某ファンサイト管理人の音楽随想記

ジャンル縦横無尽の音楽コンシェルジュ。知っておきたい名曲・アーティスト満載。全音楽ファンに捧げるちょい濃い目のBlog!

「A Different Mozart」「Mozart Variations」 

2005年11月27日 | ♪クラシック

「A Different Mozart」/「コンテンポラリー・モーツァルト」(1996年)

今、巷ではMozart/モーツァルトがブームみたいですね。それも単なる"鑑賞音楽"の領域を超えて、メンタルヘルスや健康への"効果"で注目されているようです。それらの効能を謳ったCDも結構出ていて驚きます・・・

私もクラシックはそれなりに好きですが、やはりMozartの音楽は"別格"の気が致します。メンタルヘルスや健康への効能は何とも言えませんが、ただ確かに"特別な音楽"であるように感じています。

普通音楽を聴く時には、音楽プレーヤー/オーケストラから音が出て、そして次に耳を経由し、最後に心に届くといった感じですが、Mozartの音楽の場合には、直接"心"の隣で音楽を奏でてくれるような、魂に直接届く感じがします。それも"血の流れ"のような"温かさ(官能感?)"みたいなものと一緒に届きます(^^)。なんでかな~?不思議だ。

ここにご紹介するのは、普通のクラシック編成/演奏のMozartの音楽ではありません。Windham Hillというレーベルをご存じの方はすぐピンとくるかと思いますが、Mozartの音楽を実に多彩な楽器や演奏で奏でているコンピレーションCDです。バンジョー、マンドリン、グラスハーモニカ、サックスetc、etc・・。でもWindham Hill系の音楽をご存じない方にはこれを見ると、ありがちなMozart演奏物と思われる方がいるかもしれませんが、もちろん"お安い"BGM系演奏物とは全く違う、とても上質なものです。

これらを聴いて不思議なのは、今まではMozartの音楽はあの「クラシック様式」だからこそ"別格"だと思っていたのですが、これらを聴いてみてもその独特の"官能感"はやはり健在でした。きっとMozartの旋律そのものに何かが存在しているのだと確信致しました・・・
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「A Different Mozart」 Produced by Dawn Atkinson(1996年)
どちらかと言えばこちらの方が聴き応えがあるかな~?
・正確にはWindham Hillのリリースではありません。ただこのプロデュースがWindham Hillの初期からのA&RであったDawn Atkinsonであり、内容は実質的はWindham Hillと同質です。

1. Son in F: Adagio - Tracy Scott Silverman & Thea Suits-Silverman
2. Con in C, 'Elvira Madigan': Andante - Henry Adam Curtis
3. Zaide: 'Ruhe Sanft' - Richard Schoenherz
4. Requiem: Lacrymosa - Steve Erquiaga
5. Con in A: Adagio - Val Gardena
6. Cosi Fan Tutte: 'Love So Sincere' - Eugene Friesen
7. Ser No. 13 in G, 'Eine Kleine Nachtmusik': Romanza - Modern Mandolin Quartet
8. Con in E: Adagio - Chris Botti
9. Adagio for Glass Harmonica - Todd Boekelheide
10. Son in A: Rondo - Bela Fleck
11. Ser No. 12 in c: Andante - Paul McCandless
12. Rondo In a - Philip Aaberg
13. Ser No. 10 in B flat: Adagio - Tim Story



「Mozart Variations」 Produced by William Coulter(1999年)
・こちらの方がより従来のクラシックの感覚に近い演奏だと思います。
1. The Magic Flute: 'So Must We Two Forever Part?'- DS2
2. 4 Variations On Twinkle Twinkle Little Star - L.A.Guitar Quartet
3. Theme From Symphony #40 - William Coulter
4. Menuett #6 - Liz Story
5. Exsultate Jubilate -Turtle Island Strings Qartet
6. Et In Carnatus Est - Mass In C Minor -John Lee Sanders
7. Adagio From The Piano Concerto #23 - Free Klassic
8. Allegro From The Serenade No. 13 'Eine Kleine Nachtmusic'- Mike Marshall
9. Adagio- Benjamin Verdery
10. Bird Catcher's Song (Der Vogelsanger) From The Magic Flute - Flute Force Inc.
11. Motet 'Ave Verum Corpus' - Paul McCandless
12. Allegretto - Michael Manring
13. Andante From Sonata in F - Mike Marshall & Kaila Flexer
14. Adagio From The 'Dissonant' Quartet In C - Michael Schiefel



「Windham Hill Mozart Variations 」(1999年)

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「Ten」 - Kate Rusby 

2005年11月27日 | ♪海外 -女性

「Ten」 - Kate Rusby/「10」 - ケイト・ラスビー(2003年)


知る人ぞ知るKate Rusby/ケイト・ラスビーです。
ブリティッシュ・フォーク/トラッド系のシンガー・ソングライターです。まだ結構若いです。彼女は、喧噪の中の毎日の空気が一瞬にして変わるような、素朴でしみじみとした、味わい深い唄を聴かせてくれます・・・。秋の夜長、寝る前にちょっと自分を振り返ってみたりする時には正にはまりです。ジャケットからそんな、ある種の"オーラ"が出てませんか・・・?(^^)。

このアルバム・タイトルは彼女のプロ・デビュー10周年の意味があるようで、成る程、過去のアルバムの曲を新しいバージョンやライブ音源で再録したり、リマスターしています。

ちなみに、プロデュースしているのは、彼女の恋人?とされるJohn McCuskerです。彼のソロアルバムも持っていますが(インスト中心)それも、とても落ち着いた、素晴らしい出来です(^^)。

アコースティック・ギター中心で、時にはイーリアン・パイプ(アイルランドの"バグ・パイプ"みたいなものです。但し脇の下の鞴で空気を送ります。口では吹きません)とかティン・ホイッスルフィドル(バイオリン)、ボタン・アコーディオンなんかも参加していて、落ち着いた、いい味出してます(^^)

それにしても今の日本マーケットでは、こういう地味な、でも本格的で味があるアーティストを支える購買層も音楽メディアも本当になくなってしまったなぁ・・・。いや別に自分の事がどうのとか、そんなつまらない事を言いたいわけではありません。言いたいのは、70年代にはこの手の地味なアーティストでも国内盤がリリースされたりして、それを評価する音楽メディアがあったと言う事実。そして、私はそれらにいろいろ教えて頂いて、今の自分があると思います。先達に感謝しております。

それに比べて今のポピュラー音楽は、目立ったものだけが勝ち/価値のようです。まぁ私にとっては直接関係ないですが(^^;、でも今の音楽業界はリスナーを育てていないし、自滅とはまで言わないけど、マーケットの裾野が狭まっていくのははっきりしてますね・・・悲しい事です。彼女のアルバムを聴いていたら、そんな事まで考えてしまいました・・・(^^;

(補足)
※彼女のレコード会社はインディ系なので、そもそも日本の会社との契約自体がないのかもしれません・・・(?)(これは輸入盤で購入しました)。

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