レイキャビク西街ひとり日誌 (Blog from Iceland)

北の小さな島国アイスランドはレイキャビクの西街からの、男独りブログです。

夏 リアル・ガチのレイキャビク

2022-07-04 21:33:43 | 日記
こんにちは/こんばんは。

しばらく前に「六月の始めだというのに、もう暑い」とか書きました。その六月の中旬から、今度は気温が低い日々が続いてしまい、六月の最後の週末前後では、気温が5-10度止まりに。

特に北部の町アクレイリでは「例年なら10-15度くらいになるのだけど、これは夏としては三十年来の寒さ」と気象局のエイナルさんも嘆く始末。




清涼感アップ用ピック1
Myndin er eftir Jonatan_Pie@unsplash.com


それでも七月になると、レイキャビクでは盛り返してきて先の週末は結構夏っぽくなりました。毎日というわけではないのですが、夕方の5時くらいから、パーッと晴れ渡って気温も上がる日が多いような気がします。

「5時過ぎから晴れたって、遅いだろう」と思われる方もありましょうが、こちらはこの時期日が沈みません(実際には沈みますが、沈まないに近い)ので、夜になってからプールに行ったり、ドライブに出かける人も多いのです。

さて、もういく日か前ですが、日本のニュースで「ガソリン代、ついに180円に!」というのを見ました。かなり深刻な影響を受ける人も多いそうですね。ガソリン価格をいかに抑えるかで、国会でも議論がなされているそうで。

ガソリン代はこちらでも上がっています。車は毎日使うものの、そんなに長距離の走行をしない私はそれほど頓着がなかったのですが、先日ガソリンスタンドに行って驚愕しました。

リッター349,9クローネ!!

今はクローネと円はほぼ1:1ですから、350円と考えて下さって結構。一月にブログで書いた時はリッター270クローネで、その時点の日本円換算で240円ほどでした。

それから半年でなんと350円にまで跳ね上がっているではないか! 三月以降忙しかったので、ぜーんぜん気が付かずにきました。




西街にある行きつけのスタンド 349,9kr!
Myndin er eftir ワタシ


ああ、そういえば四月の末に娘の披露宴があったのですが、その際に久しぶりに会ったアイスランド人の知り合いが「トシキ、EV車に買い替える予定ある?」とか訊いてきました。

ワタシの格好いいマツダCX -3はガソリン車なのですが、まだ買って三年目だし買い替えの予定はなし。その知り合い、ヨウンさん(「ヨン様」と呼ばれています)とは、時折車の話しをする仲です。彼も三年くらい前にホンダのCR -Vを購入したばかり。

私は自論で「EV車はあと二、三年のうちにスマホ的な勢いで発展するから、今はまだ買わないつもり」と答えたのですが、ヨン様は「ボクもそう考えてたけど、ここまでガソリン代が高騰すると、『今でしょ』みたいな気がしてきた。電気代、タダみたいなもんだし、年間で換算したら数十万の違いになるよ」

まあ、確かにそうですね。それほど遠出しない私でも、月に2万クローネ以上はガソリン代に支出しています。だから年間25~6万?経済的な観点からは、乗り換えた方が得でしょう。EVへの乗り換えの助成もあるみたいだし。

しかし、そこはロマンチストのワタシ。「車って、走ればいいってもんじゃないでしょうが?」みたいな? ワタシ的には、今ここで手に入るEVに乗り換えるつもりはありません。たとえガス代がかかろうが、「ガソリン車!」とエコロジストから白眼視されようが...




清涼感アップ用ピック2  群生ルピナス
Myndin er eftir Paco_Vaca@unsplash.com


ところで、ガソリン以外にも、物価一般が上昇しているのはアイスランドも同じです。っていうか、少なくとも北半球ではどこでも同じではないかと。

これは原因がかなりはっきりしていて、ロシアです。例えば食料品。広範な影響力を持つ原材料「小麦」の供給が減っているおかげで、すべからず食品価格が上昇しています。

アイスランドでは小麦の価格は半年で40%の上昇。っていうことは、パンやパスタ、ケーキ類の価格が上昇しますし、アイスランド人が愛してやまないドミノピザのデリバリーまで値上げ。

その他にも、ガスやオイルの供給減などが輸送代の上昇を引き起こしていますから、これはもうすべての物流に影響しますし、つまりはすべての商品やサービスの価格が上がることになります。

六月に統計局がインフレに関する指数を発表しました。それによると、一年前と比較してのインフレ率は8,8%。高いです。ところがそれだけではない。今年の始めとの比較では7,6%の上昇率なのです。

つまり、昨年夏から今年の始めまでは1,2%の上昇だったのが、今年になってから7,6%という駆け足上昇となったわけです。

日本でも「家計が苦しい」というニュースを今朝も見たばかりなのですが、こちらでもご同様です。私などは、もう子供も独立してますし、「自分だけ」の生活ですから、なんとかなりますが、今のこの状況で小さなお子さんたちがいる家庭は、結構苦労が多いだろうと察します。

しかし、それらの物価高騰を「はるかに」超えているのが不動産価格です。不動産に限っては、この一年間での上昇率がなんと20%。20%ですよ!




「少し落ち着け」用ピック
Myndin er eftir Sigurdur_Fjalar_Jonsson@unsplash.com


これが庶民がいぶかっている「限りなく黒に近いグレイ・ミステリー」なのです。日用品の価格上昇はわかります。上昇の原因との因果関係が理解できますから。でも... 不動産はなんで?

これだけ新しいアパートやマンション建てまくってるのに、他の中古物件が価格が下がるどころか、20パーのアップとは?

私の息子が、自分用の住居を探していたのですが、こういう例がありました。

あるアパートのフラット。売値が約5千万クローネ。1LDKタイプの独身または子供のないカップル用です。

すると不動産業者がオープンハウスと称して、ある日のある時間に興味のある人を集めます。そして、その場でそれぞれからの「オファー価格」を集め始めるのです。ようするに「セリ」ですよ。

こういう状況になると、基本的に物件が少ないので、どうしても「今」住居が必要な人は上乗せしたオファーをしてしまいます。そういうのが何回か積み重なって、結局売値は6千万に近かったとか。

これって、合法か?と思ってしまうのは私ばかりではないでしょう。しかも、ある物件の場合では、落札?したのは自分用ではなく、賃貸商売を目的とした人でした。

高い賃貸料を課して儲けている人たちは、すでにお金がありますから「セリ」に勝てるのです。そしてさらに儲けるのです。そして、本当に住居が必要な庶民が泣く羽目になります。

これもレイキャビクの現実だから...

なんとかしろよ、政治家!とは庶民の切実な声です。でも変わらない、なーんにも。だって、今の財務大臣のビュルトゥニ氏は「あっち側」、つまりボロ儲けする側の大将ですから。

これもアイスランドの現実だから...


*これは個人のプライベート・ブログであり、公的なアイスランド社会の広報、観光案内、あるいはアイスランド国民教会のサイトではありません。記載内容に誤りや不十分な情報が含まれることもありますし、述べられている意見はあくまで個人のものですので、ご承知おきください。

藤間/Tomaへのコンタクトは:nishimachihitori @gmail.com

Church home page: Breidholtskirkja/ International Congregation
Facebook: Toma Toshiki
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2 コメント

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Unknown (Kuwasan)
2022-07-04 22:34:48
「あっち側」とか、「上級国民」とか、嫌な言葉ですね。しかし現実。「少し落ち着け」ピックアップでホッとしました。
さて10日は大事な日付。ガソリンスタンドの値段の写真で少しシャキッとしました。がんばろ!
返信する
ブログ当事者 (Toshiki Toma)
2022-07-07 07:21:31
Kuwasanさん、

コメントいつもありがとうございます。
10日に何か特別なことがあるのですか?何であれ、Kuwasanさんのご期待通りになることを願います。
返信する

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