「みんながキースにこう言うの。ヘイ、キース調子はどうだい? これがミックだったら、誰もこんなふうに声をかけないでしょうね」
プリテンダーズの女性ヴォーカリストである、クリッシー・ハインドの発言だ。
でも、僕の想像はちょっと違う。
もちろん、彼女の言葉は実際にローリング・ストーンズのミック・ジャガーやキース・リチャーズとの交流の中から生まれた、本当の生の声だろう。
僕なんて、当たり前のことだけれど、CDやライブや映像や雑誌や本でしか彼らを知らないわけで、そこから知りえた単なる想像・妄想の類いに過ぎないのだから。
でも、何となくミック・ジャガーよりもキース・リチャーズのほうが、表面的、社交的、うわべ上という意味においては、取っ付きにくい感じがしてならない。
多分、初対面で話す機会が訪れたり、何かのパーティで挨拶を交わしたりしても、ミック・ジャガーなら、自分の感情を殺し、愛想笑いを浮かべて、その場をやり過ごす気がする。
つまり、心の奥はあくまでクールで、他人に対しても醒めているのではないか。
キース・リチャーズは、お世辞や社交辞令が苦手だと思う。
口下手で、表面上は仏頂面を浮かべていても、心の中は意外と熱い。そんな気がしてならないのだ。
建前の嫌いな、本音だけで生きている、とても素直で純粋な男であるがゆえに、その日の感情の流れに忠実なだけだということである。
想像ですよ、想像。
この本を読むと、その辺りがよく垣間見えて微笑ましい。
麻薬中毒とそれに伴う逮捕劇、それから、初期のメンバーだったブライアン・ジョーンズとの確執、そして彼の恋人との奪い合いなど、本人やストーンズのメンバー、恋人、友人、スタッフなどの膨大な証言をもとに、年代順に編纂し、その素顔の実像をあぶり出してゆく・・・。
僕は、この「キース・リチャーズの不良哲学 なぜローリング・ストーンズは解散しないのか」を、毎晩、眠る前に楽しみながら少しずつ読んでいった。
先に、この本と同時発売された「ミック・ジャガーの成功哲学」から読んだので、二人の性格の違いや、生き方の違いがよく解って面白い。
別にこの本のタイトルのように、彼の不良哲学を、声を張り上げながら語っているわけではない。
彼の生い立ちと、ローリング・ストーンズにおける公私での波乱万丈の生き方を、この本は音楽シーンの変遷とともに綴ってゆくのである。
彼は一人っ子で、若いときの両親の離婚もあったのか、母親に溺愛され、他人より自由な青春を送ることが出来たようだ。
つまり、それがブルースやR&Bへの深い愛着やストーンズへの思いへと繋がってゆく。
この本で特に印象的な箇所は、ミック・ジャガーと電車の車両で出会い(前からちょっとした顔見知りではあったのだが)、ミックが偶然持っていたレコード・ジャケットに目がいって、そこから交流が育まれ、遂には世界最強ロック・バンド「ローリング・ストーンズ」が生まれたという、その感動的な出会いのくだりだろう。
「死んでから伝説になるくらいなら、生きてるうちに伝説って呼ばれたいね」
キースの言葉だ。名言である。
プリテンダーズの女性ヴォーカリストである、クリッシー・ハインドの発言だ。
でも、僕の想像はちょっと違う。
もちろん、彼女の言葉は実際にローリング・ストーンズのミック・ジャガーやキース・リチャーズとの交流の中から生まれた、本当の生の声だろう。
僕なんて、当たり前のことだけれど、CDやライブや映像や雑誌や本でしか彼らを知らないわけで、そこから知りえた単なる想像・妄想の類いに過ぎないのだから。
でも、何となくミック・ジャガーよりもキース・リチャーズのほうが、表面的、社交的、うわべ上という意味においては、取っ付きにくい感じがしてならない。
多分、初対面で話す機会が訪れたり、何かのパーティで挨拶を交わしたりしても、ミック・ジャガーなら、自分の感情を殺し、愛想笑いを浮かべて、その場をやり過ごす気がする。
つまり、心の奥はあくまでクールで、他人に対しても醒めているのではないか。
キース・リチャーズは、お世辞や社交辞令が苦手だと思う。
口下手で、表面上は仏頂面を浮かべていても、心の中は意外と熱い。そんな気がしてならないのだ。
建前の嫌いな、本音だけで生きている、とても素直で純粋な男であるがゆえに、その日の感情の流れに忠実なだけだということである。
想像ですよ、想像。
この本を読むと、その辺りがよく垣間見えて微笑ましい。
麻薬中毒とそれに伴う逮捕劇、それから、初期のメンバーだったブライアン・ジョーンズとの確執、そして彼の恋人との奪い合いなど、本人やストーンズのメンバー、恋人、友人、スタッフなどの膨大な証言をもとに、年代順に編纂し、その素顔の実像をあぶり出してゆく・・・。
僕は、この「キース・リチャーズの不良哲学 なぜローリング・ストーンズは解散しないのか」を、毎晩、眠る前に楽しみながら少しずつ読んでいった。
先に、この本と同時発売された「ミック・ジャガーの成功哲学」から読んだので、二人の性格の違いや、生き方の違いがよく解って面白い。
別にこの本のタイトルのように、彼の不良哲学を、声を張り上げながら語っているわけではない。
彼の生い立ちと、ローリング・ストーンズにおける公私での波乱万丈の生き方を、この本は音楽シーンの変遷とともに綴ってゆくのである。
彼は一人っ子で、若いときの両親の離婚もあったのか、母親に溺愛され、他人より自由な青春を送ることが出来たようだ。
つまり、それがブルースやR&Bへの深い愛着やストーンズへの思いへと繋がってゆく。
この本で特に印象的な箇所は、ミック・ジャガーと電車の車両で出会い(前からちょっとした顔見知りではあったのだが)、ミックが偶然持っていたレコード・ジャケットに目がいって、そこから交流が育まれ、遂には世界最強ロック・バンド「ローリング・ストーンズ」が生まれたという、その感動的な出会いのくだりだろう。
「死んでから伝説になるくらいなら、生きてるうちに伝説って呼ばれたいね」
キースの言葉だ。名言である。