淳一の「キース・リチャーズになりたいっ!!」

俺好き、映画好き、音楽好き、ゲーム好き。止まったら死ぬ回遊魚・淳一が、酸欠の日々を語りつくす。

映画「サイドウェイ」は極上のワインの香り。少しぐらい「寄り道」をしたっていいじゃない?

2005年06月23日 | Weblog
 大人になる。
 恋をしたり別れたり、それから仕事で成功したり失敗したり。
 たまには、とても疲れることがある。ふーっと一息入れて休みたい。何処か遠い所に旅をしたい。あるいはまた、誰かと二人でゆっくりと過ごしたい。
 誰にでもある、本当の自分に戻る瞬間だ。

 映画「サイドウェイ」は、アカデミー賞5部門にノミネートされた。そして、ゴールデン・グローブ賞の作品賞と脚本賞も受賞した。なんと全部で84の映画賞に輝いたのである。
 監督は、ジャック・ニコルソンが主演した「アバウト・シュミット」のアレクサンダー・ペイン。
 主人公は、離婚のショックから立ち直れない中年男性。
 何事にも消極的で、全てを悲観的に考える。小説家を目指しているが、中々出版にまで漕ぎ付けない。
 友達がいる。大学時代からの親友で、一週間後に結婚を控えている。プレイボーイで、結婚するまでに、何とか他の女性とアバンチュールを愉しみたいと思っている。
 そして二人は、ワイン三昧の旅をすることに決める。ちょっとお互いの思惑は違っているのだけれど・・・。

 カルフォルニアの二人旅。
 ワインへの薀蓄を語る。時にはユーモラスに。そして時には恋愛に絡めて。
 実在のビンテージ物がたくさん登場する。
 ワインのピノ・ノワールについての語りが素晴らしい。飲みたくなる。映画を観ながら、何回、喉がゴクンと鳴った事か・・・。
 今月号の「ミュージック・マガジン」をペラペラと捲っていたら、評論家の今野雄二がこの映画に何と「満点」をつけていた。
 うーん。そこまでではないけれど・・・。

 後半、俄然面白くなる。
 少し笑わせ、少しほろりとさせられ、そして胸が熱くなる。
 「寄り道」をしたっていいじゃないか。人生、少し休んだっていいじゃないか。そんなふうに思えてくるのである。
 ラストもいい。
 でもそれは、実際映画館で味わっていただきたい。
 そのあとに、二人で美味しいワインでも飲んだなら、この映画の良さは何倍にも膨らむことだろう。

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