蕃神義雄 部族民通信

レヴィストロース著作悲しき熱帯、神話学4部作を紹介している。

イザベラは空を飛んだ 第6回

2010年11月11日 | 小説
イザベラのHP掲載、好調に進んでいます。本日6回めの掲載を案内します。
PDFで23頁、原稿用紙63枚分。永いのでブログには掲載できません、部族民通信
のHPに飛んでください。左ブックマークをクリックです。

6回目のあらずじは、

伊藤が読み上げる筈のリストラ指名者、しかし手が震えて読めない。
常務藤森が用紙を取り上げ、読み始める。
本文から
>リストラ三人の指名が終わった。さらなる特別の一人を予告していたのだが、その四人目の名の前を前にして、藤森はしきりに首をかしげた。口元が不器用にまごつき、その名前が出てこない。コップの水を飲み一旦おいて、気を取り直したか藤森は一気に「伊藤ノブヒコ」と読み上げた。
「役員さん、今なんて言いました。三人目までは良く聞こえた、全く持って立派な選択ですな。育ててやろうとした私だって、奴ら三人にはうんざりですわ。大事なときに必ず失敗する間抜けですよ。 
最後の一人の名が聞き取れなかったのですが。誰ですかな、四人目の馬鹿とは、楽しみなのではっきり言ってくださいな、きっとケが付くはずです」<

なんと伊藤がリストラされたのだ。
しかし彼は起死回生の手段でひっくり返し、ケイジにリストラをなすり付けた。
さて場面は変わって5章 甲州街道駅のコンビニの駐車場
販売車でたこ焼きを売るのが良子である。その目の前で浮浪者がサチコのカンフー蹴りを喰らう。あわてて飛び出す良子、

>サチコが「私のトリプル蹴りをまともに喰らったおじさんは、その場でバタンキュウよ。だけどこの人、息吹き返して今幸せそうに眼を閉じている。フツーの人ではないわ」
 その時ケイジが両の掌、二本の指をヴィマークに開けて答えた。眼を閉じながらも会話を聞き逃さない。店長は聞き耳を立てる男に、そしてその指先マークに、さらに苛立った。良子に向かって
「おい良子よ、気持ちだけはしっかり持つんだ。聖とか修験者なんかがどこから湧いてきたのだ。丘の上には真言の寺も権現の社だってない。駐車場前の階段の先にあるのは、とっくに廃れた小稲荷だ。そんな場所から聖(ひじり)やら験者が出てくる理屈がない。きっと社に昼寝の宿借り、ただの喰いはぐれだ…」<
と良子を叱責する。

良子も店長も職場復帰した。しかし駐車場には3人の兵士の休戦監視体制ができあがった。

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