ある時期、浜田省吾だけを聴き狂ったことがある。
2007年の秋から2008年に掛けての頃だ。
その当時の状況は、ブログでもたくさん書いて来たので既に知っている人も多いだろうけれど、とにかく精神的に最低最悪の時期だったように思う。
心が軋むという表現をよく歌なんかですることがあるけれど、本当にそういう感じだった。
猛烈な淋しさに襲われ、僕は、いつも寒い海に出掛け、車の中、大音響で浜田省吾を聴いていた。
これは真面目に言っているのだけれど、仮に無人島に10枚だけ音楽のアルバムを持って行くことが出来るとしたら、僕は躊躇わず、その中の一枚として浜田省吾の「その永遠の一秒に」を持って行く。
それほど、このアルバムには多くの思い入れがある。
ただ単に「その永遠の一秒に」の上辺だけを聴き流しても、「ふうん。そんなもん」で終わってしまうかもしれない。
事実、このアルバムを発売時に買い求めて聴いたときは、随分ハードな音だなあという程度の評価でしかなく、何度かターンテーブルの上に載せただけで、その後何年も聴かずに棚の奥に閉まったままだった。
やはり、音楽は、その時々の心の動きや状態と素早くリンクする。
心が凍えているとき、たとえば、真夏の恋を高らかに謳歌するような曲なんて体が求めないし、そういう曲を積極的に聴きたいとも思わない。
欲したい音というものが必ずある。
僕の場合、2007年の秋から2008年に掛けては、浜田省吾だった。
そして、それは心に沁みた。心底、沁み渡った。救われたといっていい。
今回、初の浜田省吾カバー・アルバムがリリースされた。
10人の女性ヴォーカリストたちによる、「from a distance」がそれだ。
収録曲は、「恋に落ちたら/Aisa」(9th album “PROMISED LAND” 1982収録)、「君に会うまでは/鈴木亜紀」(2nd album “LOVE TRAIN” 1977収録)、「途切れた愛の物語/大木彩乃」(5th album “君が人生の時…” 1979収録)、「最後のキス/鈴木桃子」(18th album “その永遠の一秒に” 1993収録)、「ロマンスブルー/noon」(9th album “PROMISED LAND” 1982 収録)、「夢にいざなえ/hayato kaori」(AIDO 1st album 1975収録)、「凱旋門/RiSAKO」(9th album “PROMISED LAND” 1982収録)、「防波堤の上/EPO(7th album “愛の世代の前に” 1981収録)」、「悪い夢/我那覇 美奈」(4th album “MIND SCREEN” 1979収録)、「晩夏の鐘/鈴木重子」(12 inch single “路地裏の少年” 1986収録)
となっている。
このアルバムを、浜田省吾の原曲と比較しても、まったく意味がない。
大幅にアレンジが変わっているし、ひとつのトータル・アルバムとして成立しているからだ。
ジャジーでブルージーで、とても静謐な響きを漂わせた大人のアルバムに仕上がっている。
真夜中、ヴォリュームを少し低めにして、独り寛ぎながら聴くと、その良さが倍増する。特に、夏の静かな夜、それから秋や冬の静まり返った深い夜の中で聴くと、心がクールダウンしてゆくこと請け合いだ。
浜田省吾が歌う曲とは、その匂いも温度も質感もまるで違っているので、素材として彼を使っただけと捉えたほうが無難かも。
とにかく、いい。
心がゆっくりとリラックスしてゆくのが、手に取るように分かる。疲れている人にお薦めしたい。
とても静かで、心が落ち着くアルバムだ。
2007年の秋から2008年に掛けての頃だ。
その当時の状況は、ブログでもたくさん書いて来たので既に知っている人も多いだろうけれど、とにかく精神的に最低最悪の時期だったように思う。
心が軋むという表現をよく歌なんかですることがあるけれど、本当にそういう感じだった。
猛烈な淋しさに襲われ、僕は、いつも寒い海に出掛け、車の中、大音響で浜田省吾を聴いていた。
これは真面目に言っているのだけれど、仮に無人島に10枚だけ音楽のアルバムを持って行くことが出来るとしたら、僕は躊躇わず、その中の一枚として浜田省吾の「その永遠の一秒に」を持って行く。
それほど、このアルバムには多くの思い入れがある。
ただ単に「その永遠の一秒に」の上辺だけを聴き流しても、「ふうん。そんなもん」で終わってしまうかもしれない。
事実、このアルバムを発売時に買い求めて聴いたときは、随分ハードな音だなあという程度の評価でしかなく、何度かターンテーブルの上に載せただけで、その後何年も聴かずに棚の奥に閉まったままだった。
やはり、音楽は、その時々の心の動きや状態と素早くリンクする。
心が凍えているとき、たとえば、真夏の恋を高らかに謳歌するような曲なんて体が求めないし、そういう曲を積極的に聴きたいとも思わない。
欲したい音というものが必ずある。
僕の場合、2007年の秋から2008年に掛けては、浜田省吾だった。
そして、それは心に沁みた。心底、沁み渡った。救われたといっていい。
今回、初の浜田省吾カバー・アルバムがリリースされた。
10人の女性ヴォーカリストたちによる、「from a distance」がそれだ。
収録曲は、「恋に落ちたら/Aisa」(9th album “PROMISED LAND” 1982収録)、「君に会うまでは/鈴木亜紀」(2nd album “LOVE TRAIN” 1977収録)、「途切れた愛の物語/大木彩乃」(5th album “君が人生の時…” 1979収録)、「最後のキス/鈴木桃子」(18th album “その永遠の一秒に” 1993収録)、「ロマンスブルー/noon」(9th album “PROMISED LAND” 1982 収録)、「夢にいざなえ/hayato kaori」(AIDO 1st album 1975収録)、「凱旋門/RiSAKO」(9th album “PROMISED LAND” 1982収録)、「防波堤の上/EPO(7th album “愛の世代の前に” 1981収録)」、「悪い夢/我那覇 美奈」(4th album “MIND SCREEN” 1979収録)、「晩夏の鐘/鈴木重子」(12 inch single “路地裏の少年” 1986収録)
となっている。
このアルバムを、浜田省吾の原曲と比較しても、まったく意味がない。
大幅にアレンジが変わっているし、ひとつのトータル・アルバムとして成立しているからだ。
ジャジーでブルージーで、とても静謐な響きを漂わせた大人のアルバムに仕上がっている。
真夜中、ヴォリュームを少し低めにして、独り寛ぎながら聴くと、その良さが倍増する。特に、夏の静かな夜、それから秋や冬の静まり返った深い夜の中で聴くと、心がクールダウンしてゆくこと請け合いだ。
浜田省吾が歌う曲とは、その匂いも温度も質感もまるで違っているので、素材として彼を使っただけと捉えたほうが無難かも。
とにかく、いい。
心がゆっくりとリラックスしてゆくのが、手に取るように分かる。疲れている人にお薦めしたい。
とても静かで、心が落ち着くアルバムだ。