某ファンサイト管理人の音楽随想記

ジャンル縦横無尽の音楽コンシェルジュ。知っておきたい名曲・アーティスト満載。全音楽ファンに捧げるちょい濃い目のBlog!

「誓い」-Cynthia/シンシア(南沙織)

2005年11月12日 | ♪国内 -女性

「誓い」 作詞:売野雅勇 作曲:井上大輔 編曲:萩田光雄(1993年)

あの南沙織さんがCynthia(シンシア)として再デビューした頃の曲です。アルバム「Art of Loving」の1曲目。


"心変わりしたことを 責める気はもうないけれど

雪の空 想い出が降る日は やるせなくて・・・"


それにしてもしみじみ大人の女性の歌/アルバムだ。そして、流石に酒井政利プロデュースである。これほど質的に充実した、ありきたりでない"大人の女性を唄ったアルバム"はそう見当たらない。あの南沙織のその後をきちんとフォローしつつ、大人の人格の南沙織=Cynthia(シンシア)がここにいる。

10曲中6曲を、往年通り萩田光雄さんがアレンジを担当している。この楽曲はチェンバロのイントロで、どこか教会音楽風でもある。あるいは曲全体として、70年代のスペインのヒット曲「エレス・トゥ」の雰囲気もあるのはご愛敬。

アルバムもシンシア自体も思った程の成功/話題にならなったせいか
、Cynthia(シンシア)名義のアルバムはもう出ていない。でも本当は、いつまでも等身大の女性を歌い続けて欲しい貴重な方です。

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「まわり道」- 琴風豪規

2005年11月12日 | ♪国内 -男性
 

「まわり道」 作詞:なかにし礼 作曲:三木たかし 編曲:高田弘
 

歌/歌唱力というのは天性の要素の占める比重が圧倒的に高いものだと思う。努力とか鍛錬で埋められないものが厳然としてある。残念だけどこれは真実だと思う。第一、「努力」で全て解決できるならみんな大歌手になれるわけだしね・・・

で、この琴風豪規(現尾車親方)。彼は天性の歌声を持つ、本来は大シンガーだとしみじみ思う。私は相撲は詳しくないが、本気で歌でも活躍して欲しかった・・・いや今でもそう心底願っている。声帯の太さ、音程の確かさ、何より歌の表現力、これは天性のものだろう。私にとってはあのRussel Watsonなんか目じゃない位、とてつもない程存在の大きなシンガーである。ただ楽曲が安易な演歌なかりで、業界としてこの方の才能に真面目に注目した人がいなかった事も残念。また相撲界の制約からも思うような活動もできなかったのだろう。

あまり曲に恵まれず、後はあの石川さゆりさんとのデュエット曲位しか思い当たるものがないが、本当は気鋭の作家陣を揃えて、本気でアルバム制作をして頂きたかった。安易な「演歌」の方程式の曲ばかりで、カラオケ用のばかりで、本当に残念だ。でもそんな中でもこれだけは名曲だと言える。

石川さゆりさんとのデュエット曲、コンセプトはあのホリプロ創始者の堀威夫さんの、産休の時期の石川さんを支えるための戦略だったそうです。(堀さんの著作より)

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「明日の風/Carry on till tomorrow」- Badfinger

2005年11月12日 | ♪海外 -グループ
「明日の風/Carry on till tomorrow」- Badfinger
TOM EVANS & PETE HAM
(Recorded August 22&26/1969/Abbey Road Studio)
 


やはり「悲劇のバンド」と言わざるを得ないのだろうか・・・4人のメンバー中二人が自殺してしまったなんて・・・

言うまでもなく、Beatlesの作ったAppleレコードからデビューした、今で言うブリット・ハードポップ系バンド。あのニルソンで大ヒットし、最近ではマライア・キャリーが採り上げていた名曲「Without You」のオリジナルのバンドである。これらはTOM EVANS & PETE HAMの作であるが、この主要メンバーが上記の理由で他界してしまっている。近年残されたメンバーでBadfinger名義でアルバムを制作したようであるが、もちろん私は聴いていません(^^;

この曲「明日の風/Carry on till tomorrow」はシングルとして日本でもリリースされました。他のヒット曲である「嵐の恋/No Matter What」「Day AfterDay」とまるで違って、アコースティックで雰囲気も内省的、コーラスが美しい名曲です。そう言えば、この曲のB面が「Without You」でした。

そう言えば、Appleを離れてWarnerに移籍した頃、クリス・トーマスにプロデュースされ、クリス繋がりであのサディスティック・ミカ・バンドミカさん(当時は加藤和彦さんの奥さん。今はT-REXでも有名なプロデューサー、あのトニー・ヴィスコンティの奥さんらしい・・)のコーラスまで入ったアルバムをリリースしてましたね。ちなみに、「Without You」に関しては、地味だけど聴けば聴くほど味わいがある、最後のシャウトが胸に迫るこのバンドのオリジナル・バージョンが一番好きです。

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「同窓会」- 村下孝蔵 

2005年11月12日 | ♪国内 -男性
「同窓会」 作詞/作曲:村下孝蔵 編曲:水谷公夫(1999年)

(先日の本田美奈子さんもそうであるが)アーティストが亡くなるのは本当に悲しい・・。それが特に思い入れのある人なら尚更です。

村下孝蔵さんは、1999年6月20日(日)に恒例の七夕コンサートのリハーサル中に倒れ、6月24日(木曜日)午前11時27分に高血圧性脳内出血のため死去されました。私はこの方のデビューアルバムを見たときから、音も聴いていないのに即時にfanになってしまい、それからずっとレコードを聴いたりコンサートにも行っていました。そんな訳で、告別式には一fanとして参列もさせて頂きました。出棺の際に「ロマンスカー」が流れて来たときには涙が止まりませんでした。そして、心の中で「ありがとう」と叫んでいるいる自分がいました・・・

この曲は、お亡くなりになる直前に、シングル用として録音されたものがオリジナルですが、今回の写真のアルバム「同窓会」にはアルバムバージョンが収められています。シングルバージョンは、ステージの再現性を優先したためか、バンド同録のような多少粗いアレンジですが、アルバムバージョンはリリカルなピアノがしっとりとした感じで、私はアルバムバージョンが好きです。

※アルバムバージョンは、村下さんが亡くなった後に、ボーカルは同じ物でバックトラックだけを差し替えたものです・・・

今、映画「三丁目の夕日」が話題になっていますが、この曲の持つ世界は"汗かき先生"とか"白いチョーク"とかの言葉も出てきて、正にそんな「佳き昭和」を感じせる世界です。

ただ やるせなく 生きていた どんなときも
同じ窓から 見ていた未来
すぐまた会える それから五年十年
忘れない みんなで泣いた青春を・・・
 
 

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「With みんなの一五一会-フォークソング編」-石川ひとみ

2005年11月12日 | ♪国内 -女性
「With みんなの一五一会-フォークソング編」-石川ひとみ(2005年)

今の時代に、こんなに「歌声」だけを全面に出した、ある意味「無防備」なアルバムが制作された事は特筆すべき事だと思う。ともすれば「雑音」に近いほど、そしてまるで沈黙が怖いかのように、音に隙間がない時代だから・・・

このアルバムの企画の意図は「一五一会(いちごいちえ)」というBEGINが開発した新しいギターのプロモの一環なのかもしれない。でも、何れにしてもこのアルバムは(過去の名曲の)選曲もその仕上がりも良く出来ていると思う。石川さんの歌声には、近年主流になってしまった"変なR&Bくずれの日本語"のような不自然な崩し方が全くなく、いやそれと対極にある「素直な」歌い方です。これがとても新鮮!言葉が素直に心に染み込んできます。これが数々の名曲と良くマッチしていると感じました。

それと、旦那さんと一緒に制作している事も良い方に影響しているのかな・・・?

意外かもしれませんが、このアルバムの一番のお勧めは「まちぶせ」。普通、自己カバー曲でオリジナル以上にちゃんと聴けるものがない、いや聴く意味を持たないものが殆どですが、これは私的にはオリジナルと同じくらい、いやそれ以上に好きかもしれません。言葉がとても心に近く響きます。のアルバムは老若男女にお勧めできる作品です。またシリーズ化も切望したい出来映えです 。

思えばナベプロの期待を背負って華々しくデビューしたもの、ヒットに恵まれず、病気にもなっていろいろ大変そうだったアイドル時代でしたが、今の石川ひとみさんが一番輝いて見えるような気がしています。

1.汀~みぎわ ※オリジナル
2.まちぶせ
3.真夜中のギター
4.悲しくてやりきれない
5.亜麻色の髪の乙女
6.神田川
7.あなたの心に
8.なごり雪
9.白い冬
10.岬めぐり
11.風にのせて (新曲)


※ただ、強いて言えば「神田川」だけは、石川さんの持つ天性の明るさとどうしてもマッチしなかったかもしれませんね・・・

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「In the Enchanted Garden」- Kevin Kern

2005年11月12日 | ♪インスト・New Age
「In the Enchanted Garden」- Kevin Kern(1996年)
(ジャケット写真は、David W.Hamiltonです)
ソロピアノ系のインストアルバムです。


ピアノ系、それもいわゆる「ヒーリング」といわれるアルバムは沢山ありますが、彼の弾くピアノほど人の心を安らげる音楽は希だと思います。何でも音楽療法や病院のBGMなんかでも使用されているらしいです。でもそれは当然かもしれません。この人の旋律には、魂まで迄届くような深い穏やかさがあります。

そもそもソロピアノ系はそれこそ、クラシックはもちろんの事、Jazz系、イージーリスニング系、はたまたあのキース・ジャレットのピアノソロ、それの発展系とも考えられるGeorge Winstonに代表されるNEW AGE系など実に様々なタイプがあります。

このKevin Kernは、そう言う意味では、ジャンル分上では"NEW AGE系"に分類されています。それは彼のレーベルがREAL MUSICという所だからでしょう。でも彼の音楽はNEW AGE系からイメージされる、多少なりとも難解な要素を持ったとっつき難さは皆無です。反対にメロディはわかり易いけれど決して薄っぺらなものではなく、NEW AGE系だからといって理屈をこねるようなタイプでもなく

ひたすら穏やかで美しい

・・ひたすら穏やかで美しい・・・


彼のピアノの音色に触れれば、このジャケットのような世界にいつでも浸れること請け合いです。日々の生活に疲れている方、是非一度お聞きになってみて下さい。なおソロピアノ系と書きましたが、厳密にはギターやシンセ・ストリングス等も入っています。

彼はスタンウェイが認めた名誉ある"Steinway Artist"に認定されています。あのホロビッツIrving Berlinハービー・ハンコック、等錚々たるメンバーの一人となった分けです。これだけでも彼の音楽の質の高さが伺われます。既にベストを含めて7枚くらい出していますが、私はデビューアルバムからの3枚くらいが一番好きです。

モーツァルトに馴染めなかった方、魂が安らぐ、親しみやすい音楽がここにあります・・・

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