淳一の「キース・リチャーズになりたいっ!!」

俺好き、映画好き、音楽好き、ゲーム好き。止まったら死ぬ回遊魚・淳一が、酸欠の日々を語りつくす。

北野武の小説「首」を読む。秋にはこの小説を原作とした映画「首」が劇場公開されるようだけれど、そっちのほうが断然面白いかも。33

2023年08月16日 | Weblog
 それにしても人間という生き物は、残酷で猜疑心に溢れ、嫉妬と羨望に狂い、臆病で小心でどうしようもない。
 何が怖いって、お化けでも危険生物でも猛獣でも悪性ウイルスでも、んなもん何でもない。人間という生き物が一番怖い。
 心の底からそう思う。



 はっきり言って、日本の歴史に登場するあの織田信長や豊臣秀吉や徳川家康だって、今では偉人伝に大きく載って敬われてはいるものの、ぶっちゃけ、殺戮をひたすら繰り返し、何千何万もの人間を殺しまくって天下を取ったのである。その人生たるや、裏切りと暴力そのものだったに違いない。

 昔、「織田信長と豊臣秀吉と徳川家康の中で誰が一番好きか」という問いがよくあったものだ。個人的に「秀吉!」と答えていたような気がする。実際は、石田三成が好きで、それは司馬遼太郎の「関ケ原」を読んだことが深く影響しているんだけれど、結局そんなもので、歴史ものの映画やドラマや小説を読んでその人物に感情移入してしまい、そこから好きになるというパターンが大半だろうと思う。
 そんなものなのだ。



 最近は、NHK大河ドラマの「どうする家康」を毎回楽しみにしていて、あれほど嫌いだった徳川家康に対して思い入れが深まったりするので困ったものだ。やはり、ドラマや映画や小説の影響ってバカに出来ないとつくづく思う。



 北野武の書いた小説、「首」を読んだ。
 内容は、信長、秀吉、家康、そして明智光秀らによる大策略もので、まるで映画「仁義なき戦い」を小説で読んでいるようだった。
 「本能寺の変」をクライマックスに、架空の人間たちをも配しながら、それぞれの野望と策略が入り乱れてゆく。
 でも、読んでいっても絶えず筆が荒く、重厚で壮大な歴史小説という感じじゃない(あえてそういう手法を北野武は取ったのだろうけど)。



 ただしこれが映画になると言えば、その話は全く違って来る。まるで北野武「アウトレイジ」戦国版の様相を呈してくるからだ。そしてこの小説、秋に映画化されて全国公開されるという。
 映画になったら、小説「首」は化けると思う。







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