聖パウロの回心
37年ごろ
パウロは、タルソ(現在のトルコ南東)でベニヤミン族のイスラエル人として生まれた。本名をサウロといい、若いころは有名な律法学者ガマリエルの弟子となった。(使徒言行録 22参照)
彼は熱心なユダヤ教徒であり、それに反するキリスト教を徹底的に排除しようとした。聖ステファノの死刑にも賛同し、エルサレムの教会を荒し、キリスト教徒を迫害した。(使徒言行録7章 参照)。しかしキリスト信者たちを逮捕するためにシリアのダマスコへ向かう途上で、突然光を受け、「なぜ、わたしを迫害するのか」というキリストの声を聞き、地面に投げ出された。そのときにパウロは一時的に盲目となり、自らの闇と出会い、回心した。「主よどうすることをお望みですか」と尋ね、キリストに従い、その望みを完全に果たしていくということを悟った。そして自分が出会ったキリストの体験と神の愛を語るためにその宣教に生涯をささげた。
パウロの3回にわたる宣教旅行は有名である。彼は、キリスト教をユダヤ人以外の人々に広めた使徒として、「異邦人の使徒」とも呼ばれ、聖ペトロと並び使徒である。彼が残した書簡は、新約聖書に14あり、キリストの愛と教えが、体験をもって語られている。
パウロの回心については、使徒言行録22.6-16、9.1-19、26.12-18を参照。また聖人カレンダー「使徒聖パウロ(6月29日)」参照。