18年にもなりますか

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Closed Note

2008-11-05 07:30:39 | 映画
 沢尻エリカ主演、行定勲監督の映画。

沢尻エリカが演じる女子大生、堀井香恵。彼女の引っ越し先に残された1冊のノートが、香恵を想像の恋愛の世界へと誘い出すことになる。

 このノートに出逢った同じタイミングで、画家の石飛リュウとも出逢う。香恵はノートの中の恋物語をリュウに重ね合わせて恋に落ちて行く。

 


 普通の恋愛映画なのだけども、行定監督ならではのメッセージがしっかり伝わってくる。

 「心の力」という大切なキーワードで動かされる映画のなかの登場人物達が、とても生き生きと描かれていてついつい応援したくなってしまう。



 そしてもうひとつのキーワードが“出会い”



 出会いとは意識すること。意識するからそれまですれ違っていても“出逢っていなかった”人同士が“出会う”。



 そしてその出会いに対して積極的に前に向かう香恵のリュウに対する恋。





 前の住人のノートがたった1つのちっぽけな恋をとてもドラマチックにしてくれている、さすが行定監督といいたい。



 

 ストーリーとしてはとても好感が持てる。しかし、映画となると話は別。



 まず、主人公の香恵の性格をつかまえ切れていない沢尻エリカの演技が少し中途半端だった。感情を露わにする演技はとても素晴らしいのだけども、一人の普通の女子大生というものが掴みきれないままだったような印象を受ける。“普通”をやる難しさを、もしかしたら軽く観ていたのかも知れない。テレビドラマ「1リットルの涙」ではすごい演技をみせていたのに・・・つくづく勿体ないと思う。

 
 
 展開はノートの中の出来事と、現在をうまくオーバーラップさせて映画的手法でみせていてさすがという感じ。でも起伏があまりないように思った。これはあえて平坦にしたのだろうと思うが、少し物足りなさを感じた。といっても起伏が少ない構成のほうが収まりがいいのは確か。悩ましい所だろう。


 ショットは映像映えする“沢尻エリカ”を使っているから、とても多くのよい表情を披露してくれている。とても可愛いし、演技もうまくて、歌も出せば売れるわけだから、女王様にもなるのは仕方ないが、でもやっぱり回りが注意しないといけないし、いけなかったと思う。

 

 しかし、行定監督というひとは、本当に映画的技巧に長けた人だと思う。すごく面白いのでこれからも楽しみにしたい。


 監督:行定 勲
 主演:沢尻エリカ
    竹内結子、伊勢谷友介

 自分なりの採点:68点
 沢尻エリカの演技で-17点、脚本で-15点 映画の中の香恵は、どんな女の子なのか、そこが肝心。そこがぶれると、映画の魅力ががた落ちになる。これは演技と脚本両方の責任。
 


NEXT (ネクスト)

2008-11-03 08:50:48 | 映画
 2分先に自分に起ることを予知できる男を中心に起る、サスペンス(サイキック)アクション。

 主人公のクリス・ジョンソンを演じるのは、ニコラス・ケイジ。ラスベガスでマジシャンとして生活しているクリスは、その特殊能力を表立って使うことをせず、わずかなギャラを、ラスベガスでちょっと稼ぐ程度。

 しかしFBIがあるテロリストによる核兵器の持ち込みという国家的危機を解決するためにクリスを追う。一方その国家的危機を仕組んでいるテロ組織もクリスの存在に気づき、排除しようとクリスを狙う。

 一方、クリスは自分に関して2分先に起ることに限って予知できるハズなのに、ある女性の事についてはもっと先が見えることに気づき、その女性を捜し、ついにその女性に出逢う。

 
 


 このずっと先まで見えるまるで“触媒”の役割を果たす女性との出会いによって、クリスはこの女性が事件の被害者として、爆死させられることを予知してします。


 それまでFBIに非協力的だったクリスは、FBIと共に解決することを決意します。




 
 サイキック能力が“限定的“に使えることが効果的にストーリー展開に使われていて、楽しめる前半。後半からの展開はクリスの能力をふんだんに使い、スピードアップして観ている人を引きこんでいくストーリー。

 

 映画ならではの手法と迫力、アクションがふんだんに使われている上に、この映画の設定である“予知能力”を生かした展開にアッと言わされ。さすがハリウッド映画と思わされてしまう作品。



 映画はサスペンス、サイキック、アクションを扱った、エンタテイメントムービーだからメッセージは前面に押し出されていない。しかし、クリスの台詞に次のようなものがある。

「未来は見えても、その見えた時点での未来でしかない」 


これは「自分の未来は自分で作るんだ」というメッセージに他ならない。


 とても楽しめる映画の1つ

 監督:リー・タマホリ(007/ダイ・アナザー・デイ)
 出演:ニコラス・ケイジ
    ジェシカ・ビール
    ジュリアン・ムーア

 公式サイト:http://next-movie.cplus-cmp.com/blog/?page_id=3


    

チャーリー・ウィルソンズ・ウォー

2008-11-03 07:34:18 | 映画
 旧ソ連のアフガニスタン侵攻に対する、アメリカの関与の事実を描いた映画。原作は、ジョージ・クライルが2003年に書いたノンフィクション小説「チャーリー・ウィルソンズ・ウォー」

 戦争を仕掛けた国、仕掛けられた国そして仕掛けられた国を支援する国、そして支援する国を影でさらに支援するアメリカ合衆国というなんとも壮大な国際的なパワーバランスを背景に描かれている。

 こういう映画を観ると、アメリカ合衆国はとても狡猾で日本が対等に組みできないことがよく分る。日本が国連の常任理事国になれない理由も分る映画。


 ソ連に一方的に侵略されつづけるアフガニスタンに少しずつお金を使い続けるアメリカ。最初は500万ドルの予算を1000万ドルに、さらに5000万ドルと投入する資金は鰻登りに上がって行く。

 それに比例してアフガニスタンはソ連の侵攻を食い止める成果を出し始め、最終的にはソ連にアフガニスタン撤退を決めさせるまでになる。

 最終的にはアメリカは50億ドルにものぼる資金を出していた。


実に500万が50億!やることがすごいというだけではない。この映画の最後で、アメリカは戦争支援には50億ドルでもお金を出すが、ソ連がアフガニスタンを撤退した後の、学校建設のためには100万ドルさえ出さないというシーンが出てくる。




 つまり、この映画では、アメリカは自国の為になることなら50億ドル出すのは平気だが、自国にメリットがないものにはたったの100万ドルさえ出さないというとても皮肉と批判に満ちたことを伝えているのだ。


 
 映画をみての感想としては、日本の国際感覚の欠如とはこういうことを言うのだということと、アメリカに対するある種の憤り。あまりにもアメリカは傲慢である。この映画を観る限りにおいては。






 日本は、PKOの一環として自衛隊が給油を支援活動として行っている(た)が、本当に必要なのは、給油支援ではなく、いわゆる紛争後の支援なのでは無いだろうか。



 日本は外交がてんでダメといわれる理由は、アメリカや中東、中国などのような国際パワーバランスを見る視点とその中に入る行動力とタフさが欠けている点なのだが、一方で日本が日本らしさを保つことが出来るのは、国際的に観れば理解できないかもしれないが、真の平和活動であり復興支援活動なのではないかと思う。

 どちらを選択するのか議論がわかれるだろうが、個人的には人道支援・復興支援を積極的に出来る立場を選べる国であって欲しい。

 

 監督:マイク・ニコルズ
 主演:トム・ハンクス

 

ハンティングパーティー

2008-11-02 23:08:02 | 映画
 リチャードギア、テレンス・ハワード主演の元売れっ子の戦場ジャーナリストが主役の映画。ボスニア・ヘルツェゴビナの戦争の主犯とされている通称“フォックス”を追うジャーナリストとその周辺の裏事情を作り出しているCIAが絡んだストーリー。

 フォックスはボスニア・ヘルツェゴビナの戦犯として国際的に追跡されているはずなのだが、NATOもCIAも、戦争終結後5年以上かかっても居場所さえ特定できないでいる。

 しかしリチャードギア演ずる落ちぶれた戦場ジャーナリストがたった数日で接触に成功する。


 何故か?

 





 この物語は、原作者のスコット・アンダーソンの書いた事実を元に作られていて、国際社会の暗部が語られている。



 国際紛争の元凶といわれる国際犯罪人と呼ばれている人達がなぜ捕まらないのかという事に対するある事実を突きつけている映画であり、もう一方でジャーナリズムに対する問いかけもしている。


 出来すぎのフィクション映画ではない分、とても考えさせられるし、ジャーナリストの社会的役割もよく分る映画。


 チャーリー・ウィルソンズ・ウォーにしてもこのハンティング・パーティーにしても、戦争や紛争というのはどう考えても意図的に作られているとしか思えない。日本はその中に巻き込まれてはならない。何があっても。

 政治や思想の話をするわけではないが、憲法9条がタガになっているのは事実だと思う。


 監督:リチャード・シェパード
 主演:リチャード・ギア、テレンス・ハワード

 




バンテージポイント

2008-11-02 20:50:46 | 映画
 スペインを舞台にしたアメリカ大統領暗殺を描いたサスペンスアクション映画。

 冒頭から大統領の暗殺とその舞台となる広場の爆破と立て続けに事件が起こり、映画の中に引きこまれる。

 暗殺に至るまでの流れを8人の登場人物それぞれの立場から何度も描くというスタイルを用いることで、誰が企てたのか、そしてこれがどういう結末になるのかを観ている人にヒントを与えて全貌を明らかにして行く組み立てになっている。

 ストーリーは比較的単純だが、映画としての見せ方がうまいのでテンポ良く進む割にはどんどんと物語りに引きこまれて行く。こういう映画は変に説明っぽくなってしまうと台無しになる。敢えて説明を省くことで観ている人の頭の中に「謎」を作っておくことで、単純な想像をさせないようにしてストーリーに引きこむものだが、この映画ではそれがうまく構成されている。

 アクションとサスペンスをそのまんま楽しむ娯楽映画としてお勧め。

 しかし、こんなに簡単に大統領が暗殺されていいのだろうか?と心配になる。もっと言えば日本の政府の要人の警護も心配。

 監督:ビート・トラビス
 主演:デニス・クエイド

 娯楽映画としての点数:80点(こういうのも1つの構成の仕方かもしれないけども、もっと奥深さがあれば。そうなると長くなり過ぎるかも・・・むずかしいところ。)