくれないのは、親としてやっぱりつらいものです。

行動療法では、名前を呼ばれた時、呼んだ人のほうを向いて視線を合わせることができたら、大げさとも思えるような笑顔で褒(ほ)めちぎり、好物のお菓子をほんの少し与えるんです。
これを繰り返します。当初は10回の呼びかけのうち2回ほどしか視線を向けてくれないのですが、毎日繰り返すうちに向上し、成功頻度も4回、6回と増えてゆきます。
向上するうちにご褒美のお菓子を与えるのをやめ、呼びかけたヒトの笑顔や褒め言葉だけで課題をクリヤできるようにしてゆくと、最終的にはごく普通に「名前を呼ばれたら呼んだ人に注目する」ことが出来るようになるのです。 
他にも数多くある課題を組み合わせ、数時間単位で毎日これを行ないました。
我々健常者が何の苦労もなく自然に覚えてゆく事柄を、娘は多大なる努力と長い時間をかけて身につけてきたのです。

おかげで色々なことができるようになってきたのですが、いまだ困難なのが「No」を覚えさせること。
「Yes」は比較的楽なんです。娘のお気に入りのお菓子を見せ、「これ欲しい?」と尋ね、「Yes」と答えれば与える。で、Yesはすぐに覚えちゃう。
Noを言わせるためには、嫌いな食べものを見せて同じように「これ欲しい?」と問う。娘はこれにも「Yes」で答えてしまいます。Yesと言った以上は無理にでも食べさせます。嫌いなものを前にしてYesと言えば、無理やり食べさせられて嫌な思いをする。そういうことを学習させるわけです。
さて、この方法で娘はNoを覚えたでしょうか? 
実は失敗でありました。
毎回Yesを繰り返し、その度に同じものを食べさせられた結果、Noを覚える前にその味に慣れて嫌いじゃなくなっちゃったんです。
しかたなく、別の嫌いな食べ物を導入してみました。幸か不幸か、自閉症児の多くは偏食傾向が強く、嫌いなものは数多くあります。
ですが、すぐにその味にも慣れてしまう。
嫌いな食べ物をとっかえひっかえ試し、最後にはお酢とかワサビとか、かなり刺激の強いものまで舐めさせたのですが、とうとうNoは覚えられませんでした。
結局、嫌いなものがなくなって何でも食べられる変な自閉症児が一人誕生。
偏食がなくなったのは喜ばしいことなのですが、いまだ目的は成就しておらず、娘は今日もすべてに対してYesを連発。何でも受け入れる心の広い優しいヒトになりました。

幸せだから、ま、いっか?。
コメント (2)
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