思いつくまま感じるまま。

身辺雑記です。
何でもありの記録
HN天道(てんとう)

京橋駅で

2006年10月15日 | Weblog
環状線のホームで扉が閉まりかけた電車のドアに走りこもうとして間に合わずに、片手だけドアの隙間に差し込んで頑張っている男がいた。
ドアは閉まった。
差し込んだ右手の幅ほど僅かにドアの隙間が見える。

彼はそのままじっとしている。
勿論最後尾にいる車掌が気づいてもう一度ドアを開けてくれることを期待している。
あきらめて手を引けば引くことができて、ドアは完全に閉まって電車は発車できる。
しかし彼は諦めない。
5,6秒そのまま動きが静止した。

最後尾の車掌がおれてドアは再び開いて彼は乗り込んだ。

そういえば女房も高校生の頃、友達と一緒に閉まりかけたドアに片足を突っ込んで再びドアを開けさせて電車に乗った話をしていた。

環状線は3,4分待てば次の電車が来る。
そのくらいの時間を待つことは冷静に考えれば何のことはない。
その男も運悪く車掌が気づかずに発車し、差し込んだ手が何かの拍子で抜けなくなったら大きな事故になる。
車掌が気づくだろうと考えるのも、差し込んだ手も抜く気になればすぐ抜けるという前提がある。

交通事故に似ている。
相手が自分の思惑通りに動かない、自分の予測しえない事態に対処できない時に思わぬ事故を起こす。
自分の予測し得ない状況を作らないことを心がける必要がある。
老人の心得か。