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Closed Note

2008-11-05 07:30:39 | 映画
 沢尻エリカ主演、行定勲監督の映画。

沢尻エリカが演じる女子大生、堀井香恵。彼女の引っ越し先に残された1冊のノートが、香恵を想像の恋愛の世界へと誘い出すことになる。

 このノートに出逢った同じタイミングで、画家の石飛リュウとも出逢う。香恵はノートの中の恋物語をリュウに重ね合わせて恋に落ちて行く。

 


 普通の恋愛映画なのだけども、行定監督ならではのメッセージがしっかり伝わってくる。

 「心の力」という大切なキーワードで動かされる映画のなかの登場人物達が、とても生き生きと描かれていてついつい応援したくなってしまう。



 そしてもうひとつのキーワードが“出会い”



 出会いとは意識すること。意識するからそれまですれ違っていても“出逢っていなかった”人同士が“出会う”。



 そしてその出会いに対して積極的に前に向かう香恵のリュウに対する恋。





 前の住人のノートがたった1つのちっぽけな恋をとてもドラマチックにしてくれている、さすが行定監督といいたい。



 

 ストーリーとしてはとても好感が持てる。しかし、映画となると話は別。



 まず、主人公の香恵の性格をつかまえ切れていない沢尻エリカの演技が少し中途半端だった。感情を露わにする演技はとても素晴らしいのだけども、一人の普通の女子大生というものが掴みきれないままだったような印象を受ける。“普通”をやる難しさを、もしかしたら軽く観ていたのかも知れない。テレビドラマ「1リットルの涙」ではすごい演技をみせていたのに・・・つくづく勿体ないと思う。

 
 
 展開はノートの中の出来事と、現在をうまくオーバーラップさせて映画的手法でみせていてさすがという感じ。でも起伏があまりないように思った。これはあえて平坦にしたのだろうと思うが、少し物足りなさを感じた。といっても起伏が少ない構成のほうが収まりがいいのは確か。悩ましい所だろう。


 ショットは映像映えする“沢尻エリカ”を使っているから、とても多くのよい表情を披露してくれている。とても可愛いし、演技もうまくて、歌も出せば売れるわけだから、女王様にもなるのは仕方ないが、でもやっぱり回りが注意しないといけないし、いけなかったと思う。

 

 しかし、行定監督というひとは、本当に映画的技巧に長けた人だと思う。すごく面白いのでこれからも楽しみにしたい。


 監督:行定 勲
 主演:沢尻エリカ
    竹内結子、伊勢谷友介

 自分なりの採点:68点
 沢尻エリカの演技で-17点、脚本で-15点 映画の中の香恵は、どんな女の子なのか、そこが肝心。そこがぶれると、映画の魅力ががた落ちになる。これは演技と脚本両方の責任。
 

コメント
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