ある医療系大学長のつぼやき

鈴鹿医療科学大学学長、元国立大学財務・経営センター理事長、元三重大学学長の「つぶやき」と「ぼやき」のblog

国立大学法人化についての政務三役による意見聴取で、5分間のプレゼンを頑張ります。

2010年06月10日 | 日記
管直人総理大臣による新しい内閣が発足しましたが、文部科学省の政務三役については、留任となりました。今までの事情をご存じの方々になっていただいたので、ほっとしています。

今年の1月から文科省で「国立大学法人かの在り方に係る検証」が行われており、国民からの意見募集や関係者からの意見聴取を経て、「中間まとめ(案)」がまとめられ、さらに、今後国民からの意見募集、文部科学省『「熟議」カケアイ』サイトにおける「熟議」の実施、関係団体との意見交換等を経て、本年度夏に「中間まとめ」として公表されるとのことです。

近々、川端大臣、鈴木副大臣、中川副大臣、後藤政務官、高井政務官のご出席のもとで、「国立大学法人化後の現状と課題に関する関係団体からの意見聴取」が行われることになり、6月15日には、(社)国立大学協会、(独)国立大学財務・経営センター、(独)大学評価・学位授与機構の3つの団体が出席します。そういうことで、私は財務・経営センターの代表として出席をさせていただくことになりました。

6月15日というと事業仕分けのパブコメの締め切り日でしたね。

私には5分間の説明の機会が与えられるということです。たった5分なので、本当に重要なことだけに絞る必要がありますね。

そんなことで、やっぱり、例のパネルに再登場していただくことにしようと思います。基本的には、枝野大臣と蓮舫議員の財経センター視察の時にお見せをしたパネルと同じなのですが、少し修正をしました。







国立大学法人化の本来の目的は

地域と国のイノベーションの促進+地域医療の確保→日本国の成長

であるはずなのに、実際には、医学論文数が減少して学術の国際競争力が低下し、多額の負債を抱えた大学病院の資金繰りが悪化し、地域医療が崩壊し、運営費交付金の継続的削減や大幅に不足する施設費もあいまって、地域と国のイノベーション力が低下しつつあるという、まったく逆の現象が起こってしまいましたね。

昨年の6月に、私はIDE「現代の高等教育」という雑誌に、法人化は良い面もあったので元に戻すべきではないが、予算の削減等の影響もあって、目的が達成されるどころか逆のことが起こってしまったことから、この意味では“失政”と言わざるを得ない、というような論説を書きました。

今後も、国の財政が厳しい状況では、国立大学は引き続き厳しい状況が続き、その機能が低下し続ける可能性があると思います。

こんな、国立大学と附属病院にとっての、そして、延いては地域や国民にとっての危機を打開するためには、財務・経営センターの「民でも国でも困難な大学連携を活かした三位一体の機動的・効率的支援」の機能をさらに高める必要がある!!というのが、私の言いたいことですね。

これなら、5分間でしゃべれるのではないかと思っています。

それから、今まで何度もお願いしていますが、財務・経営センターの事業仕分けのパブコメの締め切りが15日に迫っているので、もし、読者の皆さんでまだ書いていない人がおられましたら、どうぞよろしくお願いをいたします。この際は、仕分け人のご意見と私の今までブログで書かせていただいた意見をよく読んでいただいて、ご自身が正しいと思う正直な意見を書いて下さいね。


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