蕃神義雄 部族民通信

レヴィストロース著作悲しき熱帯、神話学4部作を紹介している。

イザベラは空を飛んだ 第5回(後半)

2010年11月08日 | 小説
先週11月5日に5回前半のHP掲載をお知らせしました。後半の案内です。
PDF9枚、原稿用紙換算23枚と短いので1回で読み切り可能です。

後半(3章事業所、緊急の会議)は舞台が現代に戻ります。ケイジの勤務する会社の府中事業所。
休み明けの火曜日の朝、
部長(伊藤)が額にバッテンの絆創膏を張って出社してきました。頭が痛い、それでも俺は働くんだと、これみよかしの喋りまくりですが、アルバイト女性が「アルバニアの貫通頭」と笑いました。
本文から
>男が頭に鉄砲弾を受けた。しかし幸いなことに、その弾が後頭部から抜けたんです。本当に幸いな事は抜けた銃弾ではなく、その人の脳髄だった。彼は死ななかった。
一時的に気絶しただけで、しばらくして起きあがった。額に、全く部長さんと同じ位置、同じ形状の十字絆創膏を貼って、十字交差する中央が膨らむのも同じ。
彼は幸福の人生での不幸と悲しみ、そして不幸な事故での幸福だと喜んだ<

頭が軟弱ほど生き残れる、お堅い頭の持ち主は死ぬなどの会話のあと玄関が騒がしい。常務(藤森)が抜き打ち訪問して、緊急会議を開く。リストラの通告です。

>藤森の目付きに気付きながらも、伊藤は読み上げに入らない。手先の震えで、書面までがブルブル震え、内容を読む事はできない。そしてブルブルと独り言を吐いた。周囲を取り巻く部員達にも聞こえる声の大きさであった。
「いつもこんな重要なタイミングでへまをするんだ。何でこんなに手が震えるんだ。名前が読めない、これでは俺が対象になってしまう<

今世紀初めにいろいろと喧伝された経営者ジャックウエルチ氏の経営哲学批判も入れています。
ウエルチ哲学はリーマンショックで影も形も無くなりましたが、その頃の風俗そしてリストラの悪見本として取り入れました。

全文は部族民通信のHPです、よろしくVisitしてください(左のブックマークから)

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