こんにちは/こんばんは。
実は今年の始めにFacebookを一週間ほどお休みしました。私はかなり積極的なFacebookユーザーですので、幾人かの知り合いの方々から「どうしたの?」「大丈夫ですか?」などとご心配の言葉をいただきました。ありがたいことですし、ご心配をおかけした面がありましたら申し訳なく思います。
ある方は「SNSでは言葉の暴力もあるし...」と心配していただいたのですが、私がお休みしたのはまったくそのようなことがあったわけではなく、単に「今週は禁酒して肝臓を休ませよう」みたいなことでした。
なんというか、知らず知らずのうちにFacebook「漬け」になっていることがあるので、それに気がついた時はお休みを取るようにしています。年に一回か二回ぐらい休むかなあ?
「Cちゃんフリー」の座を獲得した?アイスランド
Myndin er ur RUV.is
Facebookはもちろん個人的な事柄なのですが、私にとっては仕事の一部にもなっていて、いろいろと発信しやすく、使い様によってはとても役に立つものだと思います。ですが「漬け」になって、それ以外ではものを言えないようになっては困ります。
たとえばトランプなんぞはTwitter「漬け」だったんじゃないでしょうか?大統領ほどの公職にあるなら、他にもう少しチャンネルがありそうなものですが。日本の政治家等でも同じような傾向があるのはどうなんでしょうかね?
直接、大衆に言葉が届く、という利点はあるのでしょうが、基本的に「言いっ放し」のメディアであって、話し合いの場ではないですよね。結果、声の大きい者が、ということは知名度の高い者が圧倒的に有利になると思います。これは危険なことではないか、と考えます。
その「漬け」のトランプが去ってくれたのはありがたや。バイデンさんには消去法的な期待しか持っていなかったのですが、就任式間近になって「何とか無事に就任してくれ」と祈るような気分になってしまいましたよ。おかげでライブまで見てしまいました。就任式のライブを見るなんて、カーター大統領の就任以来か?
本題に入る前に、ひとつミニ・ニュースです。アイスランドはヨーロッパの感染症予防を監督するインスティチュートから「コロナ安全のグリーン・カントリー」に認定されたとか。
ニュースで見る限り、西ヨーロッパでは唯一の「緑印」(OK to goの意味か?)のようです。私としては「余計なお世話だ」と言いたい。まだ終わってないんだから、そそのかしのようなことはやめてもらいたいものです。
さて、本題。ガン社会化する?アイスランドについて。
先々週の木曜日、1月の21日になりますが、サムフィルキングという政党(社会民主連合)のオフィスに出勤してきたカレンさんという女子職員が、玄関ドアのガラス窓に銃弾による大きな穴を見つけました。
社民連合オフィスへの弾痕(上)と市長の車への弾痕(下)
Myndir eru ur Visir.is
すぐに警察が駆けつけましたが、やはり銃弾の跡。前日の引け際にはなかったものなので、水曜日の夜から木曜の未明にかけて撃ち込まれたもののようです。
それから三日後の23日の土曜日。現在のレイキャビク市長のダーグル・B・エッゲルトゥスソンさんが、自宅前に置いてあったマイカーに乗り込もうとして気がつきました:「これは弾痕か?」車のドアに二箇所、それらしき跡があったのです。
またしても警察が駆けつけ、市長の車を精査。すると車のドアの内部から22口径の弾丸がふたつ発見、回収されました。
車は何日か使わずに自宅前の駐車場に置きっ放しになっていたそうで、いつこれらの銃弾が撃ち込まれたのかは判然としていない、とのことです。
で、このダーグル市長、三日前に弾痕が見つかったサムフィルキング所属の政治家なのです。当然警察は「ダーグル市長、もしくは社会民主連合に恨みを持つ者」の犯行と見ているようですが、現在(29日の金曜日)まで、容疑者は上がっていません。
この社会民主連合、2016年の国政選挙では壊滅的な敗北を期し、6議席を失って三人の議員政党にまで落ち込みました。翌年のラッキー総選挙で7議席まで回復。それでもマイナーに転じたままです。
それに比して市政では健闘しており、現在のダーグル市長は2014年の再就任より六年余り継続して市政を担当しています。現在の市政での多数派は社民連合、ヴィスレイセン(再生党)、緑の党、ピラター(海賊党)の四党が形成しています。
対する少数派の野党は、国政では与党の独立党、人々の党(と称する民族派の党: 一応公共のネットに乗るブログなのでディプロマティックな表現にしています)、中道党(と称する右翼民族派の党: 同じ理由で控え目な表現。十倍ひどい方向を想像してください)、それにまったくの左翼のソシアリスト党です。
この市政での野党の市議会議員の中にヴィグディス・ホイクスドティールという女性がいます。トランプ的なキャラクターの反移民系市議と言って良いでしょう。以前は国会議員だったのですが、今は市政に転じ、次期市長を目指す、とかのたまわっています。
ダーグル市長(右)とヴィグディス市議(左)
Myndin er ur Visir.is
このヴィグディス氏が最近、Facebookに自前(というか自軍の中)で作ったビデオを公開しました。これはダーグル市長の自宅の周囲を車で廻って撮影。それにいろいろと自分のコメントをつけていく、というものです。
ダーグル市長の自宅はダウンタウンの真ん中にあります。ランドマークのハットゥルグリムス教会から下って徒歩五分。ホテル・オーディエンスヴェの向かい側です。
市長の自宅前のリフォームの完成想像図
Myndin er ur Reykjavik.is
最近、あまりダウンタウンを歩いていないので気がつかなかったのですが、このホテル前、すなわち市長宅の前が、今ではきれいな広場にリフォームされました。すっきりくっきり。
ヴィグディス氏の説明によると、「ダーグルは自宅の周囲の環境を良くするために、このリフォームを命じた。費用は六千万クローネ以上! その際に、周囲のパーキングスペースをすべて潰し、自分用には車三台分の専用駐車上を設けたのよ!」
私は個人的には、ダーグル市長のファンではありませんし、社民連合の支持者でもありません。むしろかなりムカっ腹を立てている方です。ですから、ヴィグディス氏の言い分が全部デタラメと決めつけるつもりはありませんし、多分本当の部分もあるのではないかと想像します。
もっとも、市中のリフォームはここだけではなく、あちこちで行われました。私のいるブレイズホルトゥス教会の前もしかり。きれいな広場を作ってくれました。
それはそれとしても、特定の個人の私邸の周りを巡回して撮影、それに「自分の益のために、見て、こんなに自宅前を市のお金でリフォームしているのよ!といようなビデオクリップは、まさしく「扇動ビデオ」では?という批判の声が上がりました。
「たとえ、政策に反対するとしても、自宅には子供もいるのだし、こんな形で引き込むべきではない」というのがビデオに対する強い批判の声でした。
さらに、銃撃事件の発覚に対しては、現市長支持する・しないはさておき、「このような形での暴力は言語道断」「そういうことが起こるアイスランドであってはならない」とこれもごもっとも。
リフォームされた私のホーム教会の前
今の時点では、ヴィグディス氏のビデオと社会民主連合オフィス、および市長の車銃撃事件の間の関係性を裏付けるものは何もないようです。それでも、「ありそうだな」考えてしまうのも自然。
Cちゃんの影響で、やけになっている人が「市長の気ままな贅沢?」と思い込んでバーン!とか。あー、でも普通の人は銃とか持っていないよな、ここでは。やっぱり、もともと闇社会の関係者か?
状況だけで想像してしまえば、これもあのトランプの影響なんじゃないかという気までしてしまいます。ヴィグディス氏も良く似たタイプだ、と私は思っていますから。そっち路線の人にとっては、トランプは良い手本になってしまったのかも、です。
次は何が来るのか?と考えると、なんとなく気が重くなる雰囲気ですが、そこで社会を平和で明るい方向へ向けるのは、私ら教会の役目でもありますからね。ふんど... じゃない、気を引き締めて頑張りましょう!
*これは個人のプライベート・ブログであり、公的なアイスランド社会の広報、観光案内、あるいはアイスランド国民教会のサイトではありません。記載内容に誤りや不十分な情報が含まれることもありますし、述べられている意見はあくまで個人のものですので、ご承知おきください。
藤間/Tomaへのコンタクトは:nishimachihitori @gmail.com
Home Page: www.toma.is
Facebook: Toma Toshiki
実は今年の始めにFacebookを一週間ほどお休みしました。私はかなり積極的なFacebookユーザーですので、幾人かの知り合いの方々から「どうしたの?」「大丈夫ですか?」などとご心配の言葉をいただきました。ありがたいことですし、ご心配をおかけした面がありましたら申し訳なく思います。
ある方は「SNSでは言葉の暴力もあるし...」と心配していただいたのですが、私がお休みしたのはまったくそのようなことがあったわけではなく、単に「今週は禁酒して肝臓を休ませよう」みたいなことでした。
なんというか、知らず知らずのうちにFacebook「漬け」になっていることがあるので、それに気がついた時はお休みを取るようにしています。年に一回か二回ぐらい休むかなあ?
「Cちゃんフリー」の座を獲得した?アイスランド
Myndin er ur RUV.is
Facebookはもちろん個人的な事柄なのですが、私にとっては仕事の一部にもなっていて、いろいろと発信しやすく、使い様によってはとても役に立つものだと思います。ですが「漬け」になって、それ以外ではものを言えないようになっては困ります。
たとえばトランプなんぞはTwitter「漬け」だったんじゃないでしょうか?大統領ほどの公職にあるなら、他にもう少しチャンネルがありそうなものですが。日本の政治家等でも同じような傾向があるのはどうなんでしょうかね?
直接、大衆に言葉が届く、という利点はあるのでしょうが、基本的に「言いっ放し」のメディアであって、話し合いの場ではないですよね。結果、声の大きい者が、ということは知名度の高い者が圧倒的に有利になると思います。これは危険なことではないか、と考えます。
その「漬け」のトランプが去ってくれたのはありがたや。バイデンさんには消去法的な期待しか持っていなかったのですが、就任式間近になって「何とか無事に就任してくれ」と祈るような気分になってしまいましたよ。おかげでライブまで見てしまいました。就任式のライブを見るなんて、カーター大統領の就任以来か?
本題に入る前に、ひとつミニ・ニュースです。アイスランドはヨーロッパの感染症予防を監督するインスティチュートから「コロナ安全のグリーン・カントリー」に認定されたとか。
ニュースで見る限り、西ヨーロッパでは唯一の「緑印」(OK to goの意味か?)のようです。私としては「余計なお世話だ」と言いたい。まだ終わってないんだから、そそのかしのようなことはやめてもらいたいものです。
さて、本題。ガン社会化する?アイスランドについて。
先々週の木曜日、1月の21日になりますが、サムフィルキングという政党(社会民主連合)のオフィスに出勤してきたカレンさんという女子職員が、玄関ドアのガラス窓に銃弾による大きな穴を見つけました。
社民連合オフィスへの弾痕(上)と市長の車への弾痕(下)
Myndir eru ur Visir.is
すぐに警察が駆けつけましたが、やはり銃弾の跡。前日の引け際にはなかったものなので、水曜日の夜から木曜の未明にかけて撃ち込まれたもののようです。
それから三日後の23日の土曜日。現在のレイキャビク市長のダーグル・B・エッゲルトゥスソンさんが、自宅前に置いてあったマイカーに乗り込もうとして気がつきました:「これは弾痕か?」車のドアに二箇所、それらしき跡があったのです。
またしても警察が駆けつけ、市長の車を精査。すると車のドアの内部から22口径の弾丸がふたつ発見、回収されました。
車は何日か使わずに自宅前の駐車場に置きっ放しになっていたそうで、いつこれらの銃弾が撃ち込まれたのかは判然としていない、とのことです。
で、このダーグル市長、三日前に弾痕が見つかったサムフィルキング所属の政治家なのです。当然警察は「ダーグル市長、もしくは社会民主連合に恨みを持つ者」の犯行と見ているようですが、現在(29日の金曜日)まで、容疑者は上がっていません。
この社会民主連合、2016年の国政選挙では壊滅的な敗北を期し、6議席を失って三人の議員政党にまで落ち込みました。翌年のラッキー総選挙で7議席まで回復。それでもマイナーに転じたままです。
それに比して市政では健闘しており、現在のダーグル市長は2014年の再就任より六年余り継続して市政を担当しています。現在の市政での多数派は社民連合、ヴィスレイセン(再生党)、緑の党、ピラター(海賊党)の四党が形成しています。
対する少数派の野党は、国政では与党の独立党、人々の党(と称する民族派の党: 一応公共のネットに乗るブログなのでディプロマティックな表現にしています)、中道党(と称する右翼民族派の党: 同じ理由で控え目な表現。十倍ひどい方向を想像してください)、それにまったくの左翼のソシアリスト党です。
この市政での野党の市議会議員の中にヴィグディス・ホイクスドティールという女性がいます。トランプ的なキャラクターの反移民系市議と言って良いでしょう。以前は国会議員だったのですが、今は市政に転じ、次期市長を目指す、とかのたまわっています。
ダーグル市長(右)とヴィグディス市議(左)
Myndin er ur Visir.is
このヴィグディス氏が最近、Facebookに自前(というか自軍の中)で作ったビデオを公開しました。これはダーグル市長の自宅の周囲を車で廻って撮影。それにいろいろと自分のコメントをつけていく、というものです。
ダーグル市長の自宅はダウンタウンの真ん中にあります。ランドマークのハットゥルグリムス教会から下って徒歩五分。ホテル・オーディエンスヴェの向かい側です。
市長の自宅前のリフォームの完成想像図
Myndin er ur Reykjavik.is
最近、あまりダウンタウンを歩いていないので気がつかなかったのですが、このホテル前、すなわち市長宅の前が、今ではきれいな広場にリフォームされました。すっきりくっきり。
ヴィグディス氏の説明によると、「ダーグルは自宅の周囲の環境を良くするために、このリフォームを命じた。費用は六千万クローネ以上! その際に、周囲のパーキングスペースをすべて潰し、自分用には車三台分の専用駐車上を設けたのよ!」
私は個人的には、ダーグル市長のファンではありませんし、社民連合の支持者でもありません。むしろかなりムカっ腹を立てている方です。ですから、ヴィグディス氏の言い分が全部デタラメと決めつけるつもりはありませんし、多分本当の部分もあるのではないかと想像します。
もっとも、市中のリフォームはここだけではなく、あちこちで行われました。私のいるブレイズホルトゥス教会の前もしかり。きれいな広場を作ってくれました。
それはそれとしても、特定の個人の私邸の周りを巡回して撮影、それに「自分の益のために、見て、こんなに自宅前を市のお金でリフォームしているのよ!といようなビデオクリップは、まさしく「扇動ビデオ」では?という批判の声が上がりました。
「たとえ、政策に反対するとしても、自宅には子供もいるのだし、こんな形で引き込むべきではない」というのがビデオに対する強い批判の声でした。
さらに、銃撃事件の発覚に対しては、現市長支持する・しないはさておき、「このような形での暴力は言語道断」「そういうことが起こるアイスランドであってはならない」とこれもごもっとも。
リフォームされた私のホーム教会の前
今の時点では、ヴィグディス氏のビデオと社会民主連合オフィス、および市長の車銃撃事件の間の関係性を裏付けるものは何もないようです。それでも、「ありそうだな」考えてしまうのも自然。
Cちゃんの影響で、やけになっている人が「市長の気ままな贅沢?」と思い込んでバーン!とか。あー、でも普通の人は銃とか持っていないよな、ここでは。やっぱり、もともと闇社会の関係者か?
状況だけで想像してしまえば、これもあのトランプの影響なんじゃないかという気までしてしまいます。ヴィグディス氏も良く似たタイプだ、と私は思っていますから。そっち路線の人にとっては、トランプは良い手本になってしまったのかも、です。
次は何が来るのか?と考えると、なんとなく気が重くなる雰囲気ですが、そこで社会を平和で明るい方向へ向けるのは、私ら教会の役目でもありますからね。ふんど... じゃない、気を引き締めて頑張りましょう!
*これは個人のプライベート・ブログであり、公的なアイスランド社会の広報、観光案内、あるいはアイスランド国民教会のサイトではありません。記載内容に誤りや不十分な情報が含まれることもありますし、述べられている意見はあくまで個人のものですので、ご承知おきください。
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