下手の横好き日記

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折原一『鬼頭家の惨劇~忌まわしき森へ~』

2011-01-13 23:59:59 | 
祥伝社の文庫シリーズは、物足りない部分もあったりするんですけど、
ちょっと読むにはちょうどの長さだったりします。


樹海の中の山荘。
ここでは過去に惨殺事件があったが、真相は闇の中。
事件を調査に来た大学の犯罪学ゼミの一行は、
泊まった民宿の主人から、事件に新展開があったという話を聞くが・・・


樹海ですよ。
そして、そこに建てられた山荘に引っ越してきた一家。
推理作家である夫と画家である妻、そして双子の娘。
さわやかな夏が過ぎ、深い霧に閉ざされる秋が来たときに、
平和で仲の良い家族の運命は大きく変わることになります。

その過程が、ものすごく怖い・・・というか嫌な感じです。
いわゆる「狂気」のようなものを題材にしているのですが、
それが理不尽である故に、理解できないものへの恐怖が募ります。

私は、折原氏の文体はホラーを書くには論理的すぎると思っているのですが、
今回の作品は語り口がロジカルだからこそ、余計に怖い気がしました。

そして、例によって、折原氏独特のプロットが炸裂!
読後も事件の断片がふわふわと漂っている感じで、落ち着かない。
落ち着かない感じが、さらに不安感を煽る。
そんな憎いタイミングで物語は突き放されて終わった・・・と思ったら。

実は、この作品は先行する『樹海伝説』の続編的作品のようで。
しかも、この作品の後にも続編のようなものが書かれているようです。
『黒い森』『赤い森』というのがその続編の作品たち。
読む順番、間違えたかな~(^^;

とりあえず『赤い森』には『樹海伝説』も含まれているみたいなので、
『黒い森』と合わせて、ぜひ読んでみたいと思います☆