先日NHKで『カナダ・ロイヤル・ウィニペグ・バレエ「魔笛」』を見ました。モーツァルトのオペラ「魔笛」を、あらすじを拝借して衣装などは1960年代のアメリカ若者文化風にしたものです。
舞台ではなく、セットの中でダンサーは踊っています。当然、一発撮りではなく、テレビ放送用に何度も撮り直して後で編集されているのでしょう。
私はバレエ鑑賞自体がまだまだ素人ですが、やはりカナダのバレエ団ということからか、あるいは衣装がそうだからか、踊る人たちの醸し出す雰囲気がヨーロッパのバレエ団とは違いますね。顔つきもヨーロッパのダンサーとは違っているし、だからこそ現代風に衣装やセットをアレンジしたこのバレエも、踊り手たちととても合っている。ジーンズを履いているダンサーが踊る姿というのも、なかなかカッコイイ。
例えば日本人が古典的なバレエの衣装を着て踊っていると、見ている側はどこかで「やっぱり日本人にはバレエは似合わないかなぁ」という想いがよぎりそうです。しかし、もし衣装を現代風に変えると、それも無理にアメリカン風なものではなく、現代的な日本のファッションに身を包むと、その上で振り付けはクラシックバレエから借用しても、意外とフィットするのかもしれない。
このウィニペグバレエ団の振り付けも、それほどクラシックバレエとかけ離れているようには感じませんでした。それでも、衣装が現代的になるだけで、バレエ=ヨーロッパという図式とはまた異なるバレエを見せてもらった感じです。
なかなか面白かったです。