淳一の「キース・リチャーズになりたいっ!!」

俺好き、映画好き、音楽好き、ゲーム好き。止まったら死ぬ回遊魚・淳一が、酸欠の日々を語りつくす。

ポール・マッカートニー&ウイングス「ロック・ショウ」。さすが全盛期のポールは一味違う。

2013年07月25日 | Weblog
 去る7月21日の第23回参院選挙は、自由民主党の圧勝で終わった。
 自民党は改選34議席からほぼ倍増し、現行の選挙制度のもとで最多だった2001年(64議席)を上回る65議席まで伸ばした。

 ところがその一方で、民主党は改選44議席から大幅に減らし、1998年の結党以来最低となる17議席しか取れなかった。これは、歴史的大敗退である。
 青森選挙区でも候補者を擁立出来ず、前民主党で生活の党の現職候補者も敗れてしまった。

 「みどりの風」などは全員が落選して、党自体が無くなってしまうらしい。
 まあ、自民党比例代表で出馬した外食産業大手「ワタミ」元会長渡辺美樹氏のように、劣勢と伝えられながらも、自民党そのものの勢いに乗ってしまった運のいい例もあるけれど、政治家は落ちてしまえばもうあとがない。

 そうなると残された選択肢は限られてくる。
 引退するか、そのまま自然消滅してしまうか、あるいは捲土重来を期すか。
 いずれにしても敗者は哀しい。勝てば官軍、負ければ賊軍。それほど大きな差が生じるのである。

 栄枯盛衰である。
 諸行無常である。

 未来永劫、輝き続け、一切滅びることのないものなど、この世には何一つない。すべては移ろい、すべてはいつか消滅して、終わる。

 そこで強引にポール・マッカートニーが登場する(ちょっと強引過ぎました?)。
 ポールもまた、ビートルズというグループで栄華を築き、その後も、名誉と栄光と地位と富を授かり、今なおロック界の第一線で活躍している、音楽史にその名を刻むほどのスーパースターである。
 
 そして彼が最も油の乗っていた、1976年のライブ映像を収めた「ポール・マッカートニー&ウイングス」伝説のコンサート・フィルム「ロック・ショウ」が、このたびDVDとブルーレイでリリースされた。

 もちろんポールは今でも現役バリバリで、11月にはたぶん最後となるかもしれない来日公演を果たすけれど(チケットの予約先行発売に、当然のごとく速攻で申し込みましたが)、往年のパワーは今やもう薄れてしまった。

 これもまた、栄枯盛衰であり、諸行無常である。
 人は誰しも老いてゆく。
 体力は衰え、若い時のパワーや気力も衰退してしまう。クリエイティブな能力だって無くなるだろう。
 ただし、そういう部分ではないことろ、若さだけでは表現できないところ、年輪を重ねたからこそ本領発揮できるところ、それを見せるのがまたプロなのだ。

 改めて今回リリースされた「ポール・マッカートニー&ウイングス」のコンサート・フィルム「ロック・ショウ」を観ると、当時のポールの力の漲り方やオーラまでもが、観る側にもひしひしと伝わって来る。
 それくらいこの「ロック・ショウ」では、コンサート自体の素晴らしさもあるものの、エネルギッシュで、肯定的で、外へと限りなく開かれている、カラッとした前向きなポールが見て取れる。
 とにかく若い。

 僕は1976年当時、この「ロック・ショウ」のライブの模様を収録してアルバムとして発売された、「Wings Over America」-発売当時のアルバム・タイトルは「ウイングスUSAライブ」だった-3枚組のレコードを毎日のように聴いたものだ。

 その頃は「バンド・オン・ザ・ラン」が凄まじい勢いで売れまくり、続く「ヴィーナス・アンド・マース」も大好評を博し、「スピード・オブ・サウンド」がリリースされた直後ということもあって、初の全米ツアーは大盛況だった。
 ポールの長い音楽史の中で、ある意味頂点を迎えていた期間でもあった。

 改めて「ロック・ショウ」の映像を見ると、そのことが再確認できる。
 ポールのヴォーカルは、声帯が壊れるんじゃないかと心配になるほど豪快で張りがあり、しかも鋭利で、オーディエンスも、半端じゃないくらい1曲1曲に対して過敏に反応している。

 ステージの幕が開き、いきなり始まる「ヴィーナス・アンド・マース/ロック・ショー/ジェット」から「メディシン・ジャー」(この曲、好きだなあ。ポールの作った曲じゃないけれど)までの前半の流れがまずもって素晴らしい。
 そしてそこから、ビートルズ時代の「レディ・マドンナ」と「ザ・ロング・アンド・ワインディング・ロード」をピアノでやり、続けて「007死ぬのは奴らだ」へと突入する辺りも、またなんとも言えないくらいにいい。

 凄いのが、コンサートの後半戦だ。
 怒涛のラインナップに驚愕する。
 失禁もんである。

 「マイ・ラヴ」、「あの娘におせっかい」、「幸せのノック」、「心のラヴ・ソング」、「ワインカラーの少女」、そして「バンド・オン・ザ・ラン」にラストが「ハイ・ハイ・ハイ」。
 それまではアルバム未収録だった、アップテンポでロック・ロックしている「ソイリー」で締めるというラインナップ。

 この流れは凄い、凄過ぎる展開だ。

 まるで、銀座の高級お鮨屋さん「久兵衛」に入って、片っ端から時価のものだけを頼みまくって食べている感じである。
 行ったこともないけれど・・・。

 まるで、ローマの高級五つ星ホテル「ラファエル」に泊まって、ダリドンの創作料理をゆっくりと堪能しているような感じである。
 見たことさえないけれど・・・。

 まるで、パリまでファースト・クラスの飛行機に乗ってそこからサントノレ通りへと直行し、そこで次々と高級ブランドをまとめ買いして、そのままシャルル・ド・ゴール空港から日本に引き返す、そんな感じである。
 行ったことも見たことも全くないけれど・・・。

 ポール・マッカートニーがあらゆる面で一番輝いていた時期だと思う、この「ロック・ショウ」の辺りって。







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