(11月9日)
前回投稿(11月7日)ではレヴィストロースの問いかけ(IsomorpheVSheteromophe)で躓いてしまった。iso/heteroの区別はしたものの、その概念を2の神話群の対照に導入するのに脳血流がぶち切れたようだ。前回の>異質とする処とはその発端が(母系内部の放縦性=対=姻族同盟を要求する俗神)に分かれている点である<の解釈は引き下げて白紙から再スタートする。
言葉の定義について変更は無しで=isomorpheは異質同像、heteromorpheは同質異像。レヴィストロースはもう一対の概念を導入している。それがsupplementaire / complementaire,この意義を片付けてから再スタートしよう。
勝手解釈ながらcomplementaire(補完的)とは1の思想を1の実体で比定するが「さらに別の実体を引用して補完的に説明する」としよう。supplementaire(補充的)はこの真逆なので1の実体を1 の思想で説明して「さらに別思想で補充する」とする。分かりやすく書けば「彼女は美しい(思想)、それは目は澄んでいる(1の実体)のと色白(別の実体)だから」これがcomplementaire。「彼女の目は輝く(実体)、それは美しさ(思想)と優しさ(別の思想)を兼ね持つから」これがsupplementaireとする。
2の神話群(鳥の巣あらしと豚の起源)を構造主義的に3の分節(articulation)、それぞれの実体と思想を表にした。掲載のデジカメを参考にしてください。
鳥の巣あらしはヒーローが母と相姦し、父に謀られ樹上に取り残され、トカゲを生食ながらもハゲワシについばまれ、霊となって村に戻り復讐する(父も母も殺す)があらすじ。そのarmature/scheme(骨格とスキーム)はnature→cultureです。自然(生食い)から文化(火の使用)にのスキーム。(掲載図では左の最下段)
natureには自然の意以外に気まま、放縦、連続が強いと以前の投稿で説明しました。cultureは文化よりも介入、不連続となります。すなわち放縦から脱出し、介入に移行した人間社会を叙事にしている。スキームの一段の下層では(表で真ん中)gustatif(味覚)をcodeに取り、生喰い食い過ぎ鳥の糞まみれなどのあと、火を獲得して調理(介入)の文化に入ってゆくsequencesシーケンスが並ぶ(この過程が本書Le cru et le cuitの題名に取り上げられた)。最下層の登場人物とpropriete(特質)では、母子姦、父への反逆、インコの雛を石に変えて投げつけるなどの行動を通してヒーローの母系社会に執着する思考をあからさまにしています。連続を願う思想です。
(表は同書105頁記述を参考にして投稿子が作成した)
表の右側、野生豚の起源に入ります。
最下段にスキーム、culture→natureとあります。人が豚に変身する顛末。中段ではcodeに聴覚(ouie)を取り上げています。Elementの段では俗神のproprieteとして文化、介入を上げる。一方で姻族側(姉妹の嫁ぎ先)は自身の連続性に拘泥し、俗神の介入(不等価交換の催促)を拒否する=自然、放縦=をを優先している。
この2群の神話にはiso/heteromorpheとsupplementaire/complementaireの対立があると尊師は指摘した。ここまでがおさらい。この表をもとにして2群の神話の対立を浮かべる。まず、isomorphe/supplementaire異質同像から考える、そしてそれが補充関係とは;
1 母子姦の結果、夫婦(ヒーロー父母)の同盟=が破壊された(鳥の巣あらし)。野豚神話では兄(俗神)の不等価交換を拒否した(姉妹)は血族を忌避し、同盟(夫)の連続性を優先した。優先は血族か姻族かこれが異質。
2 結果はいずれも連続性の破局、鳥の巣ではヒーローは母系集団から隔離され、野豚では姻族の一統は豚に変身させられた。
3 継続性の実践(これが実体)は血族連続の論理、そして血族排除の思想(兄を侮辱した姉妹)いずれでもあり得る(supplementaire)
もう一方のheteromorphe/complementaire=同質異像、補完関係とは;
1 codeにcategorie empirique(経験則=序曲1の1行目)を採用し、いずれも連続性(自然、放縦)の展開(codage)を見せている。ヒーローの生食、処構わずの唸りと交合。これは同質。
2 鳥の巣あらしではヒーローが火を持ち込んで介入の社会(culture)を創造したのに比べ野豚神話では人が放縦(nature)に貶められた。(異像)同種の行動でも結果は真逆。
3 nature/cultureの移行、逆行(思想)には同盟の破局(鳥の巣)、血族の忌避(野豚)の両の起因がある(complementaire)。
母子姦(成人の後は母社会から隔離される)、父への石つぶて(子は父と異なる支族)、兄を侮辱する姉妹-これらの背景にはmatrimonial/matrilocal(=女系社会、女系居住)の軋轢が指摘される。
神話と音楽 第二楽章良き作法のソナタ6の了
前回投稿(11月7日)ではレヴィストロースの問いかけ(IsomorpheVSheteromophe)で躓いてしまった。iso/heteroの区別はしたものの、その概念を2の神話群の対照に導入するのに脳血流がぶち切れたようだ。前回の>異質とする処とはその発端が(母系内部の放縦性=対=姻族同盟を要求する俗神)に分かれている点である<の解釈は引き下げて白紙から再スタートする。
言葉の定義について変更は無しで=isomorpheは異質同像、heteromorpheは同質異像。レヴィストロースはもう一対の概念を導入している。それがsupplementaire / complementaire,この意義を片付けてから再スタートしよう。
勝手解釈ながらcomplementaire(補完的)とは1の思想を1の実体で比定するが「さらに別の実体を引用して補完的に説明する」としよう。supplementaire(補充的)はこの真逆なので1の実体を1 の思想で説明して「さらに別思想で補充する」とする。分かりやすく書けば「彼女は美しい(思想)、それは目は澄んでいる(1の実体)のと色白(別の実体)だから」これがcomplementaire。「彼女の目は輝く(実体)、それは美しさ(思想)と優しさ(別の思想)を兼ね持つから」これがsupplementaireとする。
2の神話群(鳥の巣あらしと豚の起源)を構造主義的に3の分節(articulation)、それぞれの実体と思想を表にした。掲載のデジカメを参考にしてください。
鳥の巣あらしはヒーローが母と相姦し、父に謀られ樹上に取り残され、トカゲを生食ながらもハゲワシについばまれ、霊となって村に戻り復讐する(父も母も殺す)があらすじ。そのarmature/scheme(骨格とスキーム)はnature→cultureです。自然(生食い)から文化(火の使用)にのスキーム。(掲載図では左の最下段)
natureには自然の意以外に気まま、放縦、連続が強いと以前の投稿で説明しました。cultureは文化よりも介入、不連続となります。すなわち放縦から脱出し、介入に移行した人間社会を叙事にしている。スキームの一段の下層では(表で真ん中)gustatif(味覚)をcodeに取り、生喰い食い過ぎ鳥の糞まみれなどのあと、火を獲得して調理(介入)の文化に入ってゆくsequencesシーケンスが並ぶ(この過程が本書Le cru et le cuitの題名に取り上げられた)。最下層の登場人物とpropriete(特質)では、母子姦、父への反逆、インコの雛を石に変えて投げつけるなどの行動を通してヒーローの母系社会に執着する思考をあからさまにしています。連続を願う思想です。
(表は同書105頁記述を参考にして投稿子が作成した)
表の右側、野生豚の起源に入ります。
最下段にスキーム、culture→natureとあります。人が豚に変身する顛末。中段ではcodeに聴覚(ouie)を取り上げています。Elementの段では俗神のproprieteとして文化、介入を上げる。一方で姻族側(姉妹の嫁ぎ先)は自身の連続性に拘泥し、俗神の介入(不等価交換の催促)を拒否する=自然、放縦=をを優先している。
この2群の神話にはiso/heteromorpheとsupplementaire/complementaireの対立があると尊師は指摘した。ここまでがおさらい。この表をもとにして2群の神話の対立を浮かべる。まず、isomorphe/supplementaire異質同像から考える、そしてそれが補充関係とは;
1 母子姦の結果、夫婦(ヒーロー父母)の同盟=が破壊された(鳥の巣あらし)。野豚神話では兄(俗神)の不等価交換を拒否した(姉妹)は血族を忌避し、同盟(夫)の連続性を優先した。優先は血族か姻族かこれが異質。
2 結果はいずれも連続性の破局、鳥の巣ではヒーローは母系集団から隔離され、野豚では姻族の一統は豚に変身させられた。
3 継続性の実践(これが実体)は血族連続の論理、そして血族排除の思想(兄を侮辱した姉妹)いずれでもあり得る(supplementaire)
もう一方のheteromorphe/complementaire=同質異像、補完関係とは;
1 codeにcategorie empirique(経験則=序曲1の1行目)を採用し、いずれも連続性(自然、放縦)の展開(codage)を見せている。ヒーローの生食、処構わずの唸りと交合。これは同質。
2 鳥の巣あらしではヒーローが火を持ち込んで介入の社会(culture)を創造したのに比べ野豚神話では人が放縦(nature)に貶められた。(異像)同種の行動でも結果は真逆。
3 nature/cultureの移行、逆行(思想)には同盟の破局(鳥の巣)、血族の忌避(野豚)の両の起因がある(complementaire)。
母子姦(成人の後は母社会から隔離される)、父への石つぶて(子は父と異なる支族)、兄を侮辱する姉妹-これらの背景にはmatrimonial/matrilocal(=女系社会、女系居住)の軋轢が指摘される。
神話と音楽 第二楽章良き作法のソナタ6の了
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