ある医療系大学長のつぼやき

鈴鹿医療科学大学学長、元国立大学財務・経営センター理事長、元三重大学学長の「つぶやき」と「ぼやき」のblog

インタビューの準備(その4):“地域医療の最後の砦”が崩壊しないように経営支援組織の機能を強化せよ!

2010年05月07日 | 日記
さて、今までのブログで、長々とインタビューの準備を書いてきましたが、もうすぐインタビューに臨むにあたっての私の主張をまとめておきましょう。

1)国立大学と附属病院の経営危機を打開するためには、少なくとも危機的状況を脱して、健全で自立できる経営環境が整うまでの間、実効性のある経営支援組織の存在が必要不可欠である。

2)実効性のある経営支援組織にするためには、融資・交付機能、分析・研究機能、相談・提言機能を有機的・一体的に持たせるべきである。

3)経営支援組織は、民間でもなく、国でもない、中立的で融通性のある第三者機関におくことが最も実効性がある。

4)上記条件を満たしている財務・経営センターのような経営支援組織を、現場の状況を考慮しない論理でもって現時点で壊してしまうことは、ほんとうの意味での効率化につながらず、国立大学と附属病院の経営環境をさらに悪化させ、地域住民や国民にとって不利益を生じさせる危険がある。

5)今、緊急に行うべきことは、国立大学と附属病院の経営支援組織を弱体化させることではなく、その機能を強化することである。

国立大学、特に“地域医療の最後の砦”である大学病院が崩壊しないように、この主張を最後まで貫きたいと思っています。

今からインタビューが始まります。
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1 コメント

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地域の実情と叫び (しみず)
2010-05-08 01:23:19
大学病院は、地域に根を張るべく、どっしりと存立していただきたいと思います。地域医療を影の存在のように支えていただきたいと思います。そのためには、先生がこの数日書いてくださったことは非常に重要です。今のままでは、多くの大学病院は根無し草のようなもので、何とかその機能を外見だけ維持しているだけで、地域に根が伸びていきません。地域に貢献できる医療者も腰を据えて育てられません。先生ご存知の私の活動地域で、ひとつの学校地区の皆さんの協力をいただいてアンケートを実施できました。そこに書かれているものは、とても涙せずには読めないものでした。驚愕すべきものでした。ないものねだりではない、そこには「あるべきものがない」のです。「あるはずのものがない」のです。法人化は、大学病院が地域医療をよりよく支えるためのものではなかったのか。先生のご活躍は、(いえ、先生だけにおまかせするのではないのですね)、この件を大きな契機として、これからが本番ですね。先生への単なる応援だけでなく、いったい私たちは豊田先生に何ができるんだろうか、この問題に対して何ができるんだろうか、真剣に考えなければならないときだと感じています。
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