某ファンサイト管理人の音楽随想記

ジャンル縦横無尽の音楽コンシェルジュ。知っておきたい名曲・アーティスト満載。全音楽ファンに捧げるちょい濃い目のBlog!

『ウルトラセブンが「音楽」を教えてくれた』-青山通(単行本)

2013年08月25日 | ♪クラシック

『ウルトラセブンが「音楽」を教えてくれた』-青山通(単行本) が面白いです。

この本は、作者が小学1年生の時、ウルトラセブンの最終回でモロボシ・ダンがアンヌ隊員に”自分はウルトラ・セブンだ”と告白する時のBGMに衝撃を受け、それからこの曲を探し当てる音楽の旅の過程でクラシック音楽の不思議な魅力に触れていく事が描かれています。とても面白いです。

 

ウルトラセブンの最終回の重要なシーンでシューマンのピアノ協奏曲が使用されます。作者の青山少年は、二人のセリフのやり取りとその音楽を、衝撃を持って受け取りました。ビデオもなかった時代ですので、その後ずっとこの音楽が気になっていました。ある日この曲がTVから流れてきた事があり、このメロディに母が反応して青山少年に曲名を教えてくれました。幼くて小遣いも少ない少年はなんとかお金を工面して、新宿のデパートなら(大きな店なので)このレコードがあるだろうと出かけ、そこで「シューマンのピアノ協奏曲」をなんとか手に入れました。

 

ところが、その演奏に違和感を抱きます。でも貴重な小遣いを投資した少年は、この演奏がウルトラセブンの時と同じものだと言い聞かせながら聴くのですが、何度聞いてもその違和感は払拭されません・・・。まず、ここで「同じ曲でも、かくも違う曲になる」事を幼いながら、おぼろげながら気づきます。その後、放送された年やその他少ない情報を元に、ある演奏、指揮物に狙いを定めて別のレコードを購入するも、残念ながらそれも違う演奏物・・・。

 

結局、相当の数年後に、友人にレコードを聴かせてもらってその演奏家のレコードを探し出せました。

 

クラシック音楽とは、同じ楽譜でも、かくも演奏家、指揮者、オケ、また演奏の都度に音楽が異なるものという事を、ウルトラセブンのBGMを探し当てる旅の中で思い知ります。インターネットなどない時代ならではの、ある意味貴重な音楽体験ですね。情報過多の今では、逆に出来ない貴重な事だとも言えます。また、この方の音楽に対する思い入れの深さにも驚かされます。なお、本来ウルトラセブンの音楽は冬木透氏が担当していたのですが、なぜ最終回に本人の作品ではなくこの曲が使用されたかの謎も解き明かされます。不思議な切り口ながら面白い内容です。

 

余談ですが、POPソングでも、バージョン違いに関しては結構あって、私も似たような経験が少なからずあります。良くあるのは、レコード会社移籍のため昔の音源が自由にならないので、アレンジをコピーしてほぼ同じ風に再録音されるケース。演歌などでは顕著でしたが、人間の耳は誤魔化せません。わざわざ買った物が(クレジットもなく)新録音だった時の失望を幾度となく経験しております。

 

また、これはこの本とは別の事になりますが、アーティストが最初の録音で満足出来ずに後で再録音するケースが、今でもままあります。でもリスナー的には、最初に聞いた物が全ててであり、再録音したバージョンには何の価値も見いだせない、というのが正直な気持ちですね。極端な事を言えば、最初の録音で音がはずれていたとしても、それも既に曲の一部として記憶されているので、後で補正されると違う曲になってしまう。。。という感じですね。

 

おっと、話は随分逸れてしまいましたが、そんな訳で最近気になった面白い音楽の本のお話でした。

 
 

ウルトラセブンが「音楽」を教えてくれた
青山通

アルテスパブリッシング ¥1,680


最近のサザンのメディア露出について

2013年08月16日 | ♪国内 -グループ

最近、TVのCM、歌番組、新聞広告、雑誌、ラジオ局の月間強化プレイ・・・

サザン・オールスターズの露出がこれでもかっ!という位にすごいですね。ファンはうれしいでしょう・・・

でも私のように、特にサザンに強い思い入れのない音楽ファンとしては・・・正直、ちょっと・・・です(汗)。

アミューズの宣伝費の掛け方はちょっと尋常ではない印象ですね。

日本人全員がサザンのファンでないわけだし、もうちょっと戦略の練り方ってあるのではないでしょうか?

物量作戦って下品で、お金の臭いがプンプン漂ってきます。

正直、私のような立場では、洗脳作業を受けているようで「辟易」というのが正直な気持ちです。

特に嫌いでもないサザンでしたが、ちょっと嫌いになりかけてます。

事務所も、同じ金をかけるならもっと上品に、新たなファンを獲得する企画で、上手にやって頂きたいと感じる昨今です。

※ファンの方にはごめんなさい。失礼いたしました。