晩夏から初秋を通り越して、急速に秋只中へ移行している感のあるレイキャビクからこんにちは。

今回のフォトは「秋っぽい」特集
Myndin er eftir Rorry_hennessey@Unsplash
ここ数回は、とにかく「Cワード」を使わないようにしよう!と思い、実践してきました。今回ちょっとだけ触れておきますと、先週からまた、まとまった数の新規感染者が確認されるようになり、 火曜日からの四日間で128人、特に金曜日には75人が陽性と判明しました。これはこちらとしては大きな数字です。
それで、この週末はまたバーやパブは「閉店」の憂き目となりました。パブでクラスターもどきがあったとか。「レストランは営業できるのに、なぜバーとパブだけなんだ!?」とは、とあるバーのオーナーの苦言。
「たしかにー」とも思いましたが、より狭いスペースでの、より熱の入った飛沫の乱舞を考えると、いた仕方ないのかという気もします。
偶然かもしれませんが、東京でも一時減少していたのが、ここ数日でぶり返しているとか。日本とアイスランドで、相通ずるものがあるのは確かなようです。若い年代層に感染者が多い、感染経路不明が多い等々。
時折、日本のニュースなのか、アイスランドのニュースなのか、頭の中で混濁することがあります。単に老人性のボケか?
以上、Cちゃん関連トピック終了。
さて、今回は水曜日のネット版のモルグンブラウジィズ紙のニュースからご紹介します。移民についてです。
今年2020年1月1日の時点では、アイスランドに住んでいる「外国人」は55.354人だったそうです。
「住んでいる」ということの判断の仕方ですが、logheimiliローグヘイミリと呼ばれる「法定住所」がある場合に、こちらに住んでいるとみなされます。
アイスランドの法律では法定住所は一時(いっとき)にひとつしか登録することができません。それが、アイスランドの住所であれば「住民」となるわけです。日本でいう「住民票」みたいなものですかね?
もう一点、「外国人」ですが、これは「アイスランドの国籍を有していない人」のことをいいます。つまりアメリカやフィリピンの如く、二重国籍を認めている国の人が、アイスランドでの市民権を得た場合、それでもその人は依然アメリカ人やフィリピン人でもあるのですが、ここでは アイスランド人と勘定され、「外国人枠」からは外れます。

教会の役員のご婦人による「秋ショット」
Myndin er eftir Vigdis Palsdottir
さらに付け加えておきますが、例えば日本の方とアイスランド人が結婚あるいは同棲等で子供を授かった場合、その子供は二十一歳になるまでは二重国籍を有するのが普通です。普通というのは、ちゃんと日本の役所へ出生届けをして「国籍の留保」を希望すれば、ということになります。
その場合も、その子供はアイスランド人として勘定され、この国での「日本人数」には入りません。同じ人物が二回勘定されることはないわけです。
ですから、2020年初頭の外国人数55.354人には、すでにアイスランドの市民権を得た移民や、いわゆるハーフで二重国籍を持っている子供たちは含まれないことになります。
ちなみに「私」は含まれます。ワタシは相変わらず、単に「アイスランドに住んでいる日本人」であり、アイスランドのパスポートは持っていないのでした。
移民の数についてはこれまでも何回か書いてきました。前回書いたのは「アイスランドに住む人々」という記事で、2018年の二月のものです。それを、今回ちょっと覗いてみて我ながら驚いたのですが、2017年一月の外国人数は約三万人だったんですよね。
アイスランドに住む人々
一年後の2018年の初めには四万人。そして去年の初頭は五万人。このところ一年で一万人ずつ増えてきていたわけです。
そして、今年は五万五千人。増加のペースは五十パーセント減ですが、それでもかなりのハイペースで増加を続けていることになります。
さて、2020年1月1日時点でのアイスランドの総住民数は364.134人ということですので、外国人の比率は15.2%となります。
市民権を得た人や、二重国籍を持つ移民の子供たちを含めて、いわゆる「移民」として勘定した場合には、このパーセントはグッと上がるのですが、それをきちんと計算するのはなかなか面倒くさいものになります。
統計局のようにしっかりとしたデータを持つところで、専門家が取り組めば難しくはないかもしれませんが、ワタシのような門外漢には「二十パー超えじゃないの?」程度のザックリ予想止まりです。

これはmy shot レンズを通すと色が変わる不思議なプラント
モルグンブラウジィズ紙の記事によると、これらの外国人の六割強がレイキャビク周辺の地域に住んでいるそうです。
空港があるケフラヴィク地域では住民数の三割弱が外国人。北西部のフィヨルド地帯では住民の二割。北部では一割弱となります。
移民というか在住外国人の中で一番多いのはポーランド人で20.477人、外国人の37%に相当します。これは相変わらずダントツでのトップ。二番目に大きなグループはリトアニア人で5,9%、三番目はフィリピン人で3,8%となるそうです。
次いで、昨年のNew Icelanders、つまりアイスランド国籍を取得した人々についてですが、全部で437人が「おめでとうー!」となりました。ですが、これは一昨年の569人を下回っています。
過去十年間くらいの国籍取得情勢も、このブログで書いた覚えがあるのですが、見つかりません。もし見かけた方がありましたら是非お教えください。m(_ _)m
国籍所得の申請にはいろいろな条件がもちろんあります。年数だけいいますと、通常の移民は七年間の継続した生活が条件。ただし、母国を失った難民の場合は五年間です。
教会で、難民の人たちとの定期集会を始めたのが2015年なのですが、当時集会に来ていて、滞在許可を受けることのできた人たちが、今、ちらほらと国籍所得の申請を始めています。そうなんです、もう五年が経過しようとしているのです。
この夏には、その中のふたりが晴れてアイスランド人となりました。ふたりとも、極めてしっかりと教会通いをしていた青年なので、私もとても嬉しく感じました。何というかホットしますね。「母国」がない状況というのは、やはり不安だと思うんですよね。私には想像しきれないものがありますが。

Go to travel アイスランドも入れてください!
Myndin er eftir Cassie_boca@Unsplash
そして、その難民の人たちなのですが、昨年中に、このアイスランドで滞在許可が下りた難民申請者は468人。この人たちも当然アイスランドの「住民」として勘定されます。これまでは「滞在者」だったのですが、一歩前進。
そして、それらの中の多くの人が、また五年後には国籍取得申請者となり、New Icelandersとなっていくことでしょう。ワタシは「アイスランドに住んでいる日本人」のままでしょうが。
それにしても、2017年には三万人だった「ガイコクジン」、以降三年間で二万五千人の増加というのは、全体で三十五万人程度というこの小国にとってはかなりのものです。
それに伴うあまりありがたくない問題もいろいろと起こっています。ですが、長くなり過ぎますので、それはまたの機会にとしたいと思います。
日本はまだ残暑厳しいのでしょうか?こちらは急に寒くなりかけていますので、風邪をひかないように気をつけないといけません。暑いにせよ、涼しくなっているにせよ、今週も健康に気をつけてお過ごしください。
*これは個人のプライベート・ブログであり、公的なアイスランド社会の広報、観光案内、あるいはアイスランド国民教会のサイトではありません。記載内容に誤りや不十分な情報が含まれることもありますし、述べられている意見はあくまで個人のものですので、ご承知おきください。
藤間/Tomaへのコンタクトは:nishimachihitori @gmail.com
Home Page: www.toma.is

今回のフォトは「秋っぽい」特集
Myndin er eftir Rorry_hennessey@Unsplash
ここ数回は、とにかく「Cワード」を使わないようにしよう!と思い、実践してきました。今回ちょっとだけ触れておきますと、先週からまた、まとまった数の新規感染者が確認されるようになり、 火曜日からの四日間で128人、特に金曜日には75人が陽性と判明しました。これはこちらとしては大きな数字です。
それで、この週末はまたバーやパブは「閉店」の憂き目となりました。パブでクラスターもどきがあったとか。「レストランは営業できるのに、なぜバーとパブだけなんだ!?」とは、とあるバーのオーナーの苦言。
「たしかにー」とも思いましたが、より狭いスペースでの、より熱の入った飛沫の乱舞を考えると、いた仕方ないのかという気もします。
偶然かもしれませんが、東京でも一時減少していたのが、ここ数日でぶり返しているとか。日本とアイスランドで、相通ずるものがあるのは確かなようです。若い年代層に感染者が多い、感染経路不明が多い等々。
時折、日本のニュースなのか、アイスランドのニュースなのか、頭の中で混濁することがあります。単に老人性のボケか?
以上、Cちゃん関連トピック終了。
さて、今回は水曜日のネット版のモルグンブラウジィズ紙のニュースからご紹介します。移民についてです。
今年2020年1月1日の時点では、アイスランドに住んでいる「外国人」は55.354人だったそうです。
「住んでいる」ということの判断の仕方ですが、logheimiliローグヘイミリと呼ばれる「法定住所」がある場合に、こちらに住んでいるとみなされます。
アイスランドの法律では法定住所は一時(いっとき)にひとつしか登録することができません。それが、アイスランドの住所であれば「住民」となるわけです。日本でいう「住民票」みたいなものですかね?
もう一点、「外国人」ですが、これは「アイスランドの国籍を有していない人」のことをいいます。つまりアメリカやフィリピンの如く、二重国籍を認めている国の人が、アイスランドでの市民権を得た場合、それでもその人は依然アメリカ人やフィリピン人でもあるのですが、ここでは アイスランド人と勘定され、「外国人枠」からは外れます。

教会の役員のご婦人による「秋ショット」
Myndin er eftir Vigdis Palsdottir
さらに付け加えておきますが、例えば日本の方とアイスランド人が結婚あるいは同棲等で子供を授かった場合、その子供は二十一歳になるまでは二重国籍を有するのが普通です。普通というのは、ちゃんと日本の役所へ出生届けをして「国籍の留保」を希望すれば、ということになります。
その場合も、その子供はアイスランド人として勘定され、この国での「日本人数」には入りません。同じ人物が二回勘定されることはないわけです。
ですから、2020年初頭の外国人数55.354人には、すでにアイスランドの市民権を得た移民や、いわゆるハーフで二重国籍を持っている子供たちは含まれないことになります。
ちなみに「私」は含まれます。ワタシは相変わらず、単に「アイスランドに住んでいる日本人」であり、アイスランドのパスポートは持っていないのでした。
移民の数についてはこれまでも何回か書いてきました。前回書いたのは「アイスランドに住む人々」という記事で、2018年の二月のものです。それを、今回ちょっと覗いてみて我ながら驚いたのですが、2017年一月の外国人数は約三万人だったんですよね。
アイスランドに住む人々
一年後の2018年の初めには四万人。そして去年の初頭は五万人。このところ一年で一万人ずつ増えてきていたわけです。
そして、今年は五万五千人。増加のペースは五十パーセント減ですが、それでもかなりのハイペースで増加を続けていることになります。
さて、2020年1月1日時点でのアイスランドの総住民数は364.134人ということですので、外国人の比率は15.2%となります。
市民権を得た人や、二重国籍を持つ移民の子供たちを含めて、いわゆる「移民」として勘定した場合には、このパーセントはグッと上がるのですが、それをきちんと計算するのはなかなか面倒くさいものになります。
統計局のようにしっかりとしたデータを持つところで、専門家が取り組めば難しくはないかもしれませんが、ワタシのような門外漢には「二十パー超えじゃないの?」程度のザックリ予想止まりです。

これはmy shot レンズを通すと色が変わる不思議なプラント
モルグンブラウジィズ紙の記事によると、これらの外国人の六割強がレイキャビク周辺の地域に住んでいるそうです。
空港があるケフラヴィク地域では住民数の三割弱が外国人。北西部のフィヨルド地帯では住民の二割。北部では一割弱となります。
移民というか在住外国人の中で一番多いのはポーランド人で20.477人、外国人の37%に相当します。これは相変わらずダントツでのトップ。二番目に大きなグループはリトアニア人で5,9%、三番目はフィリピン人で3,8%となるそうです。
次いで、昨年のNew Icelanders、つまりアイスランド国籍を取得した人々についてですが、全部で437人が「おめでとうー!」となりました。ですが、これは一昨年の569人を下回っています。
過去十年間くらいの国籍取得情勢も、このブログで書いた覚えがあるのですが、見つかりません。もし見かけた方がありましたら是非お教えください。m(_ _)m
国籍所得の申請にはいろいろな条件がもちろんあります。年数だけいいますと、通常の移民は七年間の継続した生活が条件。ただし、母国を失った難民の場合は五年間です。
教会で、難民の人たちとの定期集会を始めたのが2015年なのですが、当時集会に来ていて、滞在許可を受けることのできた人たちが、今、ちらほらと国籍所得の申請を始めています。そうなんです、もう五年が経過しようとしているのです。
この夏には、その中のふたりが晴れてアイスランド人となりました。ふたりとも、極めてしっかりと教会通いをしていた青年なので、私もとても嬉しく感じました。何というかホットしますね。「母国」がない状況というのは、やはり不安だと思うんですよね。私には想像しきれないものがありますが。

Go to travel アイスランドも入れてください!
Myndin er eftir Cassie_boca@Unsplash
そして、その難民の人たちなのですが、昨年中に、このアイスランドで滞在許可が下りた難民申請者は468人。この人たちも当然アイスランドの「住民」として勘定されます。これまでは「滞在者」だったのですが、一歩前進。
そして、それらの中の多くの人が、また五年後には国籍取得申請者となり、New Icelandersとなっていくことでしょう。ワタシは「アイスランドに住んでいる日本人」のままでしょうが。
それにしても、2017年には三万人だった「ガイコクジン」、以降三年間で二万五千人の増加というのは、全体で三十五万人程度というこの小国にとってはかなりのものです。
それに伴うあまりありがたくない問題もいろいろと起こっています。ですが、長くなり過ぎますので、それはまたの機会にとしたいと思います。
日本はまだ残暑厳しいのでしょうか?こちらは急に寒くなりかけていますので、風邪をひかないように気をつけないといけません。暑いにせよ、涼しくなっているにせよ、今週も健康に気をつけてお過ごしください。
*これは個人のプライベート・ブログであり、公的なアイスランド社会の広報、観光案内、あるいはアイスランド国民教会のサイトではありません。記載内容に誤りや不十分な情報が含まれることもありますし、述べられている意見はあくまで個人のものですので、ご承知おきください。
藤間/Tomaへのコンタクトは:nishimachihitori @gmail.com
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