レイキャビク西街ひとり日誌 (Blog from Iceland)

北の小さな島国アイスランドはレイキャビクの西街からの、男独りブログです。

今ここにいるコロナ まだそこにいるコロナ

2021-01-24 00:00:00 | 日記
こんにちは⁄こんばんは。前回「今シーズンの冬はマイルド」なんて書いたとたんに風が強い日々となってしまいました。レイキャビクでは雪は積もっていませんし、気温もそれほど下がってはいないので、まだまだマイルドであることは確かです。

ただ10〜15メートルの風が出てきて、これが一週間ほど続きましたし、予報によるとまだ続きそうです。生活にすごい支障はないのですが、風が強いと結構体力を消耗しますよ。




本文とは無関係 清涼感用ピック
Myndin er eftir v2osk@Unsplash


その反面、日に日に明るさが戻ってきています。ああ、「太陽」の方の明るさです、精神的なものではなくて。先日、仕事が五時過ぎに終わって、ふと気がついたら「まだ明るい」

「明るい」といっても、薄暗いのですが、まったくの闇ではないということです。この物理的な明るさは、精神的な明るさではありませんが、それでも直に影響はありますね。夕方、まだ明るいと気持ちも軽くなってきます。

さて、今回は「コロナ」です。いいかげんウンザリする言葉なので。いつもはCxxxxとか「Cちゃん」と書いていますが、今回は久しぶりにこちらの現状と、人々の生活ぶりを書いてみようと思います。




アイスランドのコロナ関連の公式サイト 下方のTilkynna brot はルール違反をチクるためのリンク
Myndin er ur Covid.is



イギリスやドイツとは異なり、アイスランドでは現在はコロナはまた「プチ沈静化」してくれています。

今、ここで使う数字は1月19日現在のものになりますが、1月19日の国内での新規感染者数はふたり。ここには海外からの入国者の空港での検査による感染者数は含まれていなと思われます。

(*ついでに追加の情報ですが、先週の木曜日、金曜日には国内新規感染者は久しぶりにゼロとなりました)

127人が陽性での隔離におり、うち20人が入院しています。ICUには現在は誰も入っていません(コロナに限って)。別の149人が感染の可能性があるための隔離に入っています。

さらに海外からの入国者ら1204人が検査の結果待ちで隔離されています。

これらの数字、コロナのためのアイスランドの公式なサイトからのものなのですが、少し不明瞭な点があります。例えば、外国人が入国時の検査で陽性となった場合、その数がどこにも出てないと思われます。

「国境検査で陽性判明」についてはニュースでは言っているのですけどね。感染ルートを知る上では大切なことだと思うのですが??

次に、人口十万人に対しての直近一週間の新規感染者数です。これは国内感染者数では、アイスランドでは7,7。この数は同じ時期の日本でいいますと、鹿児島県(7,6)や大分県(7,6)と同程度です。ちなみに東京は77,2となっていますから、約十倍となります。

日本の公的なガイドラインによると、コロナのフェーズを区切る際の指標が、十万人あたりの週間新規感染者数が6人以上がステージ2、15人以上がステージ3、25人以上でステージ4となるそうです。

ですからアイスランドでは、日本でいうステージ2に戻ったことになります。ですが、実は先に述べました「空港検査での陽性判明者」の十万人あたりの週間感染者数は12,7で、これを加えると全体の週間感染者数は20,4まで跳ね上がります。

そうすると、これは日本でのステージ3のど真ん中になってしまいます。

おそらくは、入国時に空港検査で陽性が判明する人は、実際上の感染は国外ということになりますし、そのままアイスランド国内へは入って行けませんので、区別をしているものと思われます。




年代別の感染者数 30歳未満で半数を超えます
Myndin er ur Covid.is


昨年の十二月始めには相当オタオタしていたので、まあ、うまくいったのかな、という感じですので、「今のところは」という注釈付きで安心できる気がします。

ワクチン接種ですが、年明け早々から始まっています。まずは介護施設とかに入っている高齢の方々と、病院や介護施設のスタッフ。その次は既往症があったりして、特にコロナ感染を注意する必要がある方々。

あとは高齢者から順を追って若い世代へ向かうようです。政府のプランでは五月くらいまでには、国民すべてが接種を受け終えることになるようです。

さて、このような「一応の」沈静化を受けて、コロナ下での様々な規則も多少緩和されました。

十一月からでしたか?10人以上の集会が禁止されていました。それが今月の13日から20人まで緩和されました。

小中学校、高校等では授業は継続されてきましたが、さらに課外活動や、スポーツ活動もできるようになりました。もちろん制限はあります。

さらに、一般向けのプールも再オープン。全面禁止だったフィットネスクラブやジム等も、利用者の間隔の制定や入場者数制限等の条件付きで再オープンしています。



当初よりの感染者数推移 青が感染者数 オレンジ色が隔離終了者数(亡くなった方は含まれず)
Myndin er ur Covid.is


私の職場である教会関連について例を挙げます。昨年10月に、二十人の集会制限が再施行された際に、ビショップのお触れで、すべての日曜日の礼拝/ミサは中止されていました。これは今でも続いています。

なぜかというと、特にレイキャビク市内では日曜礼拝にはどうしても二十人以上集まってしまうからです。21人目で来た人を「ダメです。お帰りください」ということは事実上できません。そこで、とにかく少し治るまでは率先して自粛して範を示そう、ということになったわけです。

これは、懸命な判断だったと思います。教会にいる人たちは、とにかくなんとかして「集まろう」という傾向があります。ビショップが「しばらく全部やめ」と言ってくれた方が、各人胸中楽になるものがあったと思います。

今回、二十人まで制限が緩和され、日常の活動のいくつかはその限度内で再開しつつあります。日曜学校などは、小中学校の規則の延長線上にあるとみなされ、大人の数が二十人、子供の数は制限なしとなったため、これも再開されつつあります。

というわけで、状況が沈静化しつつあること、それにつれて諸制限が緩和の方向に動き出したこと、さらにワクチンの接種が始まったことが加わり、ちょっと「終わったー!」感が生まれつつあります。

私のいる教会の人たちは、今週のスタッフ会議のランチは、アイスランドのこの時期の伝統料理ソラブロート(発酵したサメだの、羊のXXのプディングだの、チョーまず!料理)を食べよう、と企画しています。




お口直し用ピック クヴェラゲルジィの地熱地帯
Myndin er eftir Jens_Holm@Unsplash


ですが、日本の報道バラエティを毎日見ている私は、逆に心配になってくるのです。「本当にそんなに気楽になっちゃっていいの?」ご近所のイギリスだって、あれだけ感染が蔓延。ロンドンでは三十人にひとりが感染しているといいます。

あまり手綱を緩めてしまうと、アイスランドもイギリス化してしまうかもしれませんし、あくまで慎重にゆっくり進むべきだと思うのですが。まだコロナはそこにいるんですから。

私のいる教会の皆さんには悪いのですが、今週のスタッフ会議のランチは、私は遠慮するつもりでいます。「会食はやばい」と日本では喚いているのだよ! 先週の会議での談笑の仕方を見ていて、「やばい」には理由があると思いました。

声は自然と大きくなるし、高笑いする人もいるし、しかも誰もマスクをしていない。オイラ以外は。

まあ、それでもアイスランドの良いところを挙げておきますと、こういう状況で皆に従わず「ワタシは遠慮しておきます」と言っても、別に悪いようには受け取られません。この点はありがたいと思いますね。

願わくは、このままコロナが収束してくれますよう。といいながらも「そうは簡単にはいかないよ」と心の中にも声がします。


*これは個人のプライベート・ブログであり、公的なアイスランド社会の広報、観光案内、あるいはアイスランド国民教会のサイトではありません。記載内容に誤りや不十分な情報が含まれることもありますし、述べられている意見はあくまで個人のものですので、ご承知おきください。


藤間/Tomaへのコンタクトは:nishimachihitori @gmail.com

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コメント (2)
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