海杉ブログ 木材を中心に書き残したいことを投稿します

日々、気づいた事、エクステリアウッドのテクニックを書き綴ります。やりたい時、書きたい時だけ、疲れるので笑笑

養豚と木材業

2007年10月14日 08時16分48秒 | 木材
地元の新聞「宮日新聞」の地域(日南・串間)版で「どうする養豚悪臭」と言う企画記事を読んだ。

丁寧に足で稼いだネタを上手く構成している。

落としどころは、見えていたが、前半に何故養豚業者が悪臭をはなっているのかを社会背景を含めて書いて欲しかった。後半に社会背景を描くとどうしても、養豚業者の優劣を悪臭だけで決められてしまう結果になるからだ。

取材をして勧善懲悪の記事も良いが、地元特集での気遣いが、欲しいところだ。

落としどころが見えていたという話は、良い事例があるということがはじめから見えているということだ。起承転結にまとまった特集だろうと予測が立つ。

社会背景に安い豚肉が大量に輸入されるために養豚業者が規模を拡大したためとある。木材業界と同じ背景を持ち出している。安く大量に生産しなければ、生業が成り立たなくなると言う理論だ。

しかし、それだけではない、消費者や行政がさまざまな見えない縛りを養豚業者に押し付けてきた背景がある。「食の安全」このひとつをとっても「トレサビリティ」「口蹄病」「黒豚偽装」「各種ブランド化」などさまざまな費用を生産者に強いる体質がある。

行政が指導しやすいのは、生産者であって消費者には、なかなか指導は出来ない。行政のシステムに消費者を指導するノウハウは持っていない。

ここで本当は、消費者に情報を伝えるマスコミがやらなければならないのだが、今回の特集記事のようにどうしても優良事例の発表会で終わってしまう。優良な生産者の真似をすれば問題は解決すると消費者に短絡的な判断をさせてしまいかねない。当然生産者にも努力も必要だが、さまざまなノウハウが企業の生き残る道であってそう簡単に切り替えられるものではない。

木材業も同じである。設備を大きくしなければ、つぶされると言う幻想から施設の拡大を計って来た。多くの森林組合は、構造改革の名の下に製材所を造ってきた。しかし、製材所には、常に最新の設備を導入しなければ、生産量と価格への対応しきれない当たり前のことが理解されていなかった。減価償却だけでない。施設の老朽化をどう乗り切るかが企業のノウハウだった。設備をリニューアルするためのノウハウは誰も教えない。

必ずマスコミは、小さくても良い事例を見つけるだろう。地域の人と一緒になって良いモノを吟味し、喜ばれる材料を生産する製材所を・・・。

海杉は、何が正しいかは、生産者自身が決めること。但し、良いモノを見抜く目をもってマスコミがきちんと調べ、消費者に正しい選択をさせることが大切で誘導はいけない。あくまでも第三者・中立に徹するべきだ。

良いモノを見抜く目は、単独の記者では、怖いと言うことも付け加えておこう。