小さな黒点を結ぶと平行四辺形となるのですが、そういわれても信じられない人が多いと思います。
ここで小さな黒点の配置を見分けようとせずに、横にある大きな円に注意を向けて見ます。
大きな円の配置はランダムですが、大きさが同じで、近くにあるので四つともひと目で見て取ることが出来ます。
たとえば左下の円に視線を向けても一番右の円まで視野に入りますし、ましてまん中の円に視線を向ければ残りの三つの円は同時にハッキリと見て取れます。
このときふと小さな黒点を見ると四つの点は平行四辺形の角の位置にあることに気がつきます。
大きな円を注視して、ついでに小さな黒点を見れば見え方が変わって平行四辺形の角の位置にあることが分かるのです。
比喩的にいえば、細かい点に注意を奪われていると本当の姿が分かりにくくなり、大局的に見れば正しい姿が見て取れるということになります。
部分的な見方にとらわれすぎず、全体的に見れば本当の姿が分かるというようにも言えますし、左脳で見るだけでなく右脳で見なければ判断を誤るというように説明することも出来ます。
大きな円を見る場合は、形が同じでハッキリしているので記憶しやすく、ほかの円は眼の中心で見なくても、よく見えているような気がします。
まん中の円に視線を向けてみれば、残りの三つの円は少し周辺になるのでややぼやけて見えているはずなのですが、同じ形の円なので記憶と結びつき、ハッキリ見えているような気がします。
ハッキリ見えているような気がすれば、ほかの円がどんな円か視線を動かして見比べる必要がありません。
一つ一つにむけて眼を動かさずに、ひと目で全体を見渡せることが出来るので、結果として大局的な見え方が可能になるのです。
小さな黒点に注視を向けた場合は、どうしても位置の手がかりを傍の大きな円に求めてしまいます。
そうすると大きな円が整列されていればいいのですが、ランダムに配置されていると小さな黒点の配置もゆがんで見えてしまうのです。
ちょうど子供が悪い大人の傍にいれば、よいほうに感化されるのに、悪い大人の傍にいれば不良化するというような感じです。
大きな円に注意を向けて見るというのは、一つの方法で、要は視線を動かさずに、ひと目で全体を見ることで全体の配置がつかめるということです。
つぎは応用例で、右下の図は右下がりに見えますが、本当は水平です。
この場合は上下一対の黒い四角形を一つの図形として見て、このパターンが並んでいると考えます。
この一対の四角形をよく見て記憶してから図の左から三番目とか四番目の対の四角形に注意を向けます。
そうすると左右にある四角形の対は、同じ形の図形で記憶と結びついているので、視線を動かさなくてもハッキリ見えます。
このとき図形全体は右下がりでなく水平に見えるようになっています。