60歳からの視覚能力

文字を読んで眼が疲れない、記憶力、平衡感覚の維持のために

ひと目で読める範囲

2006-05-11 23:22:48 | 文字を読む
 文字を読む場合ハッキリと見えるのは眼の中心窩でとらえられる7文字程度といいます。
 その周辺はハッキリとは見えないのですが、そのようには意識しないで見えているような感じです。
 しかし中心から視線を動かさずに、周辺にある文字を読もうとするとハッキリと読み取ることは出来ません。
 図のようなぼやけ方とは感じが違うのですが、輪郭がハッキリしないため読み取ることが困難になっています。
 ハッキリと確認することが出来なくても、おおよその形はわかるので、それが手がかりとなって周辺の文字を読むことが出来る場合があります。
 このとき、ひと目で見て分かる文字数は倍以上になったりします。
 知らない文字や、なじみが薄い上に複雑な文字は読み取ることが出来ませんが、文章の流れを把握していれば、脳が補完して読み取ることが出来ます。
 一つ一つの文字の細かい部分を見極めて読んでいるのではなく、おおよその形をアタマで記憶しているイメージと対照して読み取っているのです。

 「顰喧黷褻蹙欒魑魅髑魍黔魎猥碍囂黜鸚驂」のようになじみのない文字が並んでいる場合であればひと目で見ることは出来ても、詳しく文字を見分けようとすればひと目では7文字どころか5文字も難しいでしょう。
 ところが「お婆さんは川に洗濯にいきました。そして」というような文章であれば、全部ではなくてもほとんどひと目で読むことが出来ます。
 
 同じぼやけるといっても、漢字と仮名では仮名のほうが形が簡単でなじみがあるので認識しやすいので、注意を集中しなくてもすみ、周辺視野にあっても読み取ることが出来るのです。
 図の下のように文字を小さくしていった場合でも、漢字部分は読みにくくなっていって見分けがつきにくくなりますが、ひらがなの部分はかなり小さくなっても読むことが出来ます。
 そこで漢字の振り仮名に使うルビは漢字に対してかなり小さいのに使われているのです。

 漢字かな混じり文は漢字と平仮名で読み取りやすさが異なるので、文字列に抑揚が出来分かち書きをしなくても文節が把握しやすく、漢字に注意を集中していくことで意味が理解しやすくなっています。