最近、と言ってもこの二十年くらいの間ですが、日本の子供たちの名前が難しく(非伝統的名前?)になってきましたね。もちろん全部がそうと言うわけではないのですが、まだ日本にいたころ友達のところに赤ちゃんが誕生して「ミウ」という名を授かっていました。ごめん!漢字が思い出せない! m(_ _)m
実はその子はもう成人してる頃なんですが、もっと最近を考えても斬新といいうか、説明を受けないと理解できないような名前をお付けになる親御さんたちがいらっしゃいます。
例えば「彩海」ちゃんという方がいます。「サイ」と読むのですがこれおしゃれ。Sae(サイ)ということば、アイスランド語では海をさしまして掛詞的になってるんです。日本語は掛詞を楽しむには可能性の豊かな言語ですよね。
さて、アイスランドでは名前も文化の内、という考え方があります。あるどこころかかなり徹底しています。内務省に「人名委員会」という学識経験者が任命される委員会があり、そこが認定する名前のリストに載っている名前だけが新生児に付けて良い名前なのです。
日本などでも公序良俗に照らして、子供が不利益を被るような名前(例えば悪魔とか頓馬とか)は申請しても受理してもらえませんが、こちらではもう少し範囲が狭まっていて、「アイスランドの文化に即した名前」でなければならないのです。
これはどういうことかというと、例えば「冬のソナタ」(ちょっと古いか?)が放映されてヒットしたとします。それを見たお母さんが感激して自分の赤ちゃんにジュンサンとかユジンとかつけようとしても「ダメ」ということになります。
「カサブランカ」ファンが息子をHumphreyにすることもできません。ただIngridはOKです(バーグマンはスェーデン人ですから、文化的にも近い)。WhitneyもCameronもダメ。今のはやりは誰なのか頭が回りませんが、とにかくそういう流行から名前を守るのだ!という理屈があります。
根本的な例外があります。外国人です。例えばアラブ系の人たちならモハメドとかアブダルとかは当然のような名前ですし、それらがアイスランド文化に馴染んでいない、とかいって禁止したらモロ人権問題ですから、外国人はその伝統に則って名付けをすることが許されています。
ところがですねえ、名前文化というものもやはり生成発展していますから、別に流行りとか両親がのぼせたとかいうことではなくとも、リスト外に位置する名前への要求は毎年なされます。で、人名委員会もリクエストされた名前の是非を毎年検討しているわけです。
これ、名前と文化の接点だけではなく、実はアイスランド語の「文法」上の観点からも吟味されるんです。前回書きましたが、アイスランドでは人名も文法的に格変化します。で、新しい名前がこの文法にかなうかどうか、はたまた文法破りになるかどうかを検討するわけです。どういう文法事項が検討されるかは略します。相当専門的な事項になっちゃいますから。
そういう専門家以外は退屈する審議を経て、今年晴れて「アイスランド人の名前」になったのは、例えば、ラモウナ、ギーセラ、ギータ、アリーナ、カイヤ(全部女性名)や、ペドロでした。バルタザールは落選。綴りにZが入るのが容認されなかったとか(アイスランド語にはZはありません)。
ちなみに日本人由来の名前としてはMariko(ただし末尾のoはóですが)がリスト入りしています。Toshikiはダメです、Toshibaの陰に隠れて...(*_*)
実はその子はもう成人してる頃なんですが、もっと最近を考えても斬新といいうか、説明を受けないと理解できないような名前をお付けになる親御さんたちがいらっしゃいます。
例えば「彩海」ちゃんという方がいます。「サイ」と読むのですがこれおしゃれ。Sae(サイ)ということば、アイスランド語では海をさしまして掛詞的になってるんです。日本語は掛詞を楽しむには可能性の豊かな言語ですよね。
さて、アイスランドでは名前も文化の内、という考え方があります。あるどこころかかなり徹底しています。内務省に「人名委員会」という学識経験者が任命される委員会があり、そこが認定する名前のリストに載っている名前だけが新生児に付けて良い名前なのです。
日本などでも公序良俗に照らして、子供が不利益を被るような名前(例えば悪魔とか頓馬とか)は申請しても受理してもらえませんが、こちらではもう少し範囲が狭まっていて、「アイスランドの文化に即した名前」でなければならないのです。
これはどういうことかというと、例えば「冬のソナタ」(ちょっと古いか?)が放映されてヒットしたとします。それを見たお母さんが感激して自分の赤ちゃんにジュンサンとかユジンとかつけようとしても「ダメ」ということになります。
「カサブランカ」ファンが息子をHumphreyにすることもできません。ただIngridはOKです(バーグマンはスェーデン人ですから、文化的にも近い)。WhitneyもCameronもダメ。今のはやりは誰なのか頭が回りませんが、とにかくそういう流行から名前を守るのだ!という理屈があります。
根本的な例外があります。外国人です。例えばアラブ系の人たちならモハメドとかアブダルとかは当然のような名前ですし、それらがアイスランド文化に馴染んでいない、とかいって禁止したらモロ人権問題ですから、外国人はその伝統に則って名付けをすることが許されています。
ところがですねえ、名前文化というものもやはり生成発展していますから、別に流行りとか両親がのぼせたとかいうことではなくとも、リスト外に位置する名前への要求は毎年なされます。で、人名委員会もリクエストされた名前の是非を毎年検討しているわけです。
これ、名前と文化の接点だけではなく、実はアイスランド語の「文法」上の観点からも吟味されるんです。前回書きましたが、アイスランドでは人名も文法的に格変化します。で、新しい名前がこの文法にかなうかどうか、はたまた文法破りになるかどうかを検討するわけです。どういう文法事項が検討されるかは略します。相当専門的な事項になっちゃいますから。
そういう専門家以外は退屈する審議を経て、今年晴れて「アイスランド人の名前」になったのは、例えば、ラモウナ、ギーセラ、ギータ、アリーナ、カイヤ(全部女性名)や、ペドロでした。バルタザールは落選。綴りにZが入るのが容認されなかったとか(アイスランド語にはZはありません)。
ちなみに日本人由来の名前としてはMariko(ただし末尾のoはóですが)がリスト入りしています。Toshikiはダメです、Toshibaの陰に隠れて...(*_*)
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます