某ファンサイト管理人の音楽随想記

ジャンル縦横無尽の音楽コンシェルジュ。知っておきたい名曲・アーティスト満載。全音楽ファンに捧げるちょい濃い目のBlog!

「天架ける橋」 - 古謝美佐子

2005年11月30日 | ♪国内 -女性

「天(あま)架ける橋」 - 古謝(こじゃ)美佐子(2001年)

「消費されるだけの音楽」の対極にある、本物の唄です。

人間の声の持つ高い精神性を感じさせる、稀代の名盤です。

チャート系のメディアや、事実上プロモーション専用媒体である音楽雑誌からしか情報を得ていない人は、一生出会うことがないタイプの音楽かもしれません・・・。それはこのアルバムが、インディ/自主レーベル制作盤であり、そのため広範な流通やプロモーションが行われていないからです。

※(注)私は元々「オリコン・ウィークリー」からの愛読者で、チャート系メディアを決して否定するものではありませんよ。誤解無きよう、念のため(^^)。

でも、もしこのアルバムを聴かずして一生を終える音楽fanの方がいるのなら、私は是非言いたいです"あなたが音楽好きの方なら、騙されたと思って一度聴いてみて下さい"と。

1954年沖縄生まれ。在住。幼い頃から沖縄民謡を志し、9才でレコード録音。やがてあの「ネーネーズ」に参加。一時は坂本龍一さんのバンドでワールド・ツァーにも参加。近年、NHKの「ちゅらさん」「童神(わらびがみ)」が採り上げられた事で特に注目されました。この曲は、元ハイファイセット山本潤子さんもヤマトグチ(標準日本語)との2バージョンでシングルをリリースされています。その後、沖縄出身の夏川りみさんも同じく、いくつかのバージョンを録音しています。

このアルバムには、オリジナルや沖縄民謡やはもちろん、あのドヴォルザーク「家路」迄収録されています。旦那さんである佐原氏がプロデュースしていますが、この方がこのアルバムの完成度を決定的に高めたと言えます。つまり、単なる沖縄音楽のアルバムの域を超えて、"普遍性"というか上質な"コンテンポラリー"要素を生粋の沖縄の声と絶妙に融合しました。

このアルバムは、多少無理をしててでも手に入れていただきたいアルバムだと思います。一生物になることは間違いありません。必ず魂に何かを語りかけてくれるアルバムです。「癒し」とか言う安易なブームを遙かに超越した何かに出逢えます。

これは「沖縄」ではなく日本(と敢えて言わせて頂きますが)世界に誇れるアルバムです。誰の真似でもない、魂からのみ生まれる事が出来る「唄」だと思います。これを聴いたらしばらくはその辺の唄など、次元が違いすぎて聴けなくなってしまうでしょう・・・(?)

このアルバムはまた、誰か/何かとの「相対評価」以前の絶対的名盤だと言えます。言葉で表現することは難しいのですが、「消費されるだけの音楽」の対極にある"唄"です。純粋に魂からの創作楽曲でしょう。

流行歌(はやりうた)じゃないものを求めている人には、マストなアイテムです。絶対のお勧めです。私の生涯のベスト10枚の中の一枚です。

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1.サーサー節 (沖縄民謡)
2.橋ナークニー夢かいされ
3.天架きる橋
(母の死直後に遺影の前で詠んだ琉歌だそう。泣けます。)
4.童神 (NHK「ちゅらさん」で使用された曲。下記ご参照)
5.すーしすーさ (9才の自分の声と"共演")
6.やっちー (作詞の上原氏は、八重山の海の船の上で、満天の星の下で亡き人への想いを綴られたそう。戦争で亡くされたご兄弟の事かもしれません・・・)
7.恋ぬ初み
8.家路
(あのドヴォルザークの曲です)
9.恨む比謝橋
10.ヒンスー尾類小
11.天架きる橋 ?


♪ 「童神(わらびがみ)」♪ 作詞:古謝美佐子 作編曲」佐原一哉/現在の旦那さんであり、プロデューサー。古謝さんの初孫の誕生に向けて自ら作詞した曲です。お孫さんのかわいらしい泣き声も聴けます(^^)。

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「HUMARHYTHM 3」 - 松原正樹

2005年11月29日 | ♪ジャズ・フュージョン

「HUMARHYTHM 3」/ヒューマリズム 3 - 松原正樹 (2004年)

凡そ今の日本人で、この人のギターの音色を聴いたことがない人っているのでしょうか・・・?

この人の名前や顔もご存じなくとも、70年代~80年代の歌謡曲ニューミュージックのヒット作品を聴いた人はほぼ間違いなく100%耳にしていると思います(^^)。この方が関わった楽曲はそれこそ「万」の単位になるらしいですし、松田聖子さんや松任谷由実さんを始め、本当に幅広いジャンルに参加されています。

この方は、10代でYAMAHA合歓で学ばれていた頃、あまりの才能ぶりに先生から「プロとして早く現場で腕を磨いた方が良い・・・」とまで言わせた"若き天才"だったらしいです。

これまで沢山の作品に携わったのは、もちろんそれだけ制作サイドからの"需要"があったわけですが、その"需要"の要因はもちろん単なる"テクニック"だけではないと私は思っております。何故なら、"テクニック"だけなら、いつの時代でもそれこそ沢山のプレイヤー達がいますから・・・

この人のギター・プレイにはなんと言っても「歌心」があると感じます。ギターがポピュラーソングに必要とされるの事は、カッティング/バッキング・プレイやもちろんアドリブ/ソロ・プレイ等ですが、この方は歌に沿うように、歌のためのプレイが出来る方だと思います。そして、どんなジャンルの音楽でも、それを活かすフレーズを、時間制限のあるスタジオ・ワークで提供できた人だと推察致します。

私はこの方のプレイを生で/身近で拝見する機会がありましたが、演奏中の表情がとても魅力的です。何か「ギターさえあれば他は何も要らない」みたいな感じです(笑)。その人柄の魅力からも多くのコールがあったのだと思います。

所謂「ギター・プレイヤー」には、(言葉の響きは良くないですが)「ギター馬鹿」と言われる"独りよがり"に陥ってしまうタイプの人も少なくないと思います。でもこの方はそういうタイプではなく、「理性と知性」「エモーション」がバランスよく配置されたフレーズが演奏できる方です。

そうそう、遅くなりましたが(^^;、このアルバムですが、これはソロ名義のアルバムです。「パラシュート」というフュージョン・バンドのメンバーでもありますので、やはりその系譜の音楽ですが、でも従来のフュージョン系作品より「弾きまくった」感のある、ロック寄り?の内容です。この方は"歌物"作品でのアドリブ・プレイに抜群の才能を感じる事が多く、そういう意味では、歌謡曲でのプレイみたなものを期待する向きにはちょっと違うかもしれませんが、これで彼のプレイを堪能されるのもお勧めです(^^)。

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「Auroraの少女」-芳本美代子/「北風のキャロル」-荻野目洋子 

2005年11月28日 | ♪国内 -女性

「北風のキャロル」-荻野目洋子 収録「筒美京平 80's GIRLIE POP」

日本のポピュラー音楽と海外(欧米)のものとで、大きく決定的に違うものは"歌詞"かなぁ・・・と思うことがあります。

日本の歌には、季節描写自然描写心象風景と重なって表現される事が多いように思います。典型的なのが演歌であり、海峡とかとかを自分の心情表現とからませます。そのさえも"粉雪"とか"五月雨"とか多彩なバリエーションがあります。もちろん演歌以外でも、歌謡曲/Pops系でも沢山ありますね。そして中でも歌謡曲では、松本隆さんの作品には季節と心象を絡ませた優れた作品が目立ちます。
" 風立ちぬ 今は 秋 今日から 私は 心の旅人 "
- 「風立ちぬ」- 松田聖子さん

短い一節ですが、失恋とその訣別の表現を簡潔な言葉だけで表現しています。簡潔である分イメージが広がる素晴らしい表現だとも感じます。ある種の詩歌ですね(笑)

一方、欧米の曲ではこんな表現の歌ってどちらかというと少ないのではないでしょうか・・・(?)。割と自分の気持/感情の描写、心情をストレートに訴えるものが多いような気が致します。もちろん"欧米人に季節感がない"なんて決して言いませんが、ただ唄の手法としてはあまりメインの手法ではないのかもしれません・・・。季節を歌詞に折り込むのは、日本の戦前からの歌謡曲からの伝統手法なのかもしれません。

と、前フリが長いですが(笑)、で季節のこの2曲。筒美京平さんの作品を採り上げて見ました(笑)。
”切ない系"アイドルPopsの名曲ですが、やはり冬に聞いてこその切なさだと思います(ほんとか(笑))。今の女性アイドルには、このような作られた女性像が失われてしまった分"切ない系"の楽曲もめっきり聴けなくなってしまいましたねぇ・・・サミシイなぁ。
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「Auroraの少女」 - 芳本美代子(1986年)
作詞:松本隆 作曲:筒美京平 編曲:船山基紀
松本隆さんの作品。小道具に「コンビナート」が出てくるあたりに設定の妙を感じさせます。サウンドは、船山さんが自前のスタジオを持った頃でしょうか(?)得意の聴き応えのあるシンセの音色が活きてます。ただスネアの音色がアイドル系にしてはちょとラウドぽいのが気になります(^^;。この楽曲の一番のポイントは、サビ直前のティンパニでしょうね。

「北風のキャロル」-荻野目洋子(1987年)
作詞:売野雅勇 作曲:筒美京平 編曲:新川博
・サウンドは明らかに当時のイギリス系ですね。ニューロマンティック系かな?デジタル・ビートやシーケンスがとても素敵です。歌詞も、埠頭ハモニカヒットパレードなどニクイ設定が目立ちます。そうそうこの歌詞の男の子は、松任谷由実さんの"Downtown Boy"と同じ男の子かも知れません(笑)。ちょいワルでシャイで・・

それにしても、筒美京平さんのサビメロは本当に素晴らしいです!
マイナー系のメロは、極論を言えば、2小節では(キーはCとして)「Am→Dm」進行が殆どだと思いますが、良くいろんなバリエーションが出て来るもんだと本当に感心します。まぁそこが天才でありプロである所以なのでしょうね(^^)。


「Auroraの少女」 - 芳本美代子 収録「Pisces」

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「A Different Mozart」「Mozart Variations」 

2005年11月27日 | ♪クラシック

「A Different Mozart」/「コンテンポラリー・モーツァルト」(1996年)

今、巷ではMozart/モーツァルトがブームみたいですね。それも単なる"鑑賞音楽"の領域を超えて、メンタルヘルスや健康への"効果"で注目されているようです。それらの効能を謳ったCDも結構出ていて驚きます・・・

私もクラシックはそれなりに好きですが、やはりMozartの音楽は"別格"の気が致します。メンタルヘルスや健康への効能は何とも言えませんが、ただ確かに"特別な音楽"であるように感じています。

普通音楽を聴く時には、音楽プレーヤー/オーケストラから音が出て、そして次に耳を経由し、最後に心に届くといった感じですが、Mozartの音楽の場合には、直接"心"の隣で音楽を奏でてくれるような、魂に直接届く感じがします。それも"血の流れ"のような"温かさ(官能感?)"みたいなものと一緒に届きます(^^)。なんでかな~?不思議だ。

ここにご紹介するのは、普通のクラシック編成/演奏のMozartの音楽ではありません。Windham Hillというレーベルをご存じの方はすぐピンとくるかと思いますが、Mozartの音楽を実に多彩な楽器や演奏で奏でているコンピレーションCDです。バンジョー、マンドリン、グラスハーモニカ、サックスetc、etc・・。でもWindham Hill系の音楽をご存じない方にはこれを見ると、ありがちなMozart演奏物と思われる方がいるかもしれませんが、もちろん"お安い"BGM系演奏物とは全く違う、とても上質なものです。

これらを聴いて不思議なのは、今まではMozartの音楽はあの「クラシック様式」だからこそ"別格"だと思っていたのですが、これらを聴いてみてもその独特の"官能感"はやはり健在でした。きっとMozartの旋律そのものに何かが存在しているのだと確信致しました・・・
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「A Different Mozart」 Produced by Dawn Atkinson(1996年)
どちらかと言えばこちらの方が聴き応えがあるかな~?
・正確にはWindham Hillのリリースではありません。ただこのプロデュースがWindham Hillの初期からのA&RであったDawn Atkinsonであり、内容は実質的はWindham Hillと同質です。

1. Son in F: Adagio - Tracy Scott Silverman & Thea Suits-Silverman
2. Con in C, 'Elvira Madigan': Andante - Henry Adam Curtis
3. Zaide: 'Ruhe Sanft' - Richard Schoenherz
4. Requiem: Lacrymosa - Steve Erquiaga
5. Con in A: Adagio - Val Gardena
6. Cosi Fan Tutte: 'Love So Sincere' - Eugene Friesen
7. Ser No. 13 in G, 'Eine Kleine Nachtmusik': Romanza - Modern Mandolin Quartet
8. Con in E: Adagio - Chris Botti
9. Adagio for Glass Harmonica - Todd Boekelheide
10. Son in A: Rondo - Bela Fleck
11. Ser No. 12 in c: Andante - Paul McCandless
12. Rondo In a - Philip Aaberg
13. Ser No. 10 in B flat: Adagio - Tim Story



「Mozart Variations」 Produced by William Coulter(1999年)
・こちらの方がより従来のクラシックの感覚に近い演奏だと思います。
1. The Magic Flute: 'So Must We Two Forever Part?'- DS2
2. 4 Variations On Twinkle Twinkle Little Star - L.A.Guitar Quartet
3. Theme From Symphony #40 - William Coulter
4. Menuett #6 - Liz Story
5. Exsultate Jubilate -Turtle Island Strings Qartet
6. Et In Carnatus Est - Mass In C Minor -John Lee Sanders
7. Adagio From The Piano Concerto #23 - Free Klassic
8. Allegro From The Serenade No. 13 'Eine Kleine Nachtmusic'- Mike Marshall
9. Adagio- Benjamin Verdery
10. Bird Catcher's Song (Der Vogelsanger) From The Magic Flute - Flute Force Inc.
11. Motet 'Ave Verum Corpus' - Paul McCandless
12. Allegretto - Michael Manring
13. Andante From Sonata in F - Mike Marshall & Kaila Flexer
14. Adagio From The 'Dissonant' Quartet In C - Michael Schiefel



「Windham Hill Mozart Variations 」(1999年)

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「Ten」 - Kate Rusby 

2005年11月27日 | ♪海外 -女性

「Ten」 - Kate Rusby/「10」 - ケイト・ラスビー(2003年)


知る人ぞ知るKate Rusby/ケイト・ラスビーです。
ブリティッシュ・フォーク/トラッド系のシンガー・ソングライターです。まだ結構若いです。彼女は、喧噪の中の毎日の空気が一瞬にして変わるような、素朴でしみじみとした、味わい深い唄を聴かせてくれます・・・。秋の夜長、寝る前にちょっと自分を振り返ってみたりする時には正にはまりです。ジャケットからそんな、ある種の"オーラ"が出てませんか・・・?(^^)。

このアルバム・タイトルは彼女のプロ・デビュー10周年の意味があるようで、成る程、過去のアルバムの曲を新しいバージョンやライブ音源で再録したり、リマスターしています。

ちなみに、プロデュースしているのは、彼女の恋人?とされるJohn McCuskerです。彼のソロアルバムも持っていますが(インスト中心)それも、とても落ち着いた、素晴らしい出来です(^^)。

アコースティック・ギター中心で、時にはイーリアン・パイプ(アイルランドの"バグ・パイプ"みたいなものです。但し脇の下の鞴で空気を送ります。口では吹きません)とかティン・ホイッスルフィドル(バイオリン)、ボタン・アコーディオンなんかも参加していて、落ち着いた、いい味出してます(^^)

それにしても今の日本マーケットでは、こういう地味な、でも本格的で味があるアーティストを支える購買層も音楽メディアも本当になくなってしまったなぁ・・・。いや別に自分の事がどうのとか、そんなつまらない事を言いたいわけではありません。言いたいのは、70年代にはこの手の地味なアーティストでも国内盤がリリースされたりして、それを評価する音楽メディアがあったと言う事実。そして、私はそれらにいろいろ教えて頂いて、今の自分があると思います。先達に感謝しております。

それに比べて今のポピュラー音楽は、目立ったものだけが勝ち/価値のようです。まぁ私にとっては直接関係ないですが(^^;、でも今の音楽業界はリスナーを育てていないし、自滅とはまで言わないけど、マーケットの裾野が狭まっていくのははっきりしてますね・・・悲しい事です。彼女のアルバムを聴いていたら、そんな事まで考えてしまいました・・・(^^;

(補足)
※彼女のレコード会社はインディ系なので、そもそも日本の会社との契約自体がないのかもしれません・・・(?)(これは輸入盤で購入しました)。

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「Such a Lovely Place」 - 槇原敬之

2005年11月26日 | ♪国内 -男性

「Such a Lovely Place」 - 槇原敬之 作詞:作曲:編曲 (6'50")
アルバム「Such a Lovely Place」 (1997年)より

槙原敬之さんは今、人生の迷路に迷い込んでいるんだと感じる…。それはあの"事件"に関係なくその前も後も・・・。何かそんな気がしています。きっとこの人の中では、今もいろんな葛藤/もがき、があるんだろうな、と思わせます。・・・何かそんな気にさせられる人です。シャーリーンの「愛はかげろうのように」の原タイトル"I've never been to me"。まだ自分自身に辿り着いていないのかもしれません・・・

彼はきっと、とても"いい人"なんだな。"優しい人"なんだと思う…。そして例えば"場の空気/人の気持ちを読み過ぎる人"なんだと思います。優しすぎて、人より沢山傷つく人なのでしょう・・・

Warnerから、あの朝妻一郎さんのサポートも得てデビュー時した彼が、心機一転、Sonyに移籍した後のアルバムのタイトル曲です。名曲です。歌/内容のスケールの大きさが好きです。曲も6分を超えます。

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♪ 内緒で 出ていった君を 誰も 裏切ったなんて 思ってないよ 心配しなくて良いよ・・・♪
・この出ていった"君"との関係が何度聴いてもイメージが湧かないのですが、でも普通の恋人関係ではなく、家族とか親友とかの繋がりの人のような気がします。それは

♪ いつまでたっても 僕らは 君の味方だよ ♪
・と複数形の一人称で呼びかけていますから。"君"は"家出"みたいに忽然と消えてしまったのでしょうね。そして、今はいない"君"に

♪僕らは きっと タンポポのようで いつか綿帽子になって 風に乗る事に 覚悟を決めていた♪
・と別離という人生の摂理(?)まで語り、そして最後に"君"がどこに居ようと、ちゃんとを張っていていて欲しい・・・それもがある場所で・・・と切々と願っています。そこにはあるかい?と心配します・・・

最後にはこう叫びます。
♪君の歌を 歌ってあげなよ いつか 誰かが それに続くから・・・♪

言葉にすると上手く説明できないですが、私はこの曲を"自殺まで思い詰めて家出した大切な友人を慮るやるせない歌"として聞いています。いや実は"君"はもうこの世にいなくて、「Such a Lovely Place」"Heaven(天国)"の事なのかもししれません・・。そんな感じの"切なく"て"やるせない"歌です。胸の奥が痛くなる位・・・

"You're born to be loved.Let me say Hello and Welcome. Welcome to Such a Lovely Place"
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そうそう、この曲を採り上げたのは、この曲の最後で彼がほんの一瞬だけど、いわゆる"シャウト"風に歌っているんです(そう聞こえます)。彼の他の曲ではまず有り得ませんね。本音の"心からの叫び"のような気がしてちょっと感動します。彼に今必要なのは、この"心の叫び"なのかな~?。嫌な自分も真正面から受け入れる。周りの期待も、自分への思いこみも捨て、肩の力を抜いて飄々と生きる。そんな人生の術も・・・。
なんだか今回は、まるで弟か息子を心配する気持ちになってしまいました・・・(笑)。

最近ではあの「ヨイトマケの唄」までカバーしてしまった槇原さん、これからもっと自分自身を裏切る新しい世界をみせて欲しいと思っています。

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「60s&70sポップス・スタンダード」-神山純一&トーマス・ハーデン・トリオ

2005年11月26日 | ♪ジャズ・フュージョン

「'60s&'70sポップス・スタンダード」より
「17才」(作詞:有馬三恵子/作曲:筒美京平)他
- 神山純一&トーマス・ハーデン・トリオ

Piano:HARUKI MINO
W.Bass:TOHRU KASE
Drums:YUSUSHI ICHIHARA,MILTON TOMITA
Arranger:JUN-ICHI KAMIYAMA

伊藤悟さんのブログで、「ローズガーデン」「17才」で連想し、"そう言えば・・・"と思い出した盤です(笑)。このアルバム、曲目(下記)と見ると誤解しそうですが、一応、いや(各曲とも短いですが)ちゃんとしたジャズなんです(^^)。またアーティスト名も紛らわしいですが全員日本人です。
※元は「Tim Hardin」と表記されていましが、本家のTim Hardinからクレームでも入ったのでしょうか・・・?現在は変更されています。

アレンジの神山純一さんは今更言うまでもない、優れたピアニスト/アーティスト/アレンジャーで、最近ではテクノ系でもヒーリング系なかでもお名前を拝見したりしますね。

このアルバムは、いろんなジャンルの曲でシリーズでリリースされていたものです。最近はそのベスト盤が出ましたが、ただこの「歌謡曲」物はもう見かけなくなくなってしまいました・・・。残念。曲目を見ておわかりのように、「歌謡曲」をモチーフにジャズ・トリオ編成で演奏されたものです。その質/内容は、シリーズされていた事からも推察できるように、結構評判が高かったものと思います。

事実このアルバムも、曲の最初はオリジナル曲のイメージを損なわないようにワンコーラ分をきちんとなぞり、その後に蓑さん等の本格的で素晴らしい演奏が展開されます。まぁはっきり言って、アドリブ前のモチーフ曲はこの際何でも良かったのかな・・・(?)なんて事さえ思ったりします(笑)。でもそれくらい本格的です(ただし、"スリリング"とか"意外な展開"等の要素はこの企画上あり得ませんが・・・)。あとフェードアウトで終わるジャズというのも何ですが・・・(笑)。
でももし手にはいるのなら是非聴いて頂たい、ちょっと洒落たアルバムですね。


※歌は入っていません。
1.ブルーライト・ヨコハマ (オリジナル歌手:いしだあゆみ)
2.ゆうべの秘密 (オリジナル歌手:小川知子)
3.真夏の出来事 (オリジナル歌手:平山みき)
4.経験 (オリジナル歌手:辺見マリ)
5.恋の季節 (オリジナル歌手:ピンキーとキラーズ)
6.17才 (オリジナル歌手:南沙織)
7.人形の家 (オリジナル歌手:弘田三枝子)
8.小指の想い出 (オリジナル歌手:伊東ゆかり)
9.虹色の湖 (オリジナル歌手:中村晃子)
10.恋の奴隷 (オリジナル歌手:奥村チヨ)

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「悟空が好き好き」 - 宇野誠一郎

2005年11月25日 | ♪スペシャル

悟空が好き好き」
作詞:吉岡治/宇野誠一郎 作曲&編曲:宇野誠一郎(1967年)
「宇野誠一郎作品集」第一集/第二集-2005年
-第三集の予定有り-

※作詞の吉岡さんは、石川さゆりさんの「天城越え」他で有名な、現在の演歌の大御所です。

タイトル通りの偉大なる"アルチザン"宇野誠一郎さんの作品集です。現在第二集まで出ていますが、ライナーを見ますと第三集(以降?)も予定があるようです。

ところで、"「悟空が好き好き」ソング なんて知らないっ!"なんて言っている若い方、原曲をご存じないのは仕方ないかもしれせんが、でもTVを見ている方は絶対ご存じのはずです。だって最近「♪ 牛乳がスキスキ!牛乳がスキ! スキ!!♪」と牛乳のCMで使われていた曲のオリジナルですから(^^)。ね、知ってたでしょ(笑)。ちなみにこれは、1960年代に放送されていた手塚治虫さん原作のアニメ「悟空の大冒険」のテーマソングでした。

私はこの曲が大好きで、最初にこれが聴きたくてこのアルバムを購入しました(笑)。それともちろん「ひょっこりひょうたん島」。第一回から見ていた私には特別な曲です(^^)。でもこれの最初の回を今でも鮮烈に覚えている自分が不思議です・・・(笑)。あと「ヤダモン」なんかも涙物でした・・・

宇野さんはTVの黎明期より、日本のTV史に残る偉大なる活躍をされてこられた方で、その活躍振りは下記の曲目リストで一目瞭然です。CDのライナーもインタビューを中心に構成されていてとても興味深いです。ちなみにあの、大抵の子供は(大人も)知っている曲「アイアイ」には

”理論的に作ったことに対する後悔の気持ちしかない・・・"

などと述懐されていたりして、創作者としての矜持をひしひしと感じます・・・。正に"Artisan"。ちょっと曲を書いてCD出したら"アーティスト"と呼ばれる人達に、この方の言葉を聴いてほしくなりました・・・

【宇野誠一郎作品集】第一集
1 ふしぎなメルモ
2 エッちゃん[さるとびエッちゃん]
3 幸せはどこに[長靴をはいた猫]
4 いい感じ[やまねずみロッキーチャック]
5 雲が教えてくれる道[アリババと40人の盗賊]
6 なぞなぞな[なぞなぞな]
7 とんちんかんちん一休さん[一休さん]
8 3っ目のドラゴン[なぞなぞな]
9 悟空の大冒険マーチ
10 ジャックの歌 [少年ジャックと魔法使い]
11 ワンダースリー
12 あいつ[なぞなぞな]
13 5人家族[なぞなぞな]
14 悟空が好き好き
15 長靴をはいた猫[長靴をはいた猫]
16 エッちゃんが好きや[さるとびエッちゃん]
17 よんでいる[まんがこども文庫]
18 ばら色の夜明け[少年ジャックと魔法使い]
19 だあれもない[なぞなぞな]
20 はなれられない友達さ[長靴をはいた猫]
21 ロッキーとポリー [やまねずみロッキーチャック]
22 あさっておいで[まんがこども文庫]
23 ふたごっこ[なぞなぞな]
24 さんご礁[まんがこども文庫]
25 鐘がゴーンと鳴りゃ[一休さん]
26 緑の陽だまり[やまねずみロッキーチャック]
27 ふしぎな花[なぞなぞな]
28 ははうえさま[一休さん]
29 ながれ椅子[まんがこども文庫]
30 幸せをはこぶメルモ


【宇野誠一郎作品集】第二集
1 ブンとフンのテーマ(熊倉一雄、黒柳徹子)from「ブンとフン」
2 ひよっこりひょうたん島(前川陽子)from「ひよっこりひょうたん島」
3 東風の吹く国(高石ともや)
4 ちっちゃなビッケと大きな父さん(栗葉子,ザ・バイキング)from「小さなバイキングビッケ」
5 チロリン村とくるみの木(里見京子、黒柳徹子、横山道代)
6 ヤダモン(中島そのみ)from「ちびっこ怪獣ヤダモン」
7 チッチの歌(松金よね子)from「小さなバイキングビッケ」
8 アイアイ(中川順子)
9 いちめんのなのはな(メロディ・スウ)
10 ネコジャラ市の11人(熊倉一雄、テアトル・エコー)from「ネコジャラ市の11人」
11 もぐっちょちびっちょこんにちは(黒柳徹子、熊倉一雄)
12 タイプを打つのは楽しい仕事(久里千春)from「ひよっこりひょうたん島」
13 おわりもはじまり-紙屋町さくらホテルのテーマ-「紙屋町さくらホテル」
14 もえ上がれ雪たち(中山千夏)from「みんなのうた」
15 エンディング・テーマ(藤村有弘、姫ゆり子、熊倉一雄)from「ネコジャラ市の11人」
16 オー・ノー・ヤダモン(中島そのみ)from「ちびっこ怪獣ヤダモン」
17 アイム・ショックド(アイ・アバンティとそのグループ)
18 ムーミンのテーマ(藤田淑子)from「ムーミン」
19 空にはお月さま(星野美樹子)from「みんなのうた」
20 梨の実をかじる歌(高石ともや)
21 すばらしい星地球(姫ゆり子、谷幹一)from「ネコジャラ市の11人」
22 開化探偵帳(アンサンブル・ファンタジア)from「開化探偵帳」
23 新女大学(アイ・アバンティとそのグループ)
24 マイ・ホーム・タウン(インスト)from「ネコジャラ市の11人」
25 幸せはレインコート(中山千夏)from「ひよっこりひょうたん島」
26 ヌーボーのテーマ(千葉信男、大山のぶ代、熊倉一雄)from 「船乗りクプクプの冒険」
27 悪魔ソング(天地総子)from「ブンとフン」
28 上手なピアニスト(高石ともや)
29 ただ好きなのさ(熊倉一雄、黒柳徹子)from「ブンとフン」
30 ビッケは小さなバイキング(栗葉子,ザ・バイキング)from「小さなバイキングビッケ」
31 気分爽快の歌(小海智子、玉川一郎、熊倉一雄)from「ひよっこりひょうたん島」
32 盗みましょうよ~ブンとフンのテーマ(熊倉一雄、黒柳徹子)from「ブンとフン」


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「ホーム・フォー・ザ・ホリディズ」 オリビア・ニュートン・ジョン with ヴィンス・ギル

2005年11月25日 | ♪海外 -女性

「(There's No Place Like) Home For The Holidays」
-Olivia Newton-John with Vince Gill
(by Robert Allen/Al stillman)-2001年

「ホーム・フォー・ザ・ホリディズ」
- オリビア・ニュートン・ジョン with ヴィンス・ギル


今回ご紹介するクリスマス・アルバムは、あのオリビア・ニュートン・ジョンのクリスマス・アルバムです。彼女はあのニュートンの末裔でもありますよね。とてもオーソドックスなクリスマス・アルバムです。この選曲には何の"ひねり"もありません(笑)。スタンダードからオリジナルまで多彩な曲が並んでいます。そしてオリヴィアに期待される内容そのままです。
※もっともオリヴィアには、見た目の美しさと素顔のキャラとのギャップを指摘する人もいたりしますが私は真偽はわかりません・・・(^^;

ただ、私がこれを選んだのは、カントリー界の大スターVince Gillとのデュエット曲が素晴らしいからです(5曲目/7曲目)。

Vinceというのは、本当に"誠実さ"が滲み出る"気のよい昔からのアメリカ人"を感じさせる人です。私は大ファンです。CDも結構集めました。でも昔はアイドル系で売り出されたみたいで、昔のアルバムジャケットは結構面白いです(笑)。私はNPRのアーカイブで見たスタジオ・ライブで、その歌声にますます虜になってしまいました(^^)。そうそう、最近は娘も歌手デビューした見たいで親としても応援しているようです。※そう言えばこの前オリヴィアも娘連れて来日してましたね。

このアルバム、他にはクリント・ブラックケニー・ロギンス、そしてロンドン交響楽団と等と共演してます。POP系の定番として良いのでは、と思います。

1.Christmas Never Felt Like This Before
2.The First Noel
3.Have Yourself A Merry Little Christmas
4.Silver Bells
5.(There's No Place Like) Home For The Holidays
6.What Child Is This?
7.Away In A Manger
8.Let It Snow, Let It Snow, Let It Snow!
9.O Holy Night
10.White Christmas
11.Ave Maria
12.Silent Night

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サントリーのVertVert(ヴェールヴェール)

2005年11月25日 | 【徒然随想】

サントリーのVertVert(ヴェールヴェール)


休題

最近ガーデニングがブームみたいです。我が家でも小鉢の観葉植物がいくつかありますが、水遣りって意外に難しくて、始めた頃は多すぎたり少なすぎたりで枯らした事も何度か経験しました。また長い旅行に出るときも水遣りに困ります・・

そんな私が良い物を見つけ、今では職場でも家でも飾っているのがこれです。
※なんかメーカーの回し者みたいですが決してそうではありませんヨ・・・単なる"私のお気に入り"です(^^)

サントリーが出しているVertVert(ヴェールヴェール)というシリーズです。これは、綺麗なガラスの鉢に水を入れておくだけで、養分を含んだ特殊なスポンジがフロートで浮きながら、植物が勝手に水を好きなだけ吸ってくれます(^^)。正直、ある程度ほったらかしでOKです(もちろん新しい水に時折交換していますが。でも、ある程度の長い旅行でも、換えなくても十分耐えてくれますヨ)

無精だけど、家とか職場のデスクにちょっとお洒落な観葉植物(季節によっては花もありました)を飾ってみたい方にはお勧めです。でも売っているところが限られているのが残念です・・・(通販もあるみたいですが)。

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「Christmas Gift」 1&2- Na Leo

2005年11月24日 | ♪海外 -グループ

VOL-1
「Christmas Gift」vol1(1998年)/ 「Christmas Gift」vol2 (2001年)
「クリスマス・ギフト」VOL1/VOL2 - ナレオ

ハワイの女性三人組グループ、ナレオのクリスマス・アルバムです。2枚あります。

※現地で購入致しましたので国内盤はよく分かりませんが、今年国内で1枚でリリースされた物と同じかもしれません・・・(?)

このグループは、70年代のカーペンターズジョン・デンバー更にブレッドなんかの、"聴いて良し""歌って良し"の典型的なアメリカン・ポップスを、21世紀の現在において世界で唯一(?)継承/実現しているグループかもしれません。多分アメリカを探してもヨーロッパを見ても、もちろん日本でこのようなテイストの素敵な音楽は残念ながら見当たりませんから・・・(厳密にはCCMには多少その要素はありますが)

これは、このグループがハワイで一番人気を保ち、自分達のインディベンデントな会社で運営できているから可能なんだと思います。"音楽を売る"ために自分たちの意に添わない流行追いかける事もする必要がないからです。この変は、前日書きましたアイルランドのMary Blackと同じ状況と言えます。

このクリスマス・アルバムですが、1枚目はお馴染みのスタンダード曲、2枚目はオリジナル曲中心と趣が異なります。必ずしも洗練された内容とは言い切れませんが、でもどちらもとっても和みます。家族や親しい人と聴くようなとても心に響く暖かい内容です(^^)。ウクレレが入っているのも何とも新鮮!そうそう、VOL1はビデオ出てましたよ。

クリスチャンじゃないけど、ちょっぴり神聖な気持ちで、また"今風の、ちゃらちゃらした、とっってつけた様な嘘臭いラヴソング"(言い過ぎか(笑))のクリスマス曲からちょっと離れて、今年はこんなアルバムで過ごされるのも良いかもしれませんヨ。

VOL-2

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「新日本紀行のテーマ」 - 冨田 勲

2005年11月23日 | ♪国内 -男性

「新日本紀行のテーマ」 - 冨田 勲
東京交響楽団 指揮:大友直人
アルバム「新日本紀行〜冨田勲の音楽」収録(1994年)
 


最近また新シリーズの放送が復活しているNHKの歴史ある名TV番組、「新日本紀行」(1966年スタート)のテーマです。TV用のスコアを元に新しく録音し直したものですが、これがいろんな意味でベストでしょう。オリジナルの版よりも圧倒的に聴き応えがありますし、現在の歌入りのちょっと"軽い?"感じのものより遙かに深淵で、静謐で、本当に素晴らしい演奏/曲です。

この曲を聴く度毎に、低域から始まるメロディに鳥肌が立ちます。

この曲ほど「日本人である自分」を感じ、またその「誇り」みたいなものを呼び起こしてくれる楽曲は希有だと思います。更に、農耕民族であった日本人の遙か彼方のルーツを記憶する遺伝子の螺旋と共鳴し、切ないまでの"郷愁感"を強く呼び起こします。

ところでこの曲の原風景はどこなのかとず~っと気になっていましたが、このCDのライナーに自身の言葉で書かれていました。一部引用させて頂きます。

"私の母方の祖父母は、終戦後、見渡す限りの田園地帯で、わらぶき屋根にいろりつるべ井戸といった隠居生活を楽しんでいた・・・(略)・・・茨城県常陸太田市小目町"

茨城県常陸太田市!

この地を知る私は、そうかだからより一層心に響くのかと納得しました(笑)。それはともかく、こ曲は私の生涯のベスト10の1曲であることは間違いありません(^^)。そうそうある会場で、一度冨田様に直接お話をさせて頂いた私は、感激のあまり完全に舞い上がっていたことを今でも良く覚えております。

※このアルバム、「ジャングル大帝」「リボンの騎士」「(映画)学校のテーマ」etc国宝級の傑作ばかりです!!!

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1.新日本紀行(オープニング・テーマ〜祭りの笛/日本の素顔)
2.ジャングル大帝(オープニング・テーマ〜ジャングルの王パンジャの出)
3.勝海舟(オープニング・テーマ〜咸臨丸の船出)
4.文吾捕物絵図(若狭の女〜オープニング・テーマ)
5.学校(オープニング・テーマ〜幸せっていうのは)←筆者注:映画と同じく涙ものの感動です
6.蒼き狼の伝説
7.国境のない伝記
8.二つの橋
9.リボンの騎士
10.花の生涯(オープニング・テーマ〜村山たかのテーマ)
11.天と地と(オープニング・テーマ〜甲斐の軍勢~越後の雪)
12.新平家物語(オープンニング・テーマ〜無問地獄~諸行無常)
13.徳川家康
14.決断
15.多様な国土(爺さんの里)
16.青い地球は誰のもの

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「ザ・ストーリー・オブ・ユーロビジョン」 

2005年11月22日 | ♪スペシャル

「ザ・ストーリー・オブ・ユーロビジョン」 Vol1(1998年)
The Story of Eurovision
♪「Eres tu」Mocedades/「エレス・トゥ」モセダデス(1973年) 他全40曲

"ユーロビジョン(Eurovision)・コンテスト"という名前をご存知の方はもうある世代(以上)だけなのかもしれませんね~?

その昔は「ヴォラーレ」ドメニコ・モドゥーニョ「夢見るシャンソン人形」フランス・ギャル「恋はみずいろ」ヴィッキーとか、あのABBAの世界的な成功のキッカケとなったり、比較的最近ではノルウェーの男女二人組みユニットのSecret Gardenの入賞などヨーロッパ圏から世界的な活躍/ヒット曲を輩出した、有名なヨーロッパ圏最大の音楽コンテストです。場所は各国持ち回り、参加国も中東系もあったりして結構面白い音楽祭です。日本では60-70(80?)年代までは割と注目されていて、洋楽ヒット曲になった物も結構あると思います。

実はこのコンテストのコンピレーション・アルバムが出ているんですね。で結構貴重な音源があったりします。実にいろんな言語の曲が満載です(笑)。

このコンテストを契機にアメリカでも大ヒットした曲で、70年代に突然ビルボード・チャートを駆け上がったスペインのモセダデス「エレス・トゥ(*)」は、アメリカのチャートでは比較的珍しい英語圏以外からのヒットでした。

(*)ちなみにこの曲は西城秀樹さんの「ブルー・スカイ・ブルー」の元歌だとバラしてしまいます(笑)。これ以外の歌謡曲にも結構"引用"されています。

あのセリーヌ・ディオンが10台半ばにスイス代表として参加していて、フランス語曲を歌っているのも興味深いところです(1988年)。このアルバムは第二弾までありますので、両方揃えれば音楽の資料としてもまぁ完璧でしょう・・・(^^)

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「糸」 - 中島みゆき

2005年11月22日 | ♪国内 -女性

 


「糸」 - 中島みゆき
作詞/作曲」:中島みゆき 編曲:瀬尾一三
(アルバム「「EAST ASIA」1992年収録


今日、本屋さんでジャガー横田さんの本「人生、何が起きるかわからない」偶然を手にしました。パラパラめくっていたら面白くなって随分読んでしまいました。そして読み終わる頃には胸が熱くなっていました・・・(ちょっと涙出たかな・・・(^^;)

この人の言葉には嘘や虚飾や見栄がまったく感じられません。TVで拝見しても言葉がとてもストレートにこちらに届きます。とても説得力があります。きっとこの人の生き方そのものなのでしょう。魅力的です。

この本の「生い立ちから幼少時代迄は、ちゃんと読むのがちょっと辛いくらいの壮絶な過去があり、その後も大変な人生があり・・今つかんだ幸せ。他人の私でありながら本当におめでとう!言いたくなります(^^)

それにしても旦那さんも素敵な方だと思います。それは東大出身だから・・・と言うことではなくて、旦那さんは旦那さんなりに自分に正直な生き方を模索して来たのでしょう。きっと「東大出身の医師」と言う他人には分からない重い看板を背負いながら・・・。そして、世間の価値にとらわれず"自分の信念"を貫いて生涯の伴侶を自分から手に入れた、その生き方が素晴らしいと思います。

このお二人を見てふと思いついた歌/歌詞があります・・・

♪なぜ めぐり逢うのかを 私たちは なにも知らない
----
縦の糸は あなた 横の糸は わたし
逢うべき 糸に 出逢えることを
人は "仕合わせ" と呼びます ♪


最近ではあのミスチルの桜井さんのBankBandなんかもカバーした曲なのでご存じの方も多いかもしれません・・・。

歌詞をなぞるごとに、正にこのお二人のための曲としか良いようがないほどぴったりです。またちょっと泣けてきました・・・

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「アホでマヌケなアメリカ白人」-マイケル・ムーア 

2005年11月21日 | ♪Talk CD・朗読

「アホでマヌケなアメリカ白人」-マイケル・ムーア(2001年)
Stupid Whitemen-Michael Moore

今回ご紹介する3枚組CDアルバムは(ブログタイトルで「音楽・・・」と銘打っておきながら)、実は音楽CDではありません。ごめんなさい。でも、もしこれをご存知ない方にはもしかしたら面白い内容かもしれませんので、よろしかったらお付き合い下さい。

これはブッシュ現アメリカ大統領再選の前に盛りあった、あの"アンチ・ブッシュの急先鋒"マイケル・ムーア氏自身の朗読CDです。

マイケル・ムーアはご存知通り、現在のブッシュ大統領の政策、いや正確には彼の資質に疑問を呈して、アンチ・ブッシュ活動をされている方です。彼の著書「アホでマヌケなアメリカ白人」は日本でもベストセラーになり、また映画版はカンヌやアカデミー賞のドキュメンタリー部門で受賞し、アカデミー賞ではその時の"Shame on you,Mr.Bush!!!"等のコメントが物議をかもしだしました。またその派生で、彼を支持する発言をしたあのカントリー界の人気女性トリオのディキシー・チックスは、ブッシュ支持者達による公演ボイコット運動に巻き込まれたりもしました。

前書きが長くなりましたが、このCDはその元になった本「Stupid Whitemen」マイケル・ムーア自身による朗読CDです。ちなみ私はこの原作のペーパーバックスを持っていますのでつき合わせてみましたら内容は大体同じでした。ただ正確には、一部削除されていたりして(収録時間の都合でしょうか)100%同じではありませんが・・・。

この本は、あの世界貿易センタービルの事故時期に出版される予定でしたが、アメリカの空気が一気に保守/愛国傾向に風向きが変わったため、出版社が急遽出版中止してしまい、止む無くイギリスで発売されたという経緯があります。そしてそれが、あのAmazonサイトでベストセラーになってしまったためアメリカ国内が注目し始めて、「アメリカ逆輸入」になったという、正に近年のインータネット事情まで反映した、いろいろな話題に彩られた本でもあります。

ところで、マイケルはルーツをたどるとアイリッシュ系らしいですが、彼の育ったミシガン州カナダと近いためなのでしょうか、その発音はあまりクセのない比較的聞き取りやすいものでした。専門用語は調べないと判りませんが、それ除けば割と聞き取りが楽です。もし英語の学習をされている方で彼に興味があれば、絶対楽しく、生きた英語を学べるCDだと思います。今もし、つまらないと思いつつ与えられた英語本を読まされている方はこのようなCDがあることも頭の片隅に置いておくのも良いかもしれません(^^)

ちなみにこんな朗読CDは英語圏では割と種類が多いですが(視覚障害者向けなのでしょうか)、一方国内でも最近俳優さんによる詩の朗読や、あの与謝野晶子はじめとした作家自身による朗読など、調べると以外に出ていて結構面白いです。特にSONYのCDクラブの通販では種類があるようですので興味をお持ちの方は是非お調べになってみて下さ~い。


これはペーパーバックス版

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