小川典子さんのピアノリサイタルに行ってきました(10月2日、コピスみよし)。
小川さんは若いころから海外での活躍が長い方で(高校卒業後ジュリアード音楽院に進み、以後主に海外で活躍)、現在はイギリスを拠点として活躍されているそうです。
会場で配られたインタビュー記事によると、コロナ以後も積極的に活動し、今回の帰国はなんと(制限が始まってから)16回目の帰国になるのだそう。移動の都度隔離や検査など、相当大変だったかと思います。。
たしか6月ぐらいだった気がしますが、偶々数日前に「ベストオブクラシック」(NHK FM)で、小川さんのリサイタルをやっていました。
それから間もなくして、ホールから送られてきたパンフレットで小川さんのコンサートがあることを知りました。すぐにチケットをとったので、かなり自由に席が取れました。
ピアノをどの席で聞いたらよいのかは、諸説、また各自の好みもありますが、今回とったのはステージ手前の島の、真ん中の一番後ろです。今思い出してみると、ふつうに良い席とされる、もうちょっとうしろの席は、埋まっていたのかもしれません。要はホールの残響よりも、ピアノから直接音を聞くような席ですね。。
その影響かと思いますが、全編小川さんのエネルギッシュな演奏を堪能することができました。熱演ぶりが半端なかったです。。
前半はドビュッシーの前奏曲(1)です。12曲まとめて演奏すると40分ぐらいかかりますから、とおっしゃって、最初に各曲の簡単な解説をしていただきました。8曲目の亜麻色の髪の乙女、この曲まできたら、あともう半分ぐらいですので、少しほっとしてください(笑い)、などと冗談をおっしゃって、観客も受けていました。
前奏曲は小川さんの解説にあるように、従来のバッハ、ベートーヴェンなどは決してやらなかった、音楽の方向性をぼかす方法を追求したドビュッシーの意図が反映されて、なんとなくもわ、ふわっとした始まり方をします。
いつもCDとかで聞いていると、そんなに大変な感じはしなくて、ふわもこ感だけが印象に残ります。
しかし、実際にはこれ、ピアニストにとっては相当重労働ですね。。曲がふわもこだからと言って、奏者がもっさり弾いてはいけないというか、そういうわけにはいかないようです。
音楽も最初に聞き初めたころは、いろいろ発見したり感心したりしますが、そのうちどうしても慣れてしまって、注意して聞かなくなってきます。CDなどで漠然と聞いていると、余計そうなります。できればこうして、実際の奏者のかたの奮闘ぶりを目にしながら、認識を新たにしていきたいものです。
後半はグリーグとショパン。グリーグは正直ピアノ協奏曲とペール・ギュントぐらいしか知らないですね。抒情小曲集は名前だけ知っていて、どこかでなにか耳にしたことがあるかもしれない、ぐらい・。
今回は小人の行進、トロールハウゲンの婚礼の日という曲で、どちらも楽しげな、童話的な世界を思わせる曲でした。
ショパンは子犬と華麗なる大円舞曲、ノクターン20番(遺作)、そしてアンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ(グレートポロネーズ)。
子犬をこういう呼び方しているのは日本だけなのだそうで、イギリスではOne Minutesと呼ぶのだそう。ポピュラーな曲ですが、楽しく聞かせるには相当な腕が必要かと思います。それにしてもこのプログラム、よく考えられていますね。。
最後にアンコールとしてエルガーの「威風堂々」ピアノ版を披露していただきました。さいごまでとてもエネルギッシュで、また小川さんの明るく前向きな印象がよく反映された演奏でした。
ホールを出るとさわやかな夕風がほほをなで、というかんじで。。
車の窓を開けて風を愛でながら帰宅しました。
シルバーウィークはどちらの連休もほぼ家で寝込んでいましたが、この土日はからっとしたお天気に誘われて、すこしリフレッシュ。
前日は体大丈夫なことを見極めて、午後遅くなったので近場にドライブ。越生で梅干し買って、花園でクッキーとネギみそせんべい買って・・。
というわけでした。