レイキャビク西街ひとり日誌 (Blog from Iceland)

北の小さな島国アイスランドはレイキャビクの西街からの、男独りブログです。

適応...変化...と「正体見たり!」 不適応編

2012-11-12 05:00:00 | 日記
外国住まいが長くなると言葉を修得しなければならないだけではなく、イヤでもその国の文化や習慣にある程度は適合していかなくてはなりません。面白いのはどの部分が適応して、どの部分が変わらずに残るかということは、各人によって異なるものらしい、ということです。

適応できた点の方はさておいて、適応できないものをまず挙げてみたいと思います。第一は時間厳守。厳守するのは日本人の部分の方ですよ。アイスランドでは仕事に関しては時間はそれほどでたらめではないのですが(それでも日本ほどきっちりはしていません)、プライベートになるとこちらがキョトンとしてしまうほど能天気なことがあります。

例えば「今度の金曜日、8時からホームパーティーするから来て!」と呼ばれたとします。当然のように8時きっかりくらいに訪問します。すると全く人気がありません。日にちを間違えたか?と勘違いしそうです。

「ああ、もう来たの?何か飲んでて」とホスト。食事の準備の真っ最中らしく、なんとなく「こんなに早く来やがって」風のオーラ。8時って言っただろ!まったく。

お客が集まり始めるのは9時前。食事にありつけるのは10時になってから、というのが通り相場のようです。

何回も経験しました。時間通り行ったら誰もいないことも分かっています。しかし、変えられないんです、時間厳守。日本人のDNAでしょうか?損得の問題ではなく「時間を守らない」ということが独立した不道徳としてインプットされてしまっているようです。

損得で吟味したら損でしょうね....でも適応してる邦人もいます。毎週土曜の日本語教室、10時からとなっているのに10時に来る人、いなくなりました。「10時から」は「10時に家を出る」という意味に適応変化してるらしいですね。(^-^;

もう一点、適応できない例を日常生活の中から。アイスランドでももちろん雪だけではなく雨も降ります。こちらの子供達は雨が降っていても全然おかまいなしに往来を歩きます。日本人があれをやったら間違いなく風邪をひくのではないかと思うのですが、こちらの人は子供時代からの鍛錬なのか、そういうことがありません。

さて、これも日本人のDNAに組み込まれているのではないかと勘ぐるのですが、日本人って、雨に濡れるの大嫌いですよね。夏の夕立の時、皆が一斉に走り始める図は面白いです。夕立のようなザーザー降りの時は濡れると困る、というのがあるでしょうが、ぱらぱらの雨の時でさえ濡れるの嫌ですよね。あれは「雨で濡れる」ということがみじめなものに見えるからではないでしょうか? って言うか、自分でみじめだと思ってしまうのではないでしょうか?

で、私もそうです。雨に濡れて歩くのは我慢なりません。傘をオフィス、車、バックパック(仕事用)に忍ばせてあります。

しかしです。

何回か書いたように、この土地、風が強いんです。こちらの人の常識では、雨は上から下に降るものではなく、横から吹いてくるものです。たまに、ごくたまに雨が上から下にしとしと降っていると、たまらなく落ち着いた気持ちになります。日本人の証しでしょうか?

さて、強風となると傘は使えません。濡れるのも嫌です。となると、フード付き耐水性の強いアノラックのようなものが必須となります。ただしここでも問題があります。雨が横から吹き付けるような日には、たとえ上半身をアノラックでカバーしていても、下半身、つまりスラックスやGパンは瞬く間にびっしょりです。特にジーンズが濡れてしまうと、最悪。乾かないし。

そういう時のために上下セパレート式のレインコート、じゃない、レインスーツ?もあります。実際にはめったに使わなくなりました。車で行ってしまいますから。

「春雨じゃ、濡れて行こう」は、確か早乙女門戸の介でしたっけ?風情があります。どこかから三味と都々逸が聞こえてきそうです。でも雪まじりの横殴りの雨に打たれるのは風情がないですねえ。あれを気にしないとは...まだ研究の余地があります、アイスランド人。


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