都月満夫の絵手紙ひろば💖一語一絵💖
都月満夫の短編小説集
「出雲の神様の縁結び」
「ケンちゃんが惚れた女」
「惚れた女が死んだ夜」
「羆撃ち(くまうち)・私の爺さんの話」
「郭公の家」
「クラスメイト」
「白い女」
「逢縁機縁」
「人殺し」
「春の大雪」
「人魚を食った女」
「叫夢 -SCREAM-」
「ヤメ検弁護士」
「十八年目の恋」
「特別失踪者殺人事件」(退屈刑事2)
「ママは外国人」
「タクシーで…」(ドーナツ屋3)
「寿司屋で…」(ドーナツ屋2)
「退屈刑事(たいくつでか)」
「愛が牙を剥く」
「恋愛詐欺師」
「ドーナツ屋で…」>
「桜の木」
「潤子のパンツ」
「出産請負会社」
「闇の中」
「桜・咲爛(さくら・さくらん)」
「しあわせと云う名の猫」
「蜃気楼の時計」
「鰯雲が流れる午後」
「イヴが微笑んだ日」
「桜の花が咲いた夜」
「紅葉のように燃えた夜」
「草原の対決」【児童】
「おとうさんのただいま」【児童】
「七夕・隣の客」(第一部)
「七夕・隣の客」(第二部)
「桜の花が散った夜」
奈良時代の貴婦人の正装に「領巾(ひれ)」と呼ばれた薄くて長い布がありました。これは天女の羽衣にみられる、肩から両腕にかけるものですが、もともとは神に奉仕する時にのみ用いられていたものです。
昔の女性は、これを振って神の魂を奮い立たせ、神を呼び寄せようとしたのです。つまり「領巾(ひれ)」は呪いの道具で、その呪いの儀式は「魂振り(たまふり)」と呼ばれていました。
神社で柏手を打つのも、鈴を振るのも、神輿(みこし)を揺さぶるのも、空気を振るわせることによって心霊を鼓舞しようとするもので、いずれも「魂振り(たまふり)」の儀式のひとつだそうです。
やがて、この「魂振り」は、神に対してだけでなく、人に対しても行なわれるようになり「万葉集」には、恋人に向けて袖を振る歌が多く残されています。
領巾(ひれ)振・る
領巾を振る。女性が人を招いたり別れを惜しんだりするようすの形容。
「見渡せば近き里廻(さとみ)をたもとほり今そ我が来る―・りし野に」〈万・一二四三〉
大辞泉
恋心から、相手の魂を引き寄せるおまじないが袖を振ることだったわけです。
その効果を高めるために、袖はだんだん長くなっていきました。それが、「振袖」です。
「振袖」が晴れ着として広まったのは江戸時代に入ってからです。特に良家の娘は袖の長い着物を着ていたようです。
また振袖にはもうひとつ「長い袖で厄を振り払う」という意味もあります。特に19歳は女性の厄年。さまざまな災難や病気などから身を守るため、長い袂で厄を払いたまえと、神仏に参拝したことが振袖の始まりです。
この習慣が現在の成人式に繋がっています。成人した娘さんたちはこのことを知って「振袖」を着ていたのでしょうか。
日本人が「いってらっしゃい」と手を振るようになったのは、別れの挨拶ではなく、もともとは「魂振り」の意味合いから行なわれていたのだそうです。
昔の人は旅立つ人に手や袖を振ることで心霊を招き寄せ、その心霊の加護によって安全な旅ができるように祈っていました。そして、それが今も残っている「いってらっしゃい」と手を振るのは、「袖を振る」行為だったのです。
したっけ。