某ファンサイト管理人の音楽随想記

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「メリー・クリスマス」- 南野陽子

2005年11月14日 | ♪Holiday Music
アルバム「Snowflakes」('89年)又は「Dear Christmas」('89年)より
作詞:康珍化 作曲:平野牧 編曲:萩田光雄 (1988年)


そろそろクリスマスシーズン到来ですね。
私はクリスチャンではありませんが、"ホリデーシーズン"と欧米圏で言われる時期に出てくるアルバム/曲はとても好きで、いつの間にか沢山集まってしまいました。中には海外で買った普通のCDショップでは手に入らないようなものもそこそこあります。是非いろんな方に見て頂きたいものも多いので、おいおいここでご紹介しようかと思っています。

・・・と、そんな話をしておきながらの早速の第一弾ですが、これを書きながらアイドル南野陽子さんの曲が頭で鳴っているので、突然ですがこれにする事にしました(笑)。この曲を採り上げたのは、これが萩田光雄さんの上品なアレンジで聴かせる素敵な"アイドルのクリスマス・ソング"ながら、いわゆる単なる"アイドル物"としては片付けられない奥の深さがあるからです。何せテーマが、飢餓問題を契機にした"人の幸せ"ですから・・・

この女の子はイヴの夜に、着飾って無邪気にパーティへ急いでいます。でも通りすがりの街頭のTVモニターで、"痩せた子供たちが手のひらを差し伸べて、僅かばかりのパンの切れ端を請うている"ニュースを見てしまいます。突然この子はショックに撃たれます。そして"神様は本当に 生まれる命を みんな同じように作られたのかしら・・・"と内省を始めます。

生まれ落ちた瞬間から凄惨な環境にいる子供たち・・・
一方で、大した不自由もなく楽しいパーティへ急ぐ自分・・・
やがて "私たちから愛を奪ったら何が心に残るのかしら・・・"と思いを巡らせ、"弱き者たちをどうか守り給え・・・"と大きな力にすがるしかない自分になっています。と、文字にすると結構壮大な内容が、淡々と、いや軽めのリズムで語るように唄っていて、押し付けがましくなく妙な説得力があります。変なメッセージなロックより断然心に訴えて来る曲です。

ところで、自分より不幸な人と比較して自分の幸せを実感する事。多かれ少なかれみんなしていますよね。誰かの病を見て健康な自分の幸せを実感し、自由なお金を得て、貧しい人より幸福感を味わってしまいます。これは人間の悲しい性なのでしょうか?本当は「今ここに生きている」事だけでどれだけ幸せな事か・・・。でも普段は当たり前すぎて、この幸せに麻痺してしまっています。

実は誰かとの比較でしか幸せを感じられないことは、それだけで不幸な事なのかもしれません。だって比較を始めたら"上・下の際限"は絶対にありませんから。比較を始めたらみんなが"上"、同時にみんなが"下"です。"絶対"はありません。つまり相対的な見方しか出来ないと、必ずこの永遠のループに陥ります。そこから抜け出すことは容易ではありません。

でも他人との比較をきっぱりと止めた瞬間、人は開放され、幸せに浸ることができるのだと思います。自分の幸せは他人の境遇なんか関係ないんだ、って思えれば。でも若い頃は、なかなかこんな考えに到る事は出来ませんし他人がみんな自分より良く思えて、なんだか被害者気分に陥ってしまいがちです・・っと・なんか、そんな事まで考えさせられる曲でしたねぇ。一度聴いてみて下さい。
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