某ファンサイト管理人の音楽随想記

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「Auroraの少女」-芳本美代子/「北風のキャロル」-荻野目洋子 

2005年11月28日 | ♪国内 -女性

「北風のキャロル」-荻野目洋子 収録「筒美京平 80's GIRLIE POP」

日本のポピュラー音楽と海外(欧米)のものとで、大きく決定的に違うものは"歌詞"かなぁ・・・と思うことがあります。

日本の歌には、季節描写自然描写心象風景と重なって表現される事が多いように思います。典型的なのが演歌であり、海峡とかとかを自分の心情表現とからませます。そのさえも"粉雪"とか"五月雨"とか多彩なバリエーションがあります。もちろん演歌以外でも、歌謡曲/Pops系でも沢山ありますね。そして中でも歌謡曲では、松本隆さんの作品には季節と心象を絡ませた優れた作品が目立ちます。
" 風立ちぬ 今は 秋 今日から 私は 心の旅人 "
- 「風立ちぬ」- 松田聖子さん

短い一節ですが、失恋とその訣別の表現を簡潔な言葉だけで表現しています。簡潔である分イメージが広がる素晴らしい表現だとも感じます。ある種の詩歌ですね(笑)

一方、欧米の曲ではこんな表現の歌ってどちらかというと少ないのではないでしょうか・・・(?)。割と自分の気持/感情の描写、心情をストレートに訴えるものが多いような気が致します。もちろん"欧米人に季節感がない"なんて決して言いませんが、ただ唄の手法としてはあまりメインの手法ではないのかもしれません・・・。季節を歌詞に折り込むのは、日本の戦前からの歌謡曲からの伝統手法なのかもしれません。

と、前フリが長いですが(笑)、で季節のこの2曲。筒美京平さんの作品を採り上げて見ました(笑)。
”切ない系"アイドルPopsの名曲ですが、やはり冬に聞いてこその切なさだと思います(ほんとか(笑))。今の女性アイドルには、このような作られた女性像が失われてしまった分"切ない系"の楽曲もめっきり聴けなくなってしまいましたねぇ・・・サミシイなぁ。
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「Auroraの少女」 - 芳本美代子(1986年)
作詞:松本隆 作曲:筒美京平 編曲:船山基紀
松本隆さんの作品。小道具に「コンビナート」が出てくるあたりに設定の妙を感じさせます。サウンドは、船山さんが自前のスタジオを持った頃でしょうか(?)得意の聴き応えのあるシンセの音色が活きてます。ただスネアの音色がアイドル系にしてはちょとラウドぽいのが気になります(^^;。この楽曲の一番のポイントは、サビ直前のティンパニでしょうね。

「北風のキャロル」-荻野目洋子(1987年)
作詞:売野雅勇 作曲:筒美京平 編曲:新川博
・サウンドは明らかに当時のイギリス系ですね。ニューロマンティック系かな?デジタル・ビートやシーケンスがとても素敵です。歌詞も、埠頭ハモニカヒットパレードなどニクイ設定が目立ちます。そうそうこの歌詞の男の子は、松任谷由実さんの"Downtown Boy"と同じ男の子かも知れません(笑)。ちょいワルでシャイで・・

それにしても、筒美京平さんのサビメロは本当に素晴らしいです!
マイナー系のメロは、極論を言えば、2小節では(キーはCとして)「Am→Dm」進行が殆どだと思いますが、良くいろんなバリエーションが出て来るもんだと本当に感心します。まぁそこが天才でありプロである所以なのでしょうね(^^)。


「Auroraの少女」 - 芳本美代子 収録「Pisces」

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