うさぎくん

小鳥の話、読書、カメラ、音楽、まち歩きなどが中心のブログです。

オッペンハイマー(映画)

2024年04月07日 | 映画
去年は全く映画を観なかったのに今年はもうこれで3本目だ。。
3時間というのはちょっとした長さで(いささかボウコウがきついです)、世評の通り登場人物も多いので気楽に見られる映画ではありません。

たしか30年近く前に中公新書「オッペンハイマー」(中沢 志保著)を読んだことがあったのですが(現在入手不能、手許にあるか不明)、もうきれいに忘れていて、ルイス・ストローズという人との確執とかは初めて知ったに近い状態だった。原爆開発史は少し勉強したし(出たぞ半可通!)、暫定委員会とかのシーンはほかのドラマなどでも見聞きはしているけど、なにしろ色々とややこしいから。。

ひとつ言えることは、これはオッピーのバイオグラフィーに焦点を当てたもので、物語の視座は終始そこを中心に回っているということ。だから、被爆地の様子が描写されていないという批判(映画を見るの直前、7時のニュースでこの映画を取り上げ、そういう批判があると報じていた)もあるが、表現がされないこともある意味で理にはかなっている。

同様に、これを原爆開発の通史として観てしまうと、色々な史実が抜け落ちてしまうように思う。そういう要素をこの映画に期待してしまうと、話が今以上に複雑になって収集がつかなくなってしまう。

とはいえ、話が話であるだけに、色々な視点からの意見が出てくることもまた道理だ。日本での公開がなかなか決まらなかったことも、ある意味象徴的な出来事のように思える。

色々な反響を呼んだという意味で、この映画は成功だったといえる。これをきっかけに色々学んでいく人が増えていけば。


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窓際のトットちゃん

2024年01月06日 | 映画

正月休みさいごの4日、久しぶりに映画を観ました。
たしか、去年は一本も観てません。なぜかその気になれなかったんですよね。面白そうな映画はいくつかあったのですが。

近所のシネコンの時間表を見て、たまたま時間帯が良かったのがこの「窓際のトットちゃん」でした。なので正直なところ、これを見たのはそんなに積極的な理由からではありません。でも、思ったよりも楽しめました。

子どもがみても楽しいだろうけど、大人も、たぶん黒柳さんと同世代の年配者でも楽しめると思います。

アニメはあまり好きなほうではないのですが、いまどきのアニメは情報量が多い(細かい書き込みがすごい)し、時代考証も隅々まで考えられていて、十分鑑賞に堪えられる。戦前の、つかの間だったとはいえ豊かで文化的だった街や家庭の様子がとてもすてきです。

後半戦争が激しくなり、街もトットちゃんの身の回りも変わっていくのが何とも悲しいですね。
しかし、良い映画でした。
写真は「続・窓際のトットちゃん」(書籍)を買うとついてくる特典。電車型指人形ってなんだか不思議ですが、映画を見るとわかります。

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ダウントンアビー 新たなる時代へ

2022年10月15日 | 映画


ここのところ元気なかったですし、2時間映画見る気にもなかなかなれず(映画館で映画見るのは5月のシン・ウルトラマン以来。家でもあまり見てない)・。秋口に体調崩してからは余計だったのですが、これはなんとか見なければと、重い腰上げて映画館、行ってきました。。



テレビ・シリーズは2010年から6シーズンにわたり放映され、映画版は2019年に第1作(いずれも本国。日本ではテレビ版2014-2017,映画の日本公開2020年1月)、今回の続編は映画としては2作目です。

映画第1作目はかなり絢爛豪華なお話でした(国王がハイクレア城を訪れるという)。今回はそこまでの派手さはありませんが、物語としてはよく練られており、地元ハイクレア城と南仏の別荘を舞台にして交互に話が進んでいきます。

印象としては、テレビ、映画を含め、これまででは最もカジュアルなお話の展開(ラストのエピソードを除く)という感じがします。テレビ版では毎回そこまでするの?という大胆な展開が時にしんどかったですし、映画第1作もちょっとサスペンス的なストーリー展開もありました。

今回はそれらに比べるとずっと安心できるというか、かなりゆるいホームドラマ展開になっていて、見ていて楽でした。。

既に公開から2週間経過していますが、地元のモールでは上演は1日1回(字幕版)、終演後にさっと数えたら、観客は自分を含めて10人ほどでした。。

今回舞台設定は1928年となっています。
テーマの一つは映画のトーキー化です。前年に「ジャズ・シンガー」がヒットしたのを機会に、トーキーへの変換が一気に進みます。

エピソードの中に、役者がセリフも話さなければならなくなることに伴うトラブル(ちょうど「雨に唄えば」みたいな)、が盛り込まれています。

話は女優が貴族風の英語で発音すべきところが、出自の関係でそれが・というものです。こんかい字幕版で見ましたが、しょうじきその辺のニュアンスをセリフから聞き取ることはできませんでした。。

そのうちブルーレイが出たら、吹き替え版にして、日本語でどう表現しているのか聞いてみたいです。まあ日本でも、方言と標準語のもんだいとか、いろいろありますよね。。

ドラマの世界では16年、現実の世界でも10年以上、時間が進んでいます。さいしょは小娘だったデイジーも、今は所帯持ちで相応に落ち着いた感じになっています。メアリーもイーディスもいい感じに齢をとりました。アンナも落ち着いた奥さんになりました(子供生まれた?)。

こういうのを見ていると羨ましいというか、日本でもこういうドラマができたらな、と思うのですよね。。

日本の俳優さんてエイジング=悪と思ってるのか、いい感じで年をとれない。
大河ドラマなど、ライフスパンが長いから仕方ない気もしますが、ドラマの後半になると自分の子供と本人が同世代みたいに見えてしまいます。

実はそれ、現実の親子もそんな風なんですよね。。おやじとかおばはんに一生なれない。。

以前、キャロライン・ケネディ氏が大使として日本に赴任した時、少し年配の(僕より10くらい上)の女性と話をしたことがあります。
(ケネディ氏が)、美人なんだけどちょっと皺がめだつ感じなのを見て、あの感じが大使としての風格と年輪を感じさせていい、と言いました。
すると彼女は「・ああ、やはり男性と女性では感じ方がちがう。私だったらあの皺を何とかしたいと思うのに。。」とのこと。
・なのか。まあ、なんとかなるんでしょうね今は。。

前作映画の感想でもたしか書いたけど、このドラマでは若い人は若いなり、年配者は年配者なりに生き生きとして、他人を思いやったり、相手に恋したり、いろいろ喧嘩したり、自由にやっている姿が描かれていて、そこが良いところです。そういうのを見ていると、なんかほっとします。

日本では、還暦過ぎの人がガンプラやったりエヴァのことで語り合ったりすることには市民権があって、そこはいいのですけど、どっちを向いても「永遠の17歳」みたいなところがちょっとね。。ロリコンがすぎる。
南沙織さんは、さいしょは17歳だったけど、次第に良い感じの大人になっていく過程があって、あれが魅力なのかな、と。

話、飛びました。
現実世界のイギリスでも、女王は逝かれましたし、トラス氏も大変そうです。
クローリー家もこれから、(1930年代という)時代の洗礼をうけるぎりぎりのところまで来ました。ここまで来たら、この先どうなるのか、見せてほしいなあ。

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ノマドランド

2021年05月23日 | 映画
2021年アメリカ映画

近所のシネコンでも吉永小百合さんの新しい邦画がかかり、「ノマドランド」も終了してしまいそうに思って慌てて見に行った。

SNSでも友人が見たという報告をしていたし、フォローしているブロガーさんも感想を寄せていたが、それらを見返すことをせず、基本予備知識ゼロの状態で臨んだ。

観ていてもなかなか流れが掴めないというか、いきなり知らない環境に投げ込まれたような感じがする。ただ、主人公のファーンはかなりスマートな(タフで機転が効き、人付き合いも如才ない)人で、人々が物語を見聞きするとき良くする、主人公に自分を投影させる方法で観ていても違和感がない。

もっとも、主人公の本当の心のうちは、物語の終わりごろになるまで見えてこない。

自然描写がとても美しい。

変な話、自然とともに生きるならアメリカより日本だろう、と、映画を見ながら最初は思うのだが、いや、そうではない。森の木々ですらそうだが、アメリカの自然は人を圧倒する。

そういう、圧倒的な存在のもとで、日々それを感じながら生きている、という面が、アメリカのノマドたちにはある。彼らにも人と人との交流はあるのだが、それが余り前面には出てこずに、非常に淡々と話が進んでいるように見える。これは、人の営みも大自然の中の限られた動きに過ぎない、という意味合いがあるのかもしれない。

車上生活者たちは、(意外と)生活の厳しさ、苦しさのようなものを訴えたりはしない。さいしょはもっと政治的なものなのかな、と最初思っていたので、少し驚いた。

観ながら、これは「イージー・ライダー」の50年後の世界かな、とちらっと思ったが、たぶんそうじゃない。あちらよりはこの「ノマドランド」のほうがよほどわかるし、共感できる。
まあそれは、自分の年齢のこともあるのかもしれない。

自然の美しさと言えば、フェーンが知り合った年配の女性、スワンキーの語った言葉が印象に残った。。細かいいいまわしは忘れたけど、各地をめぐっているうちに出会った生き物たちの風景を列挙していた。ヘラジカの家族、たくさんのツバメたちが一斉に飛びたっていく様子(自分も一緒に空を飛んでいるような気持になったという)etc.etc. そういう、美しい風景を見ていると、もう私の人生はこれで十分、という気持ちになったという。

というわけで、映画から帰ってざっとこれだけ書いて、とりあえずアップします。

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ダウントンアビーの続編着手か

2021年02月23日 | 映画

映画「ダウントンアビー」が公開になったのは(日本では)1年前のこと。
世界的にも好評だったようで、当時から続編への期待が高かった。

もともと10年ほど前(本国イギリス)に始まったテレビドラマシリーズだが、シーズン6でいちおうの終止符が打たれた。ヴァイオレット様(マギー・スミス)も、頃合の良いうちに終わりにしたいというようなことを語っていた。
だから、制作に難航したと言われた映画版が出たときはうれしかった。
続編についてはあったらいいね、ぐらいしか期待していなかったが、こんなニュースが飛び込んできた。
ファンも、制作者、演じる人たちも、あの世界が好きなのだろう。
早速SNSのグループに投稿した(こんな話がありますよ、と)。どなたかがコメントされていたが、なんか悪いことが(ドラマ中で)起きるかもしれなくて、見たいような見たくないような。。と。ダウントニアンとしてはその気持ち、よくわかるなあ。。

映画版の設定年代が1927年、狂騒の20年代の最中である。。続編というからにはそこから数年を経なければならないわけで、暗黒の木曜日とそれに続く恐慌、ファシズムの足音が聞こえる時代を背景にすることになる。それこそカズオ・イシグロ「日の名残り」の世界である。
映画ではそれなりにおめでたいお話になっていたが、さてどんなストーリーになっていることやら。。

続編怖い、論はテレビドラマ時代にもあって、やはり時代がだんだん暗くなることが心配されていた。僕はいちどSNSのコメントに書いたことがある(前にも書いたかな?)。
「時代がずっと下った、1960年代ぐらいの設定にしたら面白いかもしれません。」
世代交代が進んで、メアリーやトムの子供たちの時代に。メアリーたちは昔はこんなことがあったわねえ、と過去を懐かしむ、みたいな。ビートルズが登場して、眉をひそめる大人たちがいる一方、ローズなんかノリノリになるんじゃない?みたいな会話で盛り上がった。

現実の世界もドラマの放映されていた時代から変わり、イギリスはEU本当に離脱しちゃったし、ドラマ(シーズン2)のスペイン風邪を彷彿とさせるCovid-19は今まさに猛威を振るっている。こういうドラマって、繰り返し見ると色々染み出てくるものがあって、現実世界を見るときにも、参考になるんですよねえ。
去年ベートーヴェンイヤーだったせいで、なにかとベートーヴェンを聞きすぎたのでいささか飽きてしまった(とかいったらベートヴェニアンにおこられそう)。

モーツァルトもいいけど、あんがいと聞くチャンスの少ないマーラーをちょっと聞いてみようかと。
クーベリックの全集(大地の歌は含まれていない)は、最初に買った全集なので馴染み深い。マーラーも、4番と1番、あとは3番ぐらいかな。それも長いこと聞いていない気がする。2番、3番と聞いたが、なんとなく往時の時代背景とかを考えながら、ゆっくりと聞いていきたいと思っている。。

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映画「鬼滅の刃」

2021年01月04日 | 映画
正月の写真や自分のブログ記事、カレンダーなどを見返したところです。数年前だとこの神社でも和太鼓の披露や獅子舞などの神事が行われていたようです。
川越喜多院のだるま市も、今年は中止されたようです。
ただ、参拝客は減ったとはいえそれなりに行列はできていたようです。

仕事柄、1月は忙しいことが多い。西欧社会的には12月中旬からクリスマスまでは皆休んで、元旦こそ休むがあとは平常通り。年次決算がこの時期という企業が多いので普段より余計忙しい。
という訳で過去には元旦出社、あるいは31日出社ということもけっこう経験しました。三が日は実家にいても3日の午後には帰宅して、4日から全開で仕事するという感じ。

それが今年は今日4日まで休みだと。基本繁忙期は変わりませんが、前職までのように銀行営業日ベースではなくなったので。。

今日はちょっと変な感じでした。世間は動いているのに自分は休みで、取り急ぎすることもない。年末は掃除したり買い出ししたり、色々あるものですが、正月は別にない。

 ちなみに今年のように4日からフルに1週間平日が続く曜日が並ぶのは、過去には2016年、1999年、1993年などがそうだった(見落としあるかもしれません)ようです。なぜか4日が金曜日という年が多いような気がしますね。そうすると4日にどばあっと仕事して、また土日くたばっていられるので楽だった?気がする。'16年のブログでは長い一週間だった!と嘆いています。。

 午後昼寝して・、そうだ、ずっと行けなかった映画でも見に行こうと思い立ちました。


 長い前振りでしたが、昨年興行収入が千と千尋を抜いて一位になったと話題になった、鬼滅の刃を見てきました。
ニュースで社会学者がなにやら解説してたりして、いったい何がそんな人気なのかと。

 結論から言うと、よくわからん。
一昨年のスターウォーズ最新版よりは間口は広いですが、あらかじめ漫画なりアニメなりを見てないと世界観がわからないような構成です。とはいえ何の予備知識もない僕が見ても、話の筋は普通に追える。

 ただそうすると、よくある少年ジャンプ的冒険漫画の世界が展開されるだけ、という感じで・。
 ひとつ感じたのは、絵が無駄にむちゃくちゃきれいですね。キャラクターは漫画のタッチを忠実に再現させているせいか、それと背景や建物などの描写との差異が大きくて違和感を覚えます。冒頭の墓地や、回想(夢)シーンの雪景色、森林、川などの描写はすごくきれい。
 ただ、最近よくある、いわゆる聖地巡礼ができる様な設定ではないせいか、ディティールの描写にそれほどこだわりは見えません。

 鉄道ファン的に見ると(邪道ですが)機関車は一目で8620型とわかり、最後のころまで形態的に破たんしていないのは見事です。しかし客車は資料がなかったらしく、車内描写を含めごくふつう(いわゆる昔の列車というステレオタイプな描写)。機関車を精密に描写することの意義があまりない(が、保存機を運営するJR九州がコラボしたことを考えると、その辺の営業的配慮があったのかもしれない)。運転室に機関士ひとりしかいないのはむちゃむちゃ違和感があります(石炭を焚く機関助士がぜったいひつよう)。
 さらに言うと、物語的に列車が舞台である必要がどこにあるんだろうかとも考えてしまう。。

 ちょっと期待していたのは舞台が大正時代ということだったので、当時の風俗とかどう描写されているのかな、と思ったのですが、基本その辺のこだわりはないようです。。まあ下手に三丁目の夕日やるよりはいいかな。
 「風立ちぬ」もそうでしたが、古い時代を描写するときは、中途半端なこだわりは却ってマイナスの効果を感じることがあります。
 実写だと昭和20年の東條英機がファントムVIに乗っていてもまあ仕方ないかも、と思いますが、アニメなら自由に描けますからね。その点「この世界の片隅に」は半端なくすごかったです。というか、全体としてプレシジョンがバランスとれていれば入りこめるんですけど。

 SNSでピアノの先生やっている知人が「仕事の一環として見たけど(子供と話合わせるためか)、途中で退屈して困った」と書いているのをみて、なんか勇気ある発言だな、と思ったけど、けっこう自分も似たような書き方になってしまった😅 ・石投げないでね。

年末に、正月休みに読もうと仕込んでおいた「日出処の天子」。漫画は場所取るのでできる限り電子で読みたいのですが、山岸さんは電子書籍許可してないみたいなんですよね。ただ結局まだ1巻しか読めてないです。

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ブルース・ブラザース

2020年11月02日 | 映画
オフィス引越の前日、10月23日(金)は早々にパッキング等を終えて帰った。
帰りにポップコーンと鯛焼きを買って、家でまったりこれを見た。

高校生の頃友達と映画館で見て以来だ。。

ダン・エイクロイド(エルウッド役)がシナリオを書いたが、今までそんな経験はなかったので、300ページ以上になってしまった(彼はBBのエンサイクロペディアを書いたと言われたそう)。のちに130ページ程度にまとめられたが、それでも映画の内容はてんこ盛りで、洗練とは程遠い。言ったら悪いけど昔の少年ジャンプのアクション漫画みたいだ(今はジャンプももっと洗練されてると思う)。

だけど質量がものすごくて、それで押し通してしまった感じがある。。さいきん、コメディ系の実写映画見てないから比較しにくいけど・・今は何でもCGだからね。。ショッピングモールをめちゃくちゃに壊したり、シカゴ市内を時速200キロで逃げ回ったりするシーンは迫力満点。

謎の美女(キャリー・フィッシャー)が二人をつけまわして携帯ミサイルで襲う、という設定も、昔見たときすごく印象に残ってた。僕はどこかのシーンで彼女が赤いドレスを着て火炎放射器を担いでいたような記憶があったのだが、どうも記憶違いだったらしい。でも印象としてはそういう感じ。
「セーラー服と機関銃」はだいたい同じころ流行った気がしますが、あれ的な落差受けというやつですね。。

アパートが全壊して瓦礫の山になったのに、二人がむくむくと起きだして平然と仕事に出かける、というギャグ感は、日本の漫画っぽいです。

イリノイ警察はもちろん、旅の途中で出くわしたネオナチ団体やカントリーバンドからも追いまわされるが、二人がなぜそこまでして逃げ回ってるかというと、生まれ育った孤児院を救うため、固定資産税を納税に行くため(!)というのがすごい。。そういえば劇中楽器屋のレイ・チャールズが「減価償却だ」などと口走っていたな。あれはちょっと違(以下自粛)・。

ジョン・ランディス監督もこれは『ミュージカル映画だ』と言っている。もともとテレビショーのバンド「ブルースブラザース」が映画になったものなので、音楽はこの映画の重要な要素だ。

僕が高校生の時この映画を見て強い印象を受けたのがカーチェイス、美女と機関銃みたいなギャグ、そして劇中で皆踊りだしてしまう音楽シーンだ。
特に、ふつうは厳かな印象のある教会での説教で、牧師(ジェームズ・ブラウン)がひじょうに情熱的な説教を行い、信者たちが興奮して踊りだしてしまうシーンは好きだった。ジェイクも牧師から「光を見たか?」と問われ、税金のお金を稼ぐ方法をひらめく。。

・・というわけで、「ブルースブラザース」のCDも買ってみた。
「ブルースブラザース」は、ディスコ全盛だった1980年前後のアメリカ音楽シーンの中では少し異端だったらしい。ただ徐々に古い音楽が見直された時期でもあり、日本でも「ランナウェイ」(シャネルズ、後のラッツ&スター)が流行ったりしていた。

流行とは別にこの種の音楽はアメリカ人にはとても響くものであるらしく、FEN(現AFN米軍放送網)でよく「ソウル・マン」なんかかかってたし、たしか午前0時の定時ニュース、そのあとの国歌(米、後に米、日)演奏の後放送される音楽番組の冒頭に「ギミー・サムモア」がタイトル曲としてかかっていた。

CDは映画で演奏されるアレサ・フランクリンの「Think!」とかレイ・チャールズの「Shake a Tail Feather」も収録されていて、これ一枚で全部足りる感じ。Amazonの評価にジャケット(のイラスト)がださい、と書かれていたが、これまた’80年代ごろのテイストがするイラストですね。。

というわけで・・。

引っ越しの時、つかの間開放感を味わった記念でした。
引っ越してからまた色々あって、例によってあれこれ悩みも増えてきつつある11月でございます。。
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映画「ミッドウェイ」

2020年09月24日 | 映画
連休最終日に見ました。映画館で映画見るのは1月以来、8か月ぶりです。

「失敗の本質」でも取り上げられたあまりにも有名な海戦ですが、真珠湾攻撃などに比べると、映画の題材として取り上げられることは少ないかもしれない。映画の公式サイトでは考証を重ねて史実に忠実に描いたと宣伝しています。

ただ、基本的にはエンターテイメントのための映画であり、NHK特集みたいなドキュメンタリー番組のような構成ではありません。

この映画、監督がID4(インディペンデンス・デイ)のローランド・エメリッヒなんです。

もう20年以上前にみた映画ですが、鮮烈に覚えてます。。うん、なんかむちゃむちゃよく覚えているな。宇宙人に拉致された変なおじさんとか、若い大統領とファーストレディとの別れとか・・。前回いつ観たんだっけ?
リアリティーがマイナス200%ぐらいの強引な筋書なのに、ぐいぐい引き込まれるすごい映画でした。。

エメリッヒ監督にはそういう印象があるので、今回もどうかなと思ったけど、意外とまとも、といっては失礼か。ひじょうにオーセンティックな構成で・。

この種の歴史ドラマにこんにち求められる、双方当事者への敬意とか、でも敵方はなんか残虐なことしたり浅はかな判断違いをするとか、友人との別れ、家族、祖国への愛情、主人公の熱情と自責の念、派手なCGと人を引き付ける戦闘シーン、すべてコミコミできれいに収まっている。

見事だけど、ちょっとなんかモヤる。なんか突き抜けてない。。
って感じかな。。
あまり好意的な書き方じゃなくなっちゃったけど、でも、全体に非常にレベルが高いが故のないものねだりなのであって、席に座ったら2時間、たっぷり楽しめることは確かです。

あとは余談。とうぜん日本人が一方の当事者なので、どうしても日本人に肩入れしながら観てしまいがちなのですが、この映画、山本五十六連合艦隊司令長官(豊川悦司)をひじょうに冷静で知的、欧米にも好意的な非戦論者として描いていることに少し気をひかれました。夏頃読んだ日経の記事で、かつてだまし討ちの仕掛け人として、米国では否定的にとらえられていた山本が、近年再評価されつつある、と書かれていたことを思い出しました。

山口多聞少将(浅野忠信)も、立派な軍人として描かれて涙を誘います。南雲中将(國村隼)はちょっと怒りっぽく独断的な将軍として描かれていて、國村さんのファンとしては残念なのですが、考えてみるとそういう人物(実際、南雲中将は開戦後やや精彩を欠いた、という評もあるらしい)を演じることができる國村さんは、やはり名優だということかも。

エメリッヒ監督はドイツ人であり、日米の戦いになんというか客観的な立場で観ていられる立場(ドイツは枢軸国だったとかそういう話はおいといて)なのですが、この人はたぶんアメリカのヤンキー・スピリットみたいなのが大好きなんでしょうね。アメリカ人以上にそういうのを臆面もなく描くことができる。

個人的な印象ですが、あの時代のアメリカというのは今の、というか、戦後日本が強く影響を受け、知らず知らずのうちに自分たちの意識に入りこんでいる「アメリカ」とはまた少し違うような気がします。ひじょうに白人優位社会で、どこか近寄りがたいというか・。戦後、日本も変わったけど、アメリカ社会も大きく変わったのでしょうね。。

グレン・ミラーの In The Mood は「瀬戸内少年野球団」とか観てるとなんか、戦後の日本に土着したような印象があります。今In the Mood聞くと、お、もう7時になったのかな、とか、思ったりしますよね(イオン使ってないとわかんないか・・)。

しかし、グレン・ミラーの音楽って、本来ひじょうに日本人にはない、異質な感覚みたいなのが純化されて出ているような気がします。。

チャタヌーガ・チュー・チューとか、Penncylvania 6-5000なんていうのは、素直に考えてみるとすごくエキゾチック。
逆に、ひじょうに異質であるがゆえに日本人に受け入れられたのかな。。

Don't Sit Under the Apple Tree (木陰の二人)は戦時中の曲で、凱旋して戻ってくるまでは自分以外とリンゴの木の下に座るなよ、という歌詞なのですが、これなんかカッコいいなぁ、と思うと同時に、戦時下のアメリカの様子を彷彿とさせてくれます。。

そう、あのころのビッグバンドジャズって、なんか戦場に慰問に来てステージで歌ってるというシーンがオーバーラップしてくるんですよね。。

この映画の最後に、僕は知識があまりないからわからないのですが、シックなワンピースを着た女性(実在の歌手?)が、クラブのような場所でバンドを従えて歌うシーンがあります。
大戦中の米軍って、なぜかそういう音楽とすごく結びついて感じられる。

たぶん、同じこと感じてるひと、いるんじゃないかと思う。「日本のいちばん長い日」でも、敗戦を受け入れた阿南陸相の背後に、ビッグバンドジャズの甘いコーラスが流れるシーンがありました。

とにかく、このシーンは強い印象に残っています。うん、かなり好きです。
あんな感じの女性は、もう今のアメリカはもちろん、世界中探していもいないと思う。



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ダウントンアビー劇場版ほか

2020年06月14日 | 映画

6月もはや中旬にさしかかりつつあります。毎年6月は体調崩すことが多いのですが、一応まだ息災です。が、なんとなく来てる気もします。。

さて、ダウントンアビー劇場版について、なかなか書くことができずにいました。
思えば映画館でこれを見たのが今年1月のたしか11日のこと。昼間何をやったか忘れたけど、午後ネットで予約して夕方映画館のあるモールに行き、時間まで少しばかり買い物して、たしか終わってから食事したんじゃなかったかな。
あの頃今年がどうなるかなんて、とうぜん想像もつかなかった。そりゃ遠い目にもなるわな。
そのときの記事はこちら:ダウントンアビー(映画) - うさぎくん

今回も内容についてはあまり触れることができないが、改めて思うに、全世界のファンの人たちのことをよく考えて作ってくれたなあ、と感心する。。多少設定に無理があるにしても、懐かしい人たちがみんな出てくるし、それぞれに活躍の場を与えてくれている。王室のパレードなど、映画ならではの大がかりな見せ場もある。なので、見終わった後でああ、楽しかったなあと思わせてくれる。

特典の付属映像がいいです。
出演者たちがふだんの役者に戻って、楽しく会話しているのが良かったです。
メアリー(ミシェル・ドッカリー)とイーディス(ローラ・カーマイケル)が私たちほんとはすごい仲良しなのよ、本当の自分は役(メアリーやイーディス)よりずっと幸せだわ、とか、ロバート(ヒュー・ボネヴィル)は本当の私はロバートよりIQが高い(!!)と言ったりとか。デイジーもパットモアさんも、本当は料理がぜんぜんできなくて、調理の演技が大変だったというのも面白かった。

監督による解説も入っているんですが、これだけまだ未鑑賞です。。

というわけで、ビデオでの鑑賞もお勧めです。

 土曜日は雨の中床屋に行き、その足で久々にモール(ダウントンアビーを観たところです)に行っていくつか買い物した。厳密には食料品を買いに一度行っているが、ユニクロだのCD屋だの、通常のフロアに行くのは3ヶ月以上ぶりかな。
 この週末は僕と同じようなひとが多かったようで、かなり混雑していました。ユニクロやスタバは感染症対策ということで、入り口に制限を設けたり、スタバは一部席を使用禁止にしていますが、どうもそうした「お作法」が煩わしい気がしなくもありません。スタバなどは使えない椅子をこれ見よがしに?店内に放置しているのがどうも嫌です。4月以降、一度テイクアウトで買ったきり行ってません。。

 日曜はまた前宅近くに。以前足繁く通っていたお店に。ここもそれなりに対策をしています。細かいところでは、以前はポットにお砂糖とミルクが入っていたのですが、ファミレスみたいにパック入りになってしまった。このパックのやつはミルクとは似て非なるものですし、スプーンでほんのすこしだけ、砂糖を入れるのが好きだったんですけどね。

 生活は戻りつつあるのですが、一部の人が言うように完全に元には戻らないのでしょう。ついつい、過去への思慕へと誘われます。
実家のノウゼンカズラ。昔、父が苗を分けてくれたのだけど、旧宅では育たなかったな。

仕事が変わってからまもなくコロナ騒ぎになったので・・このコロナの状態と今の職場の印象がほぼイコールになっちゃってます。。ここまでそういうのは考えないようにしてきたけど、だんだんとじわじわ来てるな。。
梅雨空のようにすっきりしない気持ち。。明日は気の重い会議もあるし。。
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ダウントンアビー(映画)

2020年01月12日 | 映画
 ダウントニアンの間では数年前の製作開始報道のあったころから、何度も待望の声が上がっていた映画版「ダウントンアビー」ですが、いよいよ10日に公開され、早速見てきました。

 この映画は、テレビシリーズのシーズン6、大団円に続くお話です。ただ、物語のメインは国王がダウントンを訪れる、という大イベントがテーマなので、テレビのエピソードや個々人の人物設定を知らなくてももちろん十分楽しむことができます。

 事前にシーズン1から見返し・・たのはちょっと失敗で、全部見切れずに映画館に行ってしまう。。最初から直近のシーズン6を見ておけばよかった。メアリーやイーディスがだれと結婚して終わったのか、デイジーは誰とつき合っていたのか、色々複雑で、すっかり忘れてしまっていた。。
 一応、ストーリーが始まる前にパットモアさんが主要人物の紹介をしてくれます。そのパットモアさん、MRS Patmoreとなっていて、たしか誰かと結婚したんだっけ??遺産を投資してホテルを作ったんだよな。。とにかく、もういちど録画したDVDをみかえしてみるわ(時間があったら)。

ともかく、ともかく、あのハイクレア城が画面いっぱいにドンと映し出され、執事になったバローやデイジーやアンナが出てくると、ああ懐かしいところに帰ってきた、という感を強く感じる。ホームドラマ+お仕事ドラマである本シリーズだが、もうトムやコーラやバイオレット様は自分の家族であり、あるいはベイツやモールズリーは自分の同僚という感じが、自分の頭の中でしているみたいだ。。

 ここではこれ以上、ネタバレになることは書けないというか、書かないことにするが、そうするとあと言えることは、ロバートもイザベルもみんな、何ともいとおしく感じられるということ。大人たち、それも40、50代はもちろん70,80代?の人たちまで、不本意な現実に直面しては悩み、率直に言い合い、時には恋をしたり、昔の思い出を語り合ったりと、そういうところがこのドラマの真骨頂ですね。ああ、涙が出てくる。。
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ダウントンアビー 映画版

2019年10月05日 | 映画


先月イギリス、アメリカで公開され、好評を博していると伝えられる映画「ダウントン・アビー」の日本公開が2020年1月10日に決まったそうです。

映画化されるという情報は数年前に伝わったものの、撮影を含めてその後の消息がとぎれとぎれにしか伝わらず、一時は本当に完成するのか、と思われていた時期もありました。アメリカでもオーディエンスの反応は大変良いそうです。

このブログでも5年ほど前から、テレビ放送の感想を何度か書いていますが、見返してみるとシーズン5から後の記述がないですね。シーズン5は2017年のたしか1月から春にかけて、シーズン6は2017年5月から夏にかけての放送です(ウィキを見ても国内放送日の記録はないようです)。

この頃のことでよく覚えているのは、シーズン5が始まった時期がちょうど実家に仮住まいしていた時期と重なり、実家にレコーダーがないので見ることができなかったことです。最初の2話ぐらいをディスクに落として、ポータブルプレーヤーで見たりしていましたが(いまだとスマホとかで見られるのでしょうけど)、いずれにせよ気分的にドラマ見るという状況ではなかった。シーズン6は現宅に転居した直後に始まったのですが、実際に見たのは放送終了後、夏にまとめてだったと思う。
 
NHKの放送は2014年から始まっていますが、この2014年から17年にかけての期間は、個人的には家族を取り巻く状況が大きく変わった時期にあたります。そう思えるのは、ちょうどシーズン1の集中再放送ののち、シーズン2が始まったころ(ダウントン・アビー - うさぎくん)と、家庭で問題が生じた時期がちょうど重なったからでしょう。
それからしばらく、あのちょっと切ない感じのタイトル曲や、時代と世代が移り変わる様子を描くドラマの内容が家の事情と重なり合い、タイトル曲を聞くたび、古き良き時代が去っていくドラマの描写を見るたびになんだか苦い思いを感じていました。

5年前の自分の記事をちらちらと見返してみましたが、いまより5歳若い自分が、その時の自分なりに色々一生懸命考えているな、と。色々身の回りが変わったので、確かに隔世の感はあるな。それと、アルもココもまだ子供子供している。。
それから、時代や社会も確実に変わりました。時代が変わるのは何も1920年代だけじゃないですね。

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すずさん

2019年08月03日 | 映画

このPVのバックに流れる「悲しくてやりきれない」きいただけでも涙が出そう。。NHK地上で3日夜に放送されたのですが、数日前その宣伝のため、駅の地下道にあるデジタルサインボードに、すずさんの右半身の姿が大写しになっているのをみて、ああ・と。
 
何があれかというと、僕はすずさんになにもしてあげられないから。立派な水兵さんになった水原哲が北條家を訪ねたとき、周作は当主として毅然とした態度を取りかつすずの気持ちをおもんばかりながらも、後まで心に何かを残した。
世の中にはそういう種類の思いが存在する。

たぶんこうのさんは描かないだろうけど、できれば昭和30年ごろの北條家の様子を見てみたい。なるべくたのしいやつ。
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イージー・ライダー

2019年03月17日 | 映画

1969年アメリカ 日本公開は1970年

前回の記事では80年代の日本のビジネス社会で活躍された城山三郎氏を取り上げ、懐かしい世界、と書いた。裏を返せば昔、日本の経済が隆盛を誇っていた(半面、他国に比べ共通の問題を抱えていないことに戸惑いを感じていたような)時代と、今日の日本のビジネス社会は、形の上では昔を引き継いでいるが、実質的には人の資質、考え方ともにかなり変貌しているということなのだと思う。まあ昔の人たちが、随分と贅沢な悩み方をしているようで羨ましい、といいたくなるが、そんなことを言ったら城山先生から雷を落とされるかもしれない。

今日ここで取り上げる映画、イージー・ライダーも、今日のアメリカ社会とはまた違う、アメリカ社会の物語だ。解説でデニス・ホッパーが語っているが、これを撮影した1968年ごろのアメリカというのは大変な揺籃期にあった。ホッパーいわく、そのころは誰もが平気で法律違反をしていたんだ、ということだが、そのころの社会状況というのは、ちょっと想像がつかない。

いわゆるアメリカン・ニューシネマというのは、僕等よりも上の世代の人たちが影響を受け、ラジオなどでよく語っていた。僕らはだいたいスターウォーズぐらいから映画を見始めたので、世代のギャップを感じるのは確かだ(あくまでも個人的な視点ではあるが)。なので、それほど多くの映画は見ていないけど、「卒業」なんかはわかりやすかったし、「俺たちに明日はない」なんて、かなりインパクトあったな。。

それらに比べるとこの映画はすこしわかりにくい・。主人公たちが「自由」な存在なことは理解できるとしても、それを地方の住民が憎悪して闇討ちにしたり、銃を放ったりするというのは、感覚的につかめないものがある。

この映画のカギは、若手弁護士のハンセンがビリーに向かって語った「自由を語ることと自由であることは別なことだ。」という言葉なのではないかと思う。ワイアットやビリーは自由の側にいるが、彼らが出会う人々の多くはそうではない側、自由を束縛され、互いを監視しあいながら日々の生活を送っている人たちだ。そこには対立構図があるように思える。が、今日の我々が、どの程度そうした視点にシンクロできるかというと、どうだろう。多くの人たちは、自由と束縛を対立させずに、適当なところで折り合いをつけてしまっているのではないか。自由と束縛との間に、適当な距離感を保っていく姿勢となると、だんだん村上春樹じみてくる。話は飛ぶが、この映画を見るきっかけは「世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド」の「私」が、『自己を変革するための訓練として』、『イージー・ライダー』を3度も観た、と語っていたから。

よくネットで出てくるブラック企業というのは、僕にはどうも理解できないことが多いのだが、時折語られる理不尽に人を束縛する管理者たちは、映画に出てくる田舎の保安官や農民たちと似た感覚なのかもしれない。。そういう意味では、今も自由と束縛の間との対立はあるのかもしれないな。。


ネットといえば、この方に係る事件がきっかけで、出演した映画や音楽作品の回収や出荷停止等が行われたことに対し、(少なくとも僕の見る範囲では)批判が相次いでいる。曰く過剰反応だ、音楽作品に罪はない、など。

ここで単純に対置させるのは適切ではないかもしれないが、「イージー・ライダー」って、主人公がコカインの密輸をしたという話だし、ピーター・フォンダもデニス・ホッパーも、ジャック・ニコルソンも映画製作中に服用していたようなことを映像ドキュメンタリーで語っている(ああいうのはいっていいのかしらん)。ホッパーいわく、あの頃はみんな法律違反を平気でしていたんだ、ということなら、まあやはり今とは時代が違うということなのだろう。

ごじらはこれからも大切に見ていきたい。。

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翔んで埼玉

2019年03月07日 | 映画

・・・今日は夕ご飯に鯖のムニエルを作ってみましたが、お見せするような代物ではないとはいえ、おいしかったです。部下の子と鯖の話をしていて、なんだっけあれ、DPA?とか言っちゃいましたが、DHAとEPAでしたね、栄養素。よくわからないけど、いま鯖、缶詰の生産が間に合わないほど人気があるんですよね。。なんで急に人気がでたんでしょうね・。

無駄話はこのくらいにして、映画です。

この、サイタマdisりというのは、30年以上前に世間をにぎわしたことがありましたが、なんでまた今、話題になるのか、これもまたよくわからないですね。。

ただ僕にはこの話題、とても馴染み深いものがあります。僕も中学の時、白鵬堂学院のような東京屈指の名門校(ここ笑うところ)にサイタマから通学していて、Z組の生徒たちのように虐げられていたから(笑うところです)。

学校は山手線の某駅にありましたが、生徒たちは山手線から郊外に延びる国私鉄沿線に住んでいる子が多く、生徒たちはその路線によって序列を決めるようなことをよくしていました。中学生だから、そういうことには結構シビアというか、あれですよ。。

〇う〇こ線とか、〇だ〇ゅう線とかの子は肩で風切って歩いてましたし、ち〇う〇う線の子なんか、かなり郊外の駅でも威張っていられる。。これが〇い〇線になると、評価が微妙になってくる。ただ、当時〇い〇鉄道はホテルとか観光事業でイメージアップを図っていて、勢いがありましたから、沿線住民もなんとなく胸を張れる感じがありました。悲惨なのは〇う〇ょう線の子たちで・・ああ、思い出すのもつらいわ・・(ここ泣くところです・鳴くんじゃないですよ)。。

ちなみにこういう路線別評価法だと、大塚とか日本橋馬喰町とかに住んでいる子は評価不能になってしまって、序列がつかなかったですね。。あと、学校の裏に住んでる子とか・。

そういう暗い体験を持つ者にとってこの映画は、結構身につまされるものが。。

そうだ、また思い出したけど、千葉とサイタマのdisりあいというのも、実体験があるわ。学生時代、両国のパン工場でバイトしていた。地理的に千葉方面から来る従業員が多く、サイタマの人は珍しかった、というより僕一人だった。少し仲良くなった正社員の女の子に「えー、サイタマなの。あたしも千葉だけどさ、でもはっきり言って絶対負けてると思わない?千葉は空港もあるし海もあるし・・」え~、そんなこと言われたの初めて、とびっくりした記憶がある。。

そう、映画の感想だったね。。でも、先日旧友たちと話した時も話題になったけど、これを例えば関西の人が見て、その辺のニュアンスわかるのかな、というのはある。魔夜さんもどこかで言ってたけど、サイタマだからこれが成立するのであって、これが京都とかdisったら、ただ事では済まないかもしれない。

その流れで言うと、映画作ってる人も気が引けるのか、後半になって一生懸命フォローしようとしているところがまたおかしかった。ショッピングモールもたくさんあって、住みやすいですよ~、みたいな。大丈夫だって。おこりゃしないってば。

あと、あれですねえ、サイタマといっても広いから、春日部とか草加といわれても、あんまり自分のこと言われている気がしない、というのはあるな。もっとも、千葉なんかもっと広いですからね。木更津と船橋と柏じゃぜんぜんちがうでしょうし、どこの県でもそれは同じか。

まあしかし・・、何といったらいいのか・・面白かった。

 

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ボヘミアン・ラプソディ

2018年12月22日 | 映画

人に会うたびに、あるいはSNSなどでもたびたび話題になっていた映画ですが、今日ようやく見ることができました。映画を映画館で見るのは2年半近く前の「シン・ゴジラ」以来です。今回も何度か見る機会を探していたのですが、週末ごとに体調が悪く(というより、ウィークデーは棚上げしていただけ)、なかなか行く決心がつかずにいました。。

チケットを買って席につくと、自分がなぜ映画に行けなかったかを思い出した。外部と連絡が取れなくなることが怖かったのだ。家の件が問題になって以来、映画と美術展等には足が向かなくなっていた。コンサートは付き合いもあるので何度か行ったが。

映画ですが、すごくいい、泣いた、などと言われていたので、見る前からドキドキしていましたが、泣くことはなかったですね。。活躍期をリアルタイムで知ってはいますが、ちょっと守備範囲にはなかったみたいで、それほど詳しくはないんですね、クイーン。映画を称賛している方々は、畢竟このバンドのファンの方々なのでしょう。僕も今更ながら感染して、さっきベストアルバムを注文してみました。。

とはいえ、映画そのものの出来もかなり良いので、この時代の音楽が好きな若い人にも受け入れられるでしょう。結構若いファンも多いのではないですか、クイーン。

今の住まいは映画館(スーパーのシネコン)から数分のところにあるのですが、ここで映画を見たのは今回が初めてです。9時半の始まり、深夜0時終演でしたが、きっかり0時10分には家にいました。

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