レイキャビク西街ひとり日誌 (Blog from Iceland)

北の小さな島国アイスランドはレイキャビクの西街からの、男独りブログです。

ジュネーブ中街ワイワイ日誌(19-2)– ジュネーブ珍道中の前史

2019-10-06 00:00:00 | 日記
今回は前回に引き続き「ジュネーブ中街ワイワイ日誌」です。毎回、冒頭では天気について触れるのが習慣となってきましたので、まずはジュネーブの天気について。

私たちが滞在していた一週間 –九月の最終週でしたが– は、毎日とても好天で空は抜けるような青。風も暖かかく温度的には20度から24度辺りでした。夜になっても寒くはならず、誠に心地よかったです。

アイスランドではまずあり得ない「暑いから日差しを避ける」というような場面もありましたし、私たちにとっては、嬉しい「ボーナス的夏の一週間」となりました。




好天だった今回のジュネーブ


さて、今回の集団旅行についてですが、目的は「主にヨーロッパで、教会が難民や庇護申請者についてどのような働きをしているか?」を学ぶことにありました。難民問題はヨーロッパの大陸では大きな問題です。ドイツなどでは100万人の難民を受け入れているくらいですから。

アイスランドは、離れた小島であるということもあり、難民問題も(他の多くの問題、例えば移民問題などと同じく)大陸から数年遅れの最近、無視できない事象として社会に現れてきたのです。

そのような背景の中で、私が牧師として難民に関わる事柄を主に担当していることは、これまでにも書いてきた通りです。

なぜジュネーブに来たのか?ということなのですが、ふたつの理由があります。ひとつ目は、ジュネーブには「世界ルーテル連盟」とか「世界教会評議会」という、いわば国連の教会版のような組織の本部があることです。

世界ルーテル連盟(LWF)というのは、「ルーテル教会」というプロテスタント派の教会の連盟なのですが、世界中に散らばっているルーテル教会の世界本部がジュネーブにあるわけです。

とは言っても「ジュネーブが総本山」というように、ジュネーブという地に宗教的な意味があるわけではありません。あくまで「世界事務局がジュネーブにあるんだ」という風に理解してください。

もうひとつの世界教会評議会(WCC)ですが、これも同じような世界事務局なのですが、ルーテル教会だけではなく、様々なプロテスタント教会が参加をしており、文字通りに「世界の教会」を集めたものの事務局です。

私たちのジュネーブ訪問のもうひとつの理由は、そのLWFにアイスランドの教会の牧師夫婦が赴任していることです。夫婦で牧師なのですが、旦那さんの方がLWFのコミュニケーション部局の長の仕事に、四年前から就いています。

奥さんの方は、今現在は専業主婦のような形になっていますが、ジュネーブルーテル教会の、役員会の長をしたりしてボランティアベースながら活躍しています。この奥さんの方が、私のかつての同僚で、一緒に「難民の人たちとの祈りの会」を始めた仲なのです。

それで、彼女 –クリスティとしておきますが– がジュネーブに移った後、「トシキ、あなたはここにきて教会が何をしているか見なきゃダメよ。いろいろ見るべきものがあるから」と、以前から焚きつけられていたのです。

ところが、私の方はどちらかというと及び腰で、なかなか実現しませんでした。十年くらい前までは、教会の用事でヨーロッパへ出向くのは面白かったのですが、だんだんと面倒臭くなってしまいました。

実は、ヨーロッパは基本的にキリスト教が盛んな地域ですので、会議とかにかこつけて、出張しようと思えば、かなり頻繁にその機会はあるのです。

ですが、私自身はそのように外国訪問するよりは、自陣でしっかり活動を据える方が面白くなり、外へ行くのは遠慮するようになっていました。実際はもう少し理由があるのですが、また機会のあるときにご説明します。




この青空に慣れてしまうのがコワい...


そういうわけで、今回も私はウダウダしていたのですが、クリスティと仲の良いソルベイという女性の監督(ビショップ)が、積極的にこの話しをまとめてくれて、春先に「トシキ、秋にジュネーブに行くから、あなた、行くメンバーを選抜して」との命を受けたのでした。

教会の仕組みの説明とかは、皆さんには関心外のことでしょうが、大雑把にいうと、教会の長として監督がいます。現在のビショップはアグネスさんという女性です。

その下に、北部アイスランドと南部アイスランドにそれぞれビショップがいます。紛らわしいのですが、要するにふたりの「副ビショップ」が北と南にいると考えてください。ソルベイさんはその副ビショップです。それなりに高いポジションです。

「行きたくない」とは言えないし、予算の手配とかもすべてしてくれるようだったので「それなら、ヨロコンデー!」と、参加メンバーの人選に着手させていただきました。

人選は簡単。私の原則で「今現在、このテーマ(難民への活動)に従事している人が行く」ということでした。当たり前ですけどね、ジュネーブに行きたいから「にわか興味」を示すような人には行って欲しくないのでした。

そしてその結果が、若い男性牧師ひとりに若い女性牧師ふたり、年配の男性牧師ふたり(うちひとりはワタシ)、年配の女性牧師一人(ソルベイ監督)の六人となったのでした。

偶然ですが、男女比50-50、年齢配分も50-50となり完璧。あとから「自費でも参加したい」という年配男性牧師ひとりが加わりましたが。

そういう経緯で参加者が決まりましたので、私からしてみれば普段から一緒に仕事をしている仲間ばかりで、気心が知れている人たちばかりです。これが今回、「お任せモード」に入ってしまった一因でもあります。




これはジュネーブではなく、お隣りのモルシェという小さな街の教会 牧師さんはアイスランド人女性


考えてみれば、クリスティの「いらっしゃい」からまる三年が経過してしまっていましたが、ようやく「いらっしゃいます」が実現したわけです。まったくワタシの努力はありませんでしたが。

にも関わらず、今回の視察旅行は「トシキの旅」というような趣がありました。難民に関わる活動では、私が一番の専任者であるからなわけですが、「トシキの仕事を発展させルために、そのサポートのためにみんな来ているんだ」というような感じ。

まあ、私個人の利益のためにやっているわけではないのですが、確かに私のポジションにとっての益になる部分が大きいのは確かですし、ありがたいことです。

今回の旅行中、グループとしていろいろな人にお話しを伺う機会があったのですが、その度にソルベイ監督が「トシキがアイスランドの教会でとても大切な働きをしている。そのサポートをするために私たちはここにきている」

はっきり言って、この短い旅の中で過去二十年間、プラス今後十五年間分の「お褒めの言葉」をまとめていただいた気がします。恐縮なことで。これから先、当分はなんにも出ないだろうな。

「なぜジュネーブへ来たか」という経緯の説明だけでブログ一回分のスペースを使い切ってしまいました。続きは次回へ持ち越しにさせてください。できればエクストラで、週内に一回分付け足してお伝えしたいと思います。


藤間/Tomaへのコンタクトは:nishimachihitori @gmail.com

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