某ファンサイト管理人の音楽随想記

ジャンル縦横無尽の音楽コンシェルジュ。知っておきたい名曲・アーティスト満載。全音楽ファンに捧げるちょい濃い目のBlog!

「愛は風まかせ」~五十嵐浩晃

2005年11月06日 | ♪国内 -男性


デビューシングル・アルバム 「愛は風まかせ」~五十嵐浩晃
作詞:ちあき哲也 作曲:五十嵐浩晃 編曲 :鈴木茂 (1980年)
~デビューアルバム「Northern Scene」では3曲目
~(ちなみに彼は北海道出身でCBS/SONY(当時)SDオーディション出身)

このアルバムは紛れもなく日本のPOP史上の名盤である。

但し、残念な事にそのような正当な評価がされていないアルバムでもある。POP系の場合、「評価」がどうしてもフロントに立つアーティスト個人にのみ集中するためかもしれない。止むを得ない面もある。 このアルバムは、一曲一曲に、青春期の者だけが持つ蒼い哀しみや切なさ等瑞々しい感性がほとばしる、日本のPOPS史上の名盤である事は間違いない。

総合力の成果である。また大滝詠一氏系列等で語られる「アメリカンPOPS」系とは一線を画する、日本人の感性のみが生んだ歴代の名盤でもある。元々SONYの洋楽のディレクターであったプロデュサー高久氏(M・ポルナレフの日本でのブレイクを仕掛けた人、最近はフランスのピアニストのディディエ・スキバンを手がけている)の細部に渡る音楽を知り尽くした卓越した総合プロダクション。しっとりとした香りがするのは彼の感性か。詞の力が弱い点で、敢えて自作詞を一部プロに差替えたのも的確な判断。

鈴木茂氏のサウンド・プロデュース、更にタイトル曲で聴かせる切ないまでのギターソロ。優れたスタジオ・ミュージシャン達のプレイ。SONYという会社の組織力。何より五十嵐氏の曲の力と独特のかすれ気味の素朴なボーカル。全てが上手く作用したたからこそ生まれ得た名盤だと思う。また昨今の自作偏重主義では生まれ得ない作品でもある。

誰もかれもが”アーティスト”と呼ばれ、勢いだけで量産される稚拙で時代を超えられない盤ばかりが目立つ現代。このアルバムは、現在の「軽い」音楽システムでは生まれ得ない。当時(LPサイズの)ジャケットの写真の美しさから既に滲み出ていた内容の深さに感銘を受けて、私は「ジャケット買い」をさせられた。そんなオーラを持ったアルバムです。ベスト盤でなく、一枚のアルバムで、通して是非一度聴いてみて下さい。

 

愛は風まかせ

ソニーレコード

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「命日(めいにち)」- 日吉ミミ

2005年11月06日 | ♪国内 -女性


「命日」-日吉ミミ
詞中島みゆき 曲:中島みゆき 編:エジソン (1985

 

ちょっとおどろおどろしいタイトルを持つこの曲、でも実は曲調は明るいPOPチューンです(但し「みゆき節」)

私が何故この曲をここで採り上げたかと言うと、この曲はバラードタイプでもないのに聴くたび必ず泣いてしまう曲だから・・・。それも2コーラス目で必ず。明るいPops系の楽曲で泣くって普通はあまり(全然?)無いことなのに・・・それに、別にこの曲にまつわる特別な個人的体験があるわけでもない。この曲の情景のような体験も皆無。

でも泣ける理由は、この詞の内容が優れた短編小説のようにとにかく素晴らしいから。息子に家出されてから始めた飲み屋の、その女将さんを、その息子と同い年のお店の客の視点で唄っている曲。これが倉本聡さんの書くシナリオにも通じる、心打つ情景です。

"(ある理由から)お店の片隅におしぼりを目立たぬように置いている・・・"なんて、これを書くだけでも泣きそうな気持ちになります・・・。この一曲の短い一説だけでも中島みゆきさんの天才振りをおもいしらされます。一度もこの曲を聴いたことがない方、是非聴いてみて下さい。「明るい曲で泣く」という貴重な体験があなたも出来ると思います・・・(多分) 。そしてこの曲のタイトルの意味を味わって下さい・・・。

 

〈COLEZO!〉日吉ミミ ベスト
東海林良,門谷憲二,伊藤アキラ,寺山修司,たきのえいじ,吉田旺,山口洋子,るい,久仁京介,阿久悠
ビクターエンタテインメント

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「Guilty Pleasures」-Barbra Streisand

2005年11月06日 | ♪海外 -女性

私が長年聞き続けた大好きなPOPアルバムの一つに、あのBarbra Streisand の「Guilty」(1980年)がある。

今更言うまでもないが、BeeGeesとのコラボ作品である。"Woman in Love"に代表されるようにBeeGeesの名曲とBarbraの名唱が見事に融合された名作である。ところが今年「Guilty」誕生25周年記念のアルバム「Guilty Pleasures」発売された。

早速聴いてみたがアメリカ POPS界久々の素晴らしい作品であった。感激だった。先のアルバムは、先にBeeGeesサウンドが制作されてBarbraはそれに後で歌で参加した、というのが実態だったらしいが、今作は共同作業だったらしい。もっとも前作とは異なり、今回はBeeGeesと言っても文字通りBarry Gibbとその子息達がクレジットされているので、Barry Gibbではあるが本来の"BeeGees"ではない。

今回、これに連動して、DVD付きで「Guilty」もリイシューされ、また「Guilty Pleasures」もDVDで数曲映像が付いているのも嬉しい(米盤)。私はもちろん2枚同時に購入しました。全てのPOPSfan(て今いるかどうか不明ですが)お勧めです

Guilty Pleasures

Sony

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「ディ ドゥリーム」-山口百恵

2005年11月06日 | ♪国内 -女性

 
「ディ ドゥリーム」-山口百恵
作詞:山川啓介 作曲:水谷公夫 編曲:萩田光雄

何だか最近良く聞いているのが、山口百恵さんのアルバム「A Face in a Vision」(1979年)に収録されてい曲「ディ ドゥリーム」である。

元々リリース時から大好きだったので、正確には、未だに飽きもせず周期的にマイブームになっている曲、というのが正しい。この曲が好きな理由は割とはっきりしていて、そのアレンジである。

チャランゴ、ケーナ、アルパなどの中南米のフォルクローレ楽器構成を活かしたその編曲は、天才萩田光雄氏の才能の輝きを感じる。民族系のフォルクローレをベースに、シンセやら秀麗ストリングスなど入れてここまで見事にPOPSに融合させる事は並の人では到底出来ない技である。

百恵さんの音楽には"宇崎-阿木"氏などの作家陣を中心に語られる事が多い。でも私は、当然ながら萩田光雄氏なくして「山口百恵」はここまで伝説のスターにはになれなかったと信じている。楽曲に永遠の輝きを与えた萩田氏は本当に天才である。ちなみに私は、南野陽子さんのfanには怒られそうだが、萩田氏の作品が聴きたくて萩田氏が関わった作品だけに限って南野陽子さんのアルバムを購入したっけ・・・

そうそう、この曲を作曲されたのが(GS出身の方ですが)水谷公夫さんというのも珍しい。この方は殆どアレンジャーとしてのご活躍ですし・・・

【A Face in a Vision】 山口百恵 (1979年)
1.マホガニー・モーニング
2.愛の行方
3.悲しきドラマー・マン
4.おだやかな構図
5.美・サイレント(シングル)
6.ディ ドゥリーム
7.ギャルソン・アミ
8.喰べられてしまった貘(バク)
9.水曜日のクオレ
10.想い出のミラージュ
11.夜へ…

A Face in a Vision
阿木燿子,谷村新司,来生えつこ,山川啓介,小林和子,萩田光雄,大谷和夫
Sony Music Direct

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