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橋下の政治センス

2011-12-05 01:00:00 | 備忘録

(元ラグビー高校生日本代表候補)

大阪ダブル選挙に大勝した橋下徹。
混迷する日本の政治で一挙に台風の目になりそうだ。

自由競争の信奉者で改革派、既得権益層への挑戦、ということで小泉さんを惹起させる。
敵を作ることで支持を拡大する手法も似ている。
当然、これに対する反発も多い。

当ブログも常日頃、改革、競争、成長を追い求めるやり方には批判的だ。
お気に入りの内田樹は平松陣営の応援団だし、敬愛するコラミスト小田嶋隆も橋下に警戒感を隠さない。

「維新」「改革」「小さな政府」「新自由主義」「市場原理」「政治主導」「官僚支配の打破」「教育改革」といったキーワードがこれからしばらくの間、
力を持つ可能性があるわけで、これは、案外大きな分水嶺かもしれないのである(小田嶋隆)。

小さな政府を目指す橋下は対米従属の「みんなの党」に近い感じがする。
しかし同時に亀井、小沢とも連携する気配もある。
橋下が対米従属の新自由主義者かと聞かれるとそうでもない気もする。
要ウオッチというところでいいのではないか。

今日は橋下の思想でなく政治手法と政治的センスの話だ。
小泉のコピーと切り捨てるのはいささか片手落ちかも知れない。
余談だが「片手落ち」を差別用語だと非難するメディアもあるとか。
バカ(これも差別?)そこまで行くと芸術だ。

橋下の政治センスの話だ。

大阪都構想なるもので闘った橋下さん。
しかしながら、どうやらこれは方便のようだ。
以下の維新の会インタビューでもわかる通り「実現に向けて制度設計はこれから」とやる気は窺えない。

それより「既成政党が協議に応じない場合、次期衆議院選挙で近畿圏に候補者をどんどん立てる」の発言通り、
この人の視野に入っているのは国政だ。
元々、自民・公明の全面支持によって知事になった橋下。
政権交代で民主に接近、その後微妙に民主からも距離を置いている。

既成政党の相乗りが裏目に出た平松陣営。
これに対し地域政党の旗揚げで一挙に国政における存在感を示した。
「政治は数だ」と語る橋下。

平松大阪市を敵に設定しての勝利だ。
閉塞感の中から大きなうねりを創り出すことに成功した。
しかし勝利と同時に大阪市議会に「ノーサイド宣言」。
現実的な政治家だ。
次は国を批判して更に数を増やす。

この政治手腕に着目したのが石原親子。
彼らの裏切りに自民は足を引っ張られた。
ただのバカじゃないのかもしれないな、この親子(笑)。

来年の衆議院選挙では政界再編成が肝になる。
今の衆参ネジレがあっては政治は動かない。
占領軍の後ろ盾を失い法案成立の力を失った日本は保守合同で安定政権を作った。
協力したのは「政権を狙わないガス抜き政党」の社会党だ。
大成功した日本株式会社の始まりとも言える。

その手法が再び成功するとは思えないがネジレ解消は日本にとって重要な政治課題だ。
それをもたらすかもしれない政界再編。
小沢と共に橋下がキーパーソンになりそうだ。

元TBS記者の田中良紹によれば今回の選挙、平松陣営の重大な作戦ミスだった。


先ずは「独裁者批判」。
既得権益支配からの脱却が国民(府・市民)の願いだ。
変革に必要なのはリーダーシップ。
それを否定しては選挙にならない。

そして文春・新潮を使っての怪文書作戦。
ヤクザ疑惑や出自の中傷。
「野中広務的手法」と言うらしい。
これが裏目に出て却って橋下へのうねりを呼んだ。

そして橋下の大阪都構想。
実現する気はさらさらない。
しかし大阪人のコンプレックスに火を付けた。
吉本の芸人は皆東京在住。
関西発の財閥も東京に本社を移す凋落ぶり。

政党を立ち上げ一挙に政界再編製のキャスティング・ボートを狙う橋下。
この人、政治センスは抜群なのかもしれない。
暫くは目が離せない。

大阪ダブル選:橋本「独裁」は吉とでるか凶とでるか
自民党は石原親子に足を引っ張られた?

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