レイキャビク西街ひとり日誌 (Blog from Iceland)

北の小さな島国アイスランドはレイキャビクの西街からの、男独りブログです。

「準」高齢者と映画のエキストラあれこれ その2

2022-11-14 00:00:00 | 日記
こんにちは/こんばんは。「準」高齢者です。

さて、今回は前回の続きで、最近参加してきた映画の撮影ロケにまつわることです。参加といっても、もちろん「その他大勢」の中のひとりのエキストラ役ですよ。




清涼感アップ用ピック
Myndin er eftir Cosmic_Timetraveler@unsplash.com


そうなんですがー....

映画の撮影とかって、たとえ末端のエキストラであっても一応の「守秘義務」というものがあり、たとえば撮影合間に撮った写真やビデオを勝手にSNSとかに公開してはいけないことになっています。

誰が主演するものなのかとか、撮影合間の雑事はそこに含まれないと思うのですが、一応日本のネットで確認すると、まだ今回の映画のことはまったく紹介されていないようなのです。

普通、いの一番に制作発表とかするものと思っていましたが、違うのかな?門外漢なのであまり確かなことは存じません。

ということなので、一応大事をとって、ここでも曖昧な形で書かせていただきたいと思います。こんなマイナーなブログで書いたって、まったくなんの影響もないでしょうが、そこが最近流行りの「コンプライアンス」というものでしょうから...

前回は、この映画に主役する俳優さんのアシスタント役をお断りしたところまでお話ししました。「ADさん役なんてまっぴら!」みたいなニュアンスで書きましたが、実際はこの俳優さんはきちんとした方らしく、私が勝手に想像していたようなことはなかったみたいです。

それでも、アシスタント役は私なんぞよりもよほどしっかりしたバリバリの方が務めていらしゃいますので、結局断って正解だったようです。

で、もうこの撮影とは関係なし、と思っていたのですが、十月の末になってまた前回の女性スタッフから電話。「なかなか十分な数の日本人の人が集まらないので、ぜひ助けて欲しい」と。「ママ(ミレヤさんというアーティストでバルタザール監督のお姉さん)もぜひにと...」いや、別にママとはそういう関係ではないから。

何度も書きましたが、在アイスランドの邦人の方は決して多くありませんし、その中でも男性は二割程度です。かつ、今回は特に「熟年以上の男性が必要」ということでした。そうなると、ここでは究極の希少生物。数合わせが困難であろうことは容易く伺い知れます。

で、親切でお人好しであるワタシは、加えてあわよくば銀幕デビューしたいという下心があったこともあり、エキストラで参加することにしたのでした。

すると、担当スタッフが交代して、今度はエキストラ手配専門のシグルンさんという女性から連絡がありました。ここにきて、どういう方々がエキストラ参加される予定かがわかってきました。




この手前のビルに参集 これは完成予想図で実際はまだ作業中
Myndin er ur Rvksutudios.is


撮影は三週間ほど連日行われるらしいのですが、私が参加したのが11月の2日の水曜日。予定は朝の8時から夜の8時まで。十二時間の拘束ですね。それでも実労は二時間もいかないことでしょう。

この日の撮影は、ロンドンにある日本居酒屋でのシーンということで、「かなり日本人の頭数が必要な場面」らしかったです。参加者リストを見ると、顔見知りの邦人の方が相当数。私が存じ上げないお名前もちらほらありました。

ホッとしたのは、これなら少なくとも話し相手には困らないだろうな、ということ。コロナのおかげで、他の日本人の
の方々と会う機会が激減していましたので、久しぶりに会って話しができるかと思うと、むしろ嬉しくなるくらいの気分。

日本大使館のスタッフの方のお名前もありましたので、ちょっとビックリしましたが、後で訊いてみると「いやあ、大使館総出で応援してみたいな感じです」とか。

もちろん、その方は有給を取っての参加ということでしたが、今の鈴木大使はご自身もツイッターでつぶやきまっくていますし、とても積極的にアイスランドとの共働分野を開拓しようとされているようです。

さて、今回の撮影はレイキャビクのかなり外れの方に位置するスタジオで行われました。もう隣りは海というくらいの外れ。そこに行くのは初めてだったのですが、大きなドーム型の体育館のような建物がいくつか建っている地域。

なんかハリウッドの映画会社の写真とかで見るような、そんな感じのエリアを作っている最中のようです。私たちが始めに集められたビルは、まだすっかり完成はしていませんでした。

後から知ったのですが、このスタジオ(地域)は、バルタザールさんがレイキャビク市と協力して建設しているものだということです。バルタザールさんは、お金の捻出力に定評がある人なのです。




これは撮影用の巨大なドーム内
Myndin er ur Productionparadise.com


で、入っていってシグルンに挨拶。結構カワユイ。しばらく知り合いの日本人の方々とおしゃべりし、かつ存じ上げなかった方々とも挨拶したりして、すっかり待ちモード。

その後、簡単なメイク。五分で終了。男はいつもこう。そして衣装。普通のスーツ。役どこは仕事帰りに一杯やるサラリーマン。スーツだったら自分で持って行くけど?とお伺いを立てていたのに。

他のロケでも共通しているのですが、撮影のスタッフさん、人まとめのシグルンさんのような人や、メイクさん、衣装さん、ADの方、総じてとても丁寧に感じ良く応対してくれます。

アイスランドって、普段あんまりそういう雰囲気じゃないから、すごく際立って感じられるんですよね。意外というか、ロケ文化ってやはり国外から来ているのかな?とか。

それと、このスタジオ。使い始めてすでに三年くらい経つということでしたが、暖かいし、トイレもきちんとしているし、例外的といえるくらいに心地良い場所です。これなら多少の待ち時間は耐えられる。

午前中は何もなく、ランチを支給され、午後になってからやっと撮影現場へ。撮影現場は隣りにある「体育館」の中です。そこにロンドンにあるという設定の「日本居酒屋」が作られていました。




撮影用の居酒屋のセット内 これはニュースでも流れていたので解禁写真かと


ちなみに、この場面は1969年の時代設定ということで、用意されていた広告とか小道具もその時代風のものばかり。この「居酒屋」については、数日後に国営放送RUVのニュースで紹介されていましたので、私の撮った内部写真も添えておきます。これは「守秘」のうちには入るまいと。

そこで、私にとっては同じように見えるカットを、いろいろな角度から何度も何度も撮影。休憩を含んで二、三時間かかったでしょうか?ワタシは他の皆さんよりも早めにクビというかお役御免になり、7時半くらいには帰路に着くことができました。万歳。

約半日の拘束で、もらえるのは二万クローナ、オンリー。お金のためではないことがおわかりいただけるかと思います。

この撮影は、年が明けてから日本へ行くそうです。公開されるのは来年の秋とかだそうで。気が長くなる仕事ですね。

主役の俳優さんは、もとアイドルで皆さんおそらくご存知の方です。ヒロインの若かりし頃は、Sで始まるグループにいたあの国民的スターの娘さん。そのお母様も撮影現場にいらしゃってましたね。この方も知られた人で、やはりオーラがありました。(若い!)

ところで、RUVのニュースで「居酒屋」が扱われた時に、原作Snerting「触れ合い」の著者オーラブル・ヨハン・オーラブスソンさんもインタビューされていたのですが、映画のストーリーはやはり原作のままではなく、オーラブルさんとバルタザール監督がふたりで練り直したのだそうです。

原作の10ページ目で止まっているワタシには、話しがどう変わろうが蚊帳の外なのですが、映画公開前には読み終えている「つもり」です。

今回は、ロケ現場で久しぶりに会えた邦人の人が多かったこともあり、ワタシ的にはかなり楽しく時を過ごすことができました。文句なし。あとはなんとか、スクリーン上に生き残っていたいものです。今度こそは。あまり期待してはいませんが。(^-^;


*これは個人のプライベート・ブログであり、公的なアイスランド社会の広報、観光案内、あるいはアイスランド国民教会のサイトではありません。記載内容に誤りや不十分な情報が含まれることもありますし、述べられている意見はあくまで個人のものですので、ご承知おきください。

藤間/Tomaへのコンタクトは:nishimachihitori @gmail.com

Church home page: Breidholtskirkja/ International Congregation
Facebook: Toma Toshiki
コメント (3)
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