午前中に日光市街地を見学後宇都宮駅へに戻り、大谷観光一日乗車券を購入。バス往復料金に大谷資料館、大谷寺の入場券・拝観券とをセットにしたお得なチケットです。8月に笠間市稲田の石切山脈を訪れた際、民放テレビ(BS)で石切山脈が紹介されるという情報を頂いたので早速見たところ(夏休み中)、栃木から茨城にかけての紀行番組の中で大谷資料館と大谷観音も紹介されていました。番組では宇都宮からすぐという印象でしたが・・・
宇都宮駅から東武宇都宮を経由してバスで約30分、大谷資料館前に到着しました。大谷石の採掘場跡が公開されている資料館に入ります。大谷石は宇都宮市大谷町付近一帯から採掘される流紋岩質角礫凝灰岩の総称です。宇都宮市の中心より北西約7Kmの大谷町付近に、東西約2Km、南北約4Kmにわたり、うすい緑色の凝灰岩として所々に露出していて、採掘区域は東西約3Km、南北約6Km及ぶそうです。大谷石の分布は、東西約8Km、南北約37Km、地下200m ~ 300mの深さにわたります。そして埋蔵量は10億トンと推定されています(大谷資料館HPより引用) 。
さっそく階段を下り大谷石地下採掘場跡へ入場。まるで巨大な冷蔵庫の中の地下神殿です。
この地下採掘場跡は1919年(大正8年)から1986年(昭和61年)までの約70年をかけて大谷石を掘り出して出来た巨大な地下空間。広さは2万m2 (140m×150m)、深さ30m、最も深いところで60mにもなります。坑内の年平均気温は8℃前後。訪れた6日は残暑厳しく宇都宮では真夏日となりましたが、構内の温度計は12℃を指していました。2000m以上の山に登らなくても、ここへ来れば天然の涼しさを満喫できます。
石肌には手堀り時代のツルハシのあとが残っています。手堀り時代には、150Kgもある石を1本1本背負って採掘場から運び出していましたが、機械化後の現在では、モーター・ウインチにより、巻き上げられています。輸送方法も、筏、馬の背中、馬車、トロッコから、鉄道やトラックへと変わり、今ではほとんどトラック輸送が中心となっています。
こちらは機会堀りのあとです。
ところでこの採掘場跡は、戦争中は地下の秘密工場として、戦後は政府米の貯蔵庫として利用され、現在ではコンサートや美術展、演劇場、 地下の教会として、また写真や映画のスタジオとしても注目を集めているようです。
今年の12月には華道家假屋崎省吾の世界展華寿絢爛in大谷資料館が開催されます。
ドンペリが展示されていました。ドンペリニョン「P2-1998」の日本発売前日にここでお披露目会が開催されたそうです。
野球場が一つ入ってしまうほどの巨大な地下空間です。ここから約1000万本の石が切り出され日本全国に出荷されました。
これは石の華の名残でしょうか。白い結晶は、大谷石に含まれる塩分が冬場の乾燥した時期に噴き出るもので、夏場の占めた壁面では消滅する不思議な現象と説明されていました。
見学が終わってから外に出ると別世界。まるで蒸し風呂です。
姿川沿いにある大谷景観公園です。大谷石がむきだしの岩壁が続き、この崖は御止山と呼ばれ国指定名勝にもなっています。大谷地区ならではの迫力ある景観です。
近くに奇岩があるので寄り道してみました。亀岩です。
ラクダ岩です。
続いて、もう一つの目的地である大谷寺へ向かいます。